《ひざまずけ、禮》第1 章9話 正しきこと、すべきこと
ここ數日間、授業の容がほとんど頭にらなかった。理由はお察しの通り、例の影の件。
あれが本當に最適な方法だったのだろうか。どちらともになる方法はなかったのだろうか。
それだけでなく、あの世界の化けは、本當に世界を滅ぼそうと、飲み込もうとしているのだろうか、とそんなことまで考えるようになってしまった。
いつまで引きずってるんだよと言われればそれまでなのだろうが、いくら忘れようとしても、何かで気分転換しようとも、あの斷末魔が頭にこびりついて、離れない。
唯一、本を読んでいる時・・・といってもライトノベルだけど、その瞬間だけは忘れることが出來た。
そのうち、いつも好んで読んでいた學園ものや王道ファンタジーから、ダークファンタジーやり上がり系を読むようになった。
空想上の人とはいえ、誰かが苦しんでいる様を見ると、自分だけじゃないと安心できた。そんな、最低な人間になりつつあった。
今日も今日とて、ライトノベルを読んでいると・・・突然本を取り上げられた。振り返ると、例の2人組がいた。
比影「か、返してよっ!」
佐賀「ありゃ珍しい。お前から率先的に言われるとはねぇ。そういや最近ちっとばかし変わったよな。・・・面白くねぇの。」
箕浦「変わったといえばこれもだよな。前の萌え萌えーなやつはどうしたよ。」
比影「っ・・・。」
佐賀「あーあ黙っちまった。2次元オタクから暗オタクにジョブチェンジか?ご苦労なこって。」
箕浦「それかマゾ、またはMだな。こーんな暗いの學校で読んでんじゃねぇよ。」
箕浦くんから本を投げ返される。なんだかんだ返してくれるあたり、人の道は外れてないようだ。
そこで僕は何を思ったのか、つい聞いてしまった。
比影「・・・ねぇ佐賀くんに箕浦くん。ちょっと聞いてもいいかな。」
佐賀「今日は珍しいことのオンパレードだな。明日雪でも降るんじゃねぇの?」
箕浦「かもな。で、なんだ?」
比影「・・・2人はさ、正義ってなんだと思う?」
案の定、2人はポカーンとしていた。僕は変なことを聞いたと瞬時に気づいたが、取り消す前に2人が笑いだした。
佐賀「あっははは!お前頭のネジどっか言っちまったんじゃねぇのか!?変なこと聞くなよな!はははは!」ゲラゲラ
箕浦「そもそもさぁ、それを俺らに聞くかってのなぁ?言っちゃあなんだが、正義とは程遠い人間だぜ俺たちゃ。あっははは!」ゲラゲラ
・・・やっぱり聞かない方が良かったか。なんで聞いてしまったのだろうか。こうやってバカにされるのは目に見えていただろうに。
比影「・・・そう、だよね。ごめん変なこと聞いて。忘れてくれていいから・・・。」
僕は自分の椅子に座り直し、ライトノベルを開く。正義とは何なのか、人間とはどうあるべきなのか。きっとどこかに答えがある、そう信じて・・・。
佐賀「いやー笑いとまんねぇわ!あいつどっかイカれちまったんだろうなぁ!あんまり近づかねぇようにしようぜ!暗が移っちまうわぁ(笑)」
箕浦「・・・そうだな。」
佐賀「・・・んあ?箕浦どうした?なんかお前も変じゃねぇか?」
箕浦「そんな事ねぇよ。それより、そろそろ先公が來るぜ。」
佐賀「うわマジじゃん!學校めんでー・・・。」
箕浦「・・・。」
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