《婚約破棄予定と言われたので明になって見たら婚約者の本を知り悩んでいます》婚約者の溺が辛い

結局私とニルス様はあれからとても仲良くなった。指は業者を呼び床板を外して取ってもらった。

今はニルス様がわざわざ公爵家の馬車を迎えに寄越して一緒に馬車に乗って通學している最中だ。

ニルス様は指を取り出すと

「今度は嵌めてくれるか?」

と言うからコクリとうなづき丁寧に嵌められた。

「よく似合う…」

と赤くなりながら言うニルス様の指にも同じデザインのものがありお揃いで恥ずかしくなり

「や、やはり外していいですか?これをつけて學園に行くと噂になってしまいます!」

「言わせておけばいいだろ?」

「でもぉ…人の目が…」

見られると気持ち悪くなるし。するとニルス様は指に魔法を唱えるとりだした。

「防音効果と周囲の人間が薄く見える魔法も付與しておいたぞ。後張しなくなる薬もたくさんやる!」

と鞄からたくさんの薬を出した。

い、至れり盡くせり。

「因みに者の俺ははっきり見えるけどな!俺だけ見てればいい」

と言うと手を握られる。この前キスしたことが思い出されぼっと赤くなる。

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「は…はい、ありがとうございます!」

と言うとニルス様が手をばしてくる。

「イサベル…」

となんか甘い空気になる。

「ニルス様…だ、ダメですよ…!」

「は?何が?」

と優しい顔をする。くっ!が締め付けられる。今までニルス様がこんなに甘い顔をした事が無くむしろ照れたり怒られてばかりだったのがキスされてからガラリと変わった。學園で人の目がある時は相変わらずの天邪鬼態度なのに二人きりになるとこれだ。

心臓がもたないしまたキスされそうなのを私は必死で口に手を當てガードして止める。

「…お前ほんと素直じゃ無いな!」

と言われる。え?ニルス様に言われたく無い。

しかし結局手をどかされ綺麗な目に見つめられるとけなくなり引き寄せられられるまま軽く朝のキスをされ、終わると笑顔で頭をポンポンされるとなんだか心が嬉しくポワポワした。

「イサベル大好きだ。俺の可い婚約者」

ともうニルス様は人が変わったかのように私の前では優しくなった。これは溺というやつかな?

こんなのが毎日続くと私、心臓病で死ぬかも。辛い。

私はハッと思い出して、鞄からランチを渡した。

「お晝に召し上がってください」

と言うと

「ん…ありがとう…どうせなら一緒に食べないか?」

われる。

「変な蟲…まだ謹慎中だがあのクソ王子以外にもお前を狙ってる者は多い。學年が違うから常に側に居れないのがけない」

と言う。

「そんな…ニルス様だって…」

「俺の心配より自分を心配しろよ?いつもあの友達のと一緒にいるんだぞ?この指は多危険から守ってくれるけどな」

結局學園に著くまでいつの間にか私はニルス様の膝に乗せられて抱きしめられていた。

頰にキスされ馬車から降りると人の目が一斉に向いた。思わずニルス様の影に隠れながら歩いた。

「大丈夫だから。教室まで送るか?」

「余計目立ちます!」

「ははっ…」

と笑うニルス様。こっちは大変なのに!溺もいい加減にして!

するとマリーがやってきた。

「おはよう!!イサベル!!ニルス様!!」

「…おはよう…えーと…ハイデマリー・ロデリードだったな。ロデリード商會の娘の」

「はい!イサベルの唯一の大親友であります!」

とマリーが畏る。

「そうか…イサベルがいつも世話になっている」

「はい!私がいる限り変な男は近寄らせませんよ!なのでうちの商品もよろしくお願いします!!」

とまたちゃっかり言うマリー。

「わかった。ロデリード商會のも今度取り寄せてみよう」

と言うとマリーは笑顔になりペコペコと頭を下げて商品の紹介をしていた。

それからニルス様は2階へと上がろうとしたところをヘルベルト様に引き止められた。

「やあ、ニルス!おはよう!見てたよ!一緒の馬車で登校なんて!きっといやらしいことを中で?羨ましいね!」

「お前と一緒にするな!!」

と言う。いやキスしたくせに!!

「そうかい?ああそうだ、遅くなったけどね、俺…アンナと別れたよ。他の生徒會のメンバーたちも一斉に別れた」

と言うから驚く。

「ええ!?あんなに仲良かったのに?」

「ははは!俺はなら來るもの拒まずであったけどさ、流石にあんなクソの相手をするほど馬鹿ではないよ。あんなのただの暇つぶしと遊びだし、他の皆も彼のつける薬の香水が効いていたからねぇ。証拠の香水をやっと沒収しておいた。

俺とニルスはそう言う類の薬にい頃から訓練をけていてね。とりあえずアンナを泳がせていたのさ」

と言うから私はニルス様を見ると嫌な顔をして

「ヘルベルト…お前耐があるのにアンナと遊び過ぎだろ。婚約者に悪いと思わないのか?」

「と言ってもかなり遠い國の王様だし、俺も一度も會ったことはないからなぁ?向こうもいろんな奴とできてるかもしれないだろ?」

「そんなの會わないとわからないだろ?俺とイサベルのようにな」

と言うから照れる。

私もいつの間にかニルス様のことはもう大好きだけど恥ずかしくてニルス様のように好きだとか連発して言えないもの。

「なんだかすっかり甘くなったねぇ?ニルス。まぁ上手くいって良かったよ。人間素直が一番さ!イサベルちゃんはニルスのこと當分は気持ち悪いだろうけど相手してやってね!」

と言われて苦笑いするとニルス様は

「おい、嫌そうな顔するな!失禮な奴だな!ヘルベルト!行くぞ!!」

とニルス様はヘルベルト様を引きずりながら2階へと上がって行き、し振り返ると

「また晝な!」

と約束し、見えなくなった。

マリーはニヤニヤして

「隨分と溺されるようになったね!最初は酷い奴だと思ったけど!!結構いい人だったね!素直になると!」

とマリーにも言われてる。

「う、うん…」

「ふふふー!お晝もこれからは私は遠慮するからね!」

と言われ午前の授業が終わるとお晝に人気のないあの空き教室でニルス様と待ち合わせをしてお晝を食べることになった。

人がいないからとニルス様は私を膝に乗せて私の口に食べを運びどこから見ても溺ぶりが激しい。見られてなくて良かったけど。

「…最近お祖父様が寂しいからお前とお茶會を再開したいと言うが俺のイサベルを取られては敵わないからな!お前も研究したいだろうし俺の部屋でするといい」

と嬉しいことを言われ

「いいんですか!!?研究しても!!?」

「ああ…お前の明薬…時間調整できるようになったらちゃんと商品登録して売り出す!いいか?危険だから開発者は俺の名を使うが」

「は、はい!研究できれば何でも!!」

と嬉しがるとニルス様もにこりと微笑む。

そうして私の休日は楽しくなりもう世界から消えたいとは思わなくなった。

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