《元豚王子VS悪役令嬢》第20話 酔っぱらい神の無茶振り

ここは…ああ…いつもの神殿だわ。

俺が中にるとヒールが片っぽげただらしない神が床に寢っ転がっていた。左手にはビール缶を持っている。

これが…ブッシュバウムの國民が讃える神の姿かよ!!

「…おい神さん…おい聞こえてますか?」

俺は足でげしげし蹴って起こした。

しかしそこでガシっと足を持たれて

「こん無禮者がああああああ!!」

と神殿の柱にぶん投げられた!

ドシャーーン!!

結構な破壊力なんだが痛くない?

「けけけっ!そりゃここが神と時の部屋みたいなもんだからね!痛みなんかねぇよ!はあい!!」

んなドラゴ●●ピーー●ピみたいな!!

つかめっちゃ酔っとる!

「酔ってませんよぉ?はあい!」

語尾「はい」から「はあい」になってるから!!

「細けーことはいいんだよ!はあい!何しに來た?」

「いや…あのさ…クラウディアの人形を量産して売ろうと思うんだけどそれに浄化の力とか付與して魔避けとかにできないの?」

「ああ…あのフィギュアのことだな?オメーこの野郎!そういうのはどんどんやれ!つうか私の髪のも持っていけ!そして私の人形を祀り崇めよー!」

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とブチリと自分の髪を千切り水の髪を差し出した!

「おお、婚約者の髪の付與ね、好きにしてはあい!祈っときゃ大加護付くでな!がははははあーっ!!」

はあーっ!と酒臭い息をかける。

「後さ…なんかもっと効率のいいレベル上げないの?毎回祈りに行くのもだるいし、ショボいし」

「オメーそんなにガバガバレベル上げて界●ピー拳でも會得する気か?はあい!まっ!仕方ねえ奴だな!んじゃ竜とか白狐とかぶっ倒して寶珠を譲ってもらえよー!また婚約者に無理させるんだろうけどよぉ!一気に上げたいならそれ。地道に一つずつレベル上げんなら今までどおり祈れえええ」

「ちなみにその寶珠譲ってもらったらどのくらいレベル上がる?」

「10レベルくらいな、そこまで行けば骨折くらいなら治せるな」

10レベルか!!でも…流石に竜なんて恐ろしい力だよな!クラウディアが倒せても大怪我する可能はある!やっぱり地道に行くしかないか。

「ブッシュバウムでは竜をドラグー、白狐をホワイツコンコンと言うんだぜはあい」

また変な。ドラグーはまだいいよ?ホワイツコンコンって何だよ!!

「略してホワコンとも呼ばれているぞはあい!」

ホワコン!!なんか可く思えてきたわ!!

「お前ホワコン侮ってると凄えぞー後悔するぞ!?魔なんかより強いからな?ドラグーとホワコンは神獣だからな!倒すのもちょっと厳しいと思うぞ」

「そう言うことは早く言えよ!!じゃあダメじゃん!そんな神がかり的なのから寶珠なんか譲ってもらえるわけねぇじゃん!!」

「いやー何か土産でも持ってて渉したら案外くれんじゃね?知らんけど」

知らんてなんだよ!はあい!!

「土産ってなんだよ?どんなの?」

「知らん…何でもかんでも神に聞くな鬱陶しい!私は眠い…じゃあな!帰れバカ!ちなみに次の満月の奇跡の力は頭痛と鼻炎が治せる力な!」

何だとこの酔っ払い神がああ!

後、そんなに変わんねえよ!頭痛と鼻炎て!風邪引いた時は便利だけどおおお!!

視界が真っ白になり俺は目を開いた。

うーむ…何か頭痛い。あ、たんこぶできてら。

「殿下!お目覚めに!」

「フェリクスか…」

あれ?俺何で倒れたんだっけ??クラウディアとハンバーグ食べようと廚房に戻ろうとして…

「クラウディアは?」

「はあ、今、牢にれております。婚約者と言えども殿下に狼藉をしましたからな。そのたんこぶ」

「はっ??何でクラウディアが牢に!!馬鹿野郎今すぐ出せバカ!」

「王族に危害を加えた者は一応れる決まりでして…殿下が直接迎えに行くしかないですね」

そうなのか…確かクラウディアの手を握ったことは覚えてる。そこから赤いが巻きついて……。

あ…もしかして!手握られるの嫌だったのか!!じゃあ俺のせいじゃん!!

ごめんクラウディア!今すぐ行くぞ!!

と俺はズキズキする頭を押さえて牢に向かった!

王宮の地下にある牢の部屋は煤だらけの暖爐があったけど私は使わなかった。

手足には能力封じの枷が嵌められている。

「王族に無禮を働いたものね。當然の仕打ち!1週間はここで生活ですわね…」

と鉄の扉を見る。

しかしそこで兵士とめる聲が上から聞こえてダダダと足音がしてガチャリと鍵が空いた。

「クラウディア!!」

「ジークヴァルト様!?」

痛む頭を押さえて王子が扉を開けた。

「出よう!そんな枷まで嵌められて可哀想に!!今外そう!」

「ジークヴァルト様!私はあなたを傷つけたのです!!これは罰なのですわ!幸い1週間くらいで出られますから!」

「1週間もこんな所にいたらダメだ!それに誰が剣を教えるんだよ!お師匠!お前は婚約者であり俺の師匠だろ!…それに俺が手を握ったから悪いんだ!」

「えっ!?」

「気持ち悪かったんだろ!?いきなりごめんよ!もうしないから!もう大丈夫だから!」

「!!!」

私はあまりの勘違いに唖然とした。

ガチャリと枷が外される。

「…ジークヴァルト様…違います…。気持ち悪くありません…私恥ずかしくて!!つい髪が暴走してしまったのです!」

「えっ!!?まさかのツンデレ暴走!!?」

ツンデレ?

「ですから私がここにいるのは當然です…」

ジークヴァルト様はうーんと考えて

「俺が出すと言ってるのに反省したいから自らここにいると?」

「そうです…」

「そそそ…それなら俺も牢にいよう!クラウディアが出ないと言うなら!」

「何を!」

「クラウディアと1週間も會えないのは辛いからな…俺の剣の練習だって!料理だって!」

ポタリポタリと滴が落ちた。

「わっ!クラウディア!!何で泣くの!?」

泣く?私が?

そっと頰をると確かに濡れている。私は泣いているの?

「ごめんよ、また傷つけた?」

「違います…違います…殿下が…ジークヴァルト様が…優しいからです…」

するとジークヴァルト様がよしよしと頭をでた。

「出ようクラウディア…」

それに私は涙を拭いて

「はいっ!」

と応えた。

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