佐賀「頼むよ箕浦ぁ！信じてくれよ！」

箕浦「そう言われても、そんな非現実な事起きるとは思えねぇし･･･ただの幻覚じゃねぇのか？」

佐賀「幻覚じゃねぇよ！ちゃんと見たんだって！」

學校へ著き、教室の扉を開けようとしたところ、そんな聲が聞こえてきた。珍しく佐賀くんが聲を張り上げていた。

扉を開けると、佐賀くんが立ち上がって、箕浦くんの両肩を摑んでいた。箕浦くんは迷そうに頬杖をついて、佐賀くんの方を見ていた。

佐和「そこ！朝から騒がない！！」

比影「･･･わざと言ってる？」

佐和「え、なに？」

比影「いやなんでも･･･」

どう考えても「お前が言うな」狀態なのだが、どうやらボケでもなんでもなく、ただ注意しただけのようだ。

當の佐賀くんはというと、その瞬間に佐和さんを睨んだ。･･･けど、いつもより覇気がないような気がした。

佐賀「お前に言われたくねぇんだよ委員長さんよぉ！こちとら今取り込み中なんだよ！」

佐和「なにが取り込み中よ！話すだけなら聲張り上げなくても出來るでしょ！」

佐賀「･･･ちっ、わぁったよ。」

佐和「あら、今日は素直なのね。いつもそれならいいんだけどねぇ？」

佐賀「･･･はやくどっか行け」

佐和「どっか行けってなによ！ここ私のクラスよ！」

比影「どーどー、佐和さん落ち著いて！」

もはやどっちが突っかかってるのかわからなくなってきたところで、佐和さんを止めた。けんかはよくないね。

佐和「あぁ言えばこう言う･･･ほんといけ好かないわね。何も言わなければ、こっちだって･･･」

比影「まぁまぁ･･･仕方ないってことにしておきなよ。あんまり考えるとお腹空くよ？」

佐和「あなたもあなたで･･･いや、そうね。それくらいでちょうどいいのかも。」

佐和さんはため息をつきながら、そう言った。

また朝から一悶著あったが、ある意味これ

も様式とも言えるのだろう。お約束と言ってもいいかもしれない。

こうして今日も僕たち、平和な日を送─

箕浦「佐賀、大丈夫か？お前、なんかいつもと違くね？なんていうか、元気がないというかよ。」

佐賀「そりゃあ･･･あんなもん見せられたら、こうもなるさ。非現実的な、赤黒い景の─」

比影「佐賀くん！！それちょっと詳しく聞かせてもらってもいいかな！？」ｶﾞﾀｯ

佐賀「うおっ！？お前もかようるせぇなぁ！」

箕浦「比影･･･そんな大きな聲出せたのか･･･」

2悶著目開始！僕は佐和さんも呼びつけ、佐賀くんに詳しく問いただすのだった。