《天使と悪魔と死神と。》

 深く深く墮ちていく。

゛あの時  ゛と同じだ。また、僕はあの子を救えないのか?いや、今度こそだ。今度こそ功させてみせる。見ていてください、――。

 墮ちていく中で僕は拳を握りしめる。

 アペルは目が覚めた。隣には杏樹がいる。

  杏樹が疲れている様だったので仮眠をとることにしたのだ。いつの間にかアペルも寢てしまっていたが。

「ふぅ――...........。」

 深呼吸をし、立ち上がる。そしてもう一度深く息を吸い、朝の空気をとり込む。もう本當に時間はないかもしれない。そんなことを考えていると、

「……あれ、私寢てたっけ……あぁ、仮眠とってたんだった……あ、アペルさんおはようございます……。」

と、まだ眠そうな杏樹の聲が聞こえた。

「うん!おはよう!」

アペルは自分の眠気覚ましにも大きな聲でそう言った。

「あのアペルさん、その願いを葉えてくれる人にはどうやったら會えるんですか……?」

 2人はすっかり目も覚め、歩き出していた。杏樹はどこに行くのか、またここがどこなのか、まだ分からないので、とりあえずアペルについて行く。

「あぁ〜……それ説明してなかったか。」

 アペルは思い出したように言い、杏樹に説明する。

 その人に會うにはまず4つの扉を通って行かなければならない。その4つの扉を開けるにはその扉を守る守人もりびとを倒さなければならない。扉には東西南北と、方角で名前がついているが、東の門を開ければ真っ直ぐすすんで西に著く。そうして南、北と進み、北の次の中央の扉の先に ゛その人  ゛はいると言うことだった。

「倒すって…要は守人もりびとさん達を゛殺せ  ゛と……?」

 協力するのはいいが、杏樹は死ぬのも殺すのも嫌だった。

「まぁそう言うことになるけど……大丈夫だよ!君の事は、僕が命をかけても守るから!安心して?」

 その悪戯っぽい笑みに杏樹は自分のの安全を任せられるような気がした。

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 そんな平和な様子を遠くから眺めている者がいた。髪が風に靡くのが心地良い。この景を見るのも……て゛9回目 ゛だろうか。あいつの力的に考えて次が最後だろう。そんなことを考え、不敵な笑みを浮かべる。

「次も俺が失敗させてやるよ。」

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