ショッピングモールで別れてから、數十分後。

えぇと･･･あんなじにフラグ立てたはいいものの、結局何事もなくものを揃えることに功した。

佐和さんが不良にナンパされているところを颯爽と助けるとか、エスカレーターで転びそうになったところを支えるとか、そういうあるかなぁと思ってたけど･･･まぁ、平和なのはいいことですよね。

･･･それにまぁ、前者なら逆に、真っ當な生徒に説得しちゃいそうな気もするけど。

佐和「これで萬事OKよ！比影くんも準備できてる？」

比影「ばっちし。あとは、レア様からの連絡待ちだけど･･･およ？」

噂をすればなんとやら、偶然にもその瞬間に、レア様からの電話が來た。そうはならんやろと思ったけど、なってしまっているから仕方がない。

僕と佐和さんは苦笑いして電話を出た。

レア「しもしもー？」

佐和「古い！いや、一周まわって新しいのか･･･？」

レア「え、これ古いん？噓やろ、これあたしの中の最新トレンドやで？」

比影「30年くらい前のトレンドですよ･･･」

レア「まじかぁ･･･なんか負けた気分やな。まぁえぇわ、紅き街が出たで。」

やっぱり紅き街の出現報だった。レア様のトレンドは一旦(できることならそのままれずに一生)置いておくとして、僕達は購したものを抱え、現場へと急いだ。

5分ほど走ったところで、報告があった場所の近くへとたどり著いた。たまたまではあるけど、出現したのがショッピングモールの近くで助かった。

･･･いや、もはやたまたまの範囲なのか？ここまでくると本當に怖いんだけど。紅き街を出現させてるやつに、居場所バレてたりしないだろうね。

佐和「さて･･･と。早速こいつの出番になるとはね。買っといてよかったね。」

比影「うん。上手くいくといいけど･･･」

佐和「いいけどじゃなくて、上手くいかせるのよ。失敗がどうとかより、今はただ、目の前のことを遂行するだけ。功すればもうけ、失敗すれば新しい作戦を考える。それでいいじゃない。」

比影「佐和さん･･･」

佐和「それに、今回のは相手次第だからね。運が7～8割絡んでくるんだし、まぁ気楽に行きましょ。」

佐和さんにとってはフラッと言っただけかもしれないけど、僕は佐和さんの言葉に助けられた。名言って、こんな風にふとした時に出るからこそなんだろうな、と深々と思った。

比影「･･･そう、だね。よし、行こう。」

佐和「お、やる気になったね？そう來なくっちゃ！絶対勝つぞー！」

僕達はお互いに頷き、紅き街へとっていった。