《ひざまずけ、禮》序章5話 彼と彼(5)

速攻でバレた。というかこのエセ神、心読んできた。

佐和「なにこのBBA」

佐和さん、どストレート。しかし威力は豪速球のそれだった、

??「ババァちゃうわあほぉ!おまえら死にたいんか!?えぇ!?・・・あぁ、しんでるんやったな、はぁ。」

1人でツッコミ、1人で落ち込んだ。忙しいひとだな。というか、やっぱり僕ら死んでるのかよ。

??「せや。お前らはさっき、ゾンビに襲われて死んでしもうた。やけど、そこであたしの出番ってやっちゃな!」

比影「心読まないでもらっていいですかね。で、結局あなたは誰なんです?」

??「あぁ、自己紹介がまだやったな。あたしは人の命を司る、えーーーっらい神様や!イレゼア神なんて呼ばれとるな!」

佐和「エセ?」

??「エセちゃうわ!」

比影「長いからレアで。」

レア「もっとマシな訳し方なかったんか・・・?まぁえぇけど。」

イレゼアとか名乗ったエセ関西弁を話す神様は、あの世界と置かれている狀況を教えてくれた。

レア「近頃、紅き街が侵食を始めてな。昔にあたしらが止めたんやが・・・まぁそれは置いとくとして。その紅き街にいる化け共のうちの一人が、お前らを襲ったゾンビや。」

佐和「紅き街?」

レア「あの世界、真っ赤やったろ?だから、紅き街。あの中は、外とは似て非なる世界でな。今はまだなんとかなってるが、最悪今の世界狀況と、マルっと反転するかもな。」

2人「なんですとぉ!?」

僕らは、レア様から詳しいことを聞いた。なんでも、あの世界は僕らの世界の裏側だとかで、何が原因かは分からないけど、突然1部がひっくり返ったらしく、それから広がったのだという。

しかもその中は、化けがはびこる空間とも繋がっているらしい。つまり、んなところから様々な種類の化け、妖怪、果てはエイリアンに至るまでが生息しているという。

なんとも信じ難い話だ。アニメやらライトノベルやらに影響されすぎやしませんかね。なんて、以前の僕なら笑い飛ばしていただろう。実際にその世界を目の當たりにした僕らは、その話を容易に信じたのだった。

比影「反転するってことはつまり、今の世界のほとんどが紅き街になって、あの化け共が街に溢れかえるってこと?」

レア「そういうことや。まずいやろぉ?」

佐和「確かに・・・」

レア「あたしらとしても目障りだし、あの化け共がはびこる世界は嫌やろ?」

比影「それは嫌ですね・・・」

レア「そ・こ・で!お前ら2人の出番や!」

2人「・・・はい?」

ちょっと意味がわからなかった。ここで対策をねって現世の誰かに伝えるならともかく、なぜ僕らに繋がるのだろう?死人に口なしというように、もないのだから・・・ん??・・・あり?

佐和さんも違和じ取ったのか、目がキョロキョロといていた。

比影「あの、まさかとは思いますが・・・今の僕達って・・・」

レア「んー?あぁ、生きとるよちゃんと。なんたって人の命を司る神様なんでね、そのあたりはどうとでもなるんよ。って言っても、急事態だから許されることだけどさ。」

佐和「うっそぉ・・・」

比影「つまり僕らは1度死んだけど、神様の力で生き返ったってことか・・・」

レア「そういうこったな。そしてお前らは、その命を文字通りかけて、怪を退治するのだ!その覚悟はあるかいな?」

その神様は、ビシッと指を指して言った。

僕らはまだ困していた。生き返らせて貰えたのは嬉しいけど、アイツを退治するなんて出來るのか?

レア「あ、ちなみに拒否権はないで。あんたらを生き返らせることが條件だったんでな。」

2人「なら聞かないで貰えます!?」

レア「すまんすまん、人と話すのは久しぶりでね。」

2人「理由になってないよ!」

レア様は苦笑いをして、頬をかいていた。拒否権無いとかまじかよ・・・。

なんか流れで、すごい役を背負わされてしまった、僕と佐和さんなのであった。

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