《ひざまずけ、禮》第1章1話 変わること、変わらないこと

部屋中にけたたましいアラームの音が鳴り響く。眠い目をこすりながら、手のひらを目覚まし時計に叩きつけてやった。

昨日、あれだけ非現実的な験をしたせいか、いつもより長く寢たはずなのにめっちゃ眠い。あるあるだよね~・・・いや、ないか。普通の人はそんな非現実的な験しないだろうし。

まぁそんなことはさておき、とりあえず起きて1階へ降りる。顔を洗うと、うっすら目の下にくまができていた。自分ではよくわからなかったけど、そんな疲れてたんか。

親が作ってくれた朝食を頬張りながら、ニュースを流し見る。ながら食いってよくないらしいけど、そんなん知るかってのな。まぁ、その話題がニュースに出た時は、親が真っ先にテレビ消してたけど。

學校に行く用意さえしてしまえば、あとは自由時間。今日學校で読むラノベを、ちらっと試し読みしていると・・・不意に、家のチャイムがなった。

母親「比影でてー」

比影「はいよー」

そう言われ、玄関のドアを開けると・・・

佐和「おはようございます比影くん!」

比影「え、佐和さん?!お、おはようございます・・・?」

佐和「なんで疑問形なのよ。さ、行くわよ!」

なぜか家の前に佐和さんが。何故うちの場所を知っているのか、なぜうちに來たのか。その他いろんな疑問が頭を駆け巡る。

比影「えっと・・・どこに?」

佐和「どこって、學校に決まってるじゃないの!・・・それともなに、サボるつもりだったの?」

比影「いやそういうわけじゃなくてさ・・・」

詰め寄られ、し後ずさりする。こういうためらわず寄ってくる人って、勇気あるなぁって思う。僕絶対無理だもの。

佐和「じゃあなんだっていうのよ。それに、どこぞの鈍主人公じゃあるまいし、何となく察してるんじゃないの?」

比影「そりゃ何となくは・・・って、佐和さんそういうアニメとか小説とか見るの?」

佐和「まぁそれなりには。というか早くしなさいよ。の子を待たせるつもりなの?」

比影「はいはい分かりましたよ、ちょっと待ってて。」

佐和「はいは1回!」

比影「お母さんか!」

こうしてなぜか、僕は佐和さんと登校することに。お母さんはあらあら言いながら終始ニコニコしてたし、できれば勘弁していただきたいんだけど・・・。

比影「・・・で、なんで僕は佐和さんと一緒に登校してるの?」

佐和「なに、嫌なの?」

比影「いやそういうことじゃなくて・・・今までこんなこと無かったし、突然だったから。」

佐和「あぁ、事前に言っておけばよかったね。ほら、突然紅き街が現れちゃったら、どっちか欠けてたら対処できないじゃない?だからその方がいいかなって。」

比影「・・・確かにそうだね。そのほうが間違いないか。それは盲點だった。」

佐和「どうよ、完璧でしょ?」

比影「そ、そうだね。一緒に登校できて嬉しいし、それが佐和さんなら尚更だし。今後もそうしよっか。」

1人より2人の方が、登校時間も憂鬱にならなくていいし、佐和さんならあの厄介な2人組も近づいてこないだろうし。僕としては嬉しいことだらけだからね。

そう思って、隣を見ると・・・誰もいなかった。後ろを見てみると、佐和さんがし後ろで立ち止まっていた。

比影「・・・佐和さん?どうしたの?まさか、紅き街が出現したとか!?」

駆け寄ってみるが、返事がない。驚いた様子で固まっていた。

比影「佐和さん?大丈夫?」トントン

佐和「ひゃいっ!?」

佐和さんは可らしい悲鳴をあげた。本當にどうしたのだろうか。

佐和「・・・さっきのは、どういう・・・」

比影「え、なに?」

佐和「え、あ、何でもないよ!ほら、早く行くよ!」

比影「えちょ、待ってよ!」

立ち止まったり走ったり、忙しい人だなぁ・・・と思った今日この頃。いや、前から思ってたけどさ。

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