《ひざまずけ、禮》序章7話 新たなる日常の1ページ

赤黒い世界は、ゾンビの消滅とともに薄くなり、徐々に元の世界の景へとなっていった。

佐和「ふぅ・・・やった・・・」

比影「やった!やったよ佐和さん!」

佐和「えぇ・・・っふふふ、あーーつっかれた!」

僕達は手を取り合い、喜びあった。あのゾンビを、僕らの手で倒したのだ。しばらくそのまま喜びあっていたが、だんだんと恥ずかしくなってしまい、互いに離れた。

比影「それにしても、すごいねそれは。あんなじになるんだね。」

佐和「そうね。あのエセ神、案外ちゃんとしてるのね。」

佐和さんは手袋を外す。これは、あの時にレア様から貰ったものだ。

以下、その時の回想である。

比影「それで、僕達で倒すって、一どうすれば?銃とかですか?」

レア「いや、ゲームの世界じゃないんだからよ、現実で銃なんて持てるわけねぇやろう?」

佐和「それはそうだけど、それなら尚更どうするのよ。まさか、素手で毆りあえと?」

レア「そこまで鬼畜やないで。簡単な話や、こいつを使うたらえぇんや。」スッ

この時に渡されたのが、この手袋。というよりかは、軍手っぽかった。

佐和「・・・手袋?」

レア「こいつは優れもんやで?これで指さして呪文唱えるだけで、倒せるんや。」

比影「それだけ!?」

レア「けど、注意が必要や。その呪文を唱えてる間、対象に焦點がズレたらアカン。しかも、対象が確実にかない狀態、簡単に言えば、相手の下半の自由がなくならないと使えんのや。」

佐和「・・・つまり?」

レア「使うには、相手に跪ひざまずいてもらうしかないなぁ。」

比影「んな無茶な・・・」

レア「けど、これが今できる最大の策や。ほれ、け取りな佐和。」

そんな危険なことは僕がやるべきだと思い、申し出たのだが、それは無理だと言われた。

レア「あかん、佐和しか使えん代や。お前が使っても、なんの効果もないよ。」

比影「そんな・・・じゃあ僕はどうすれば?」

レア「この手袋を付けている間、打撃系はまず出來なくなる。どうにかして相手を跪かせるのが、比影の仕事や。」

比影「責任重大ですね・・・分かりました。佐和さん、よろしくね。」

佐和「うん。比影くんも、アシスト頼むよ!」

こうして僕達は、元の世界に転送されたのだった。

これで、回想終わりです。相手を跪かせなければならないとか、なかなか難しい注文をしてくるよね。

すると、2人の攜帯が同時に鳴った。電話ではなく、通知音だ。

確認すると・・・見知らぬメッセージアプリが勝手にっており、そこに僕と佐和さん、そして・・・「イレゼア神(エセちゃうで!)」の文字が。通知は、レア様から來ていた。

レア『やっほー!私とのやり取りはここでできるから!紅き街の報があったら、連絡するで!ほなまた!』

佐和「・・・あいつ、いつの間に」

比影「あはは・・・」

僕達は苦笑いをした。

こうして僕達の、いつもと違う日常が始まるのだった。

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