數コール後、佐賀くんがだるそうな聲ででる。

佐賀「･･･あい。なんだよ急に掛けてきやがって。こっちだって忙s」

比影「佐賀くん、ゴリラの弱點教えて！」

佐賀「･･････はぁ！？」

そういう佐賀くんの聲は、驚きと落膽が混じったような聲だった。

佐賀「何かと思えばよ･･･ゴリラの弱點だぁ！？んなもん知るわけねぇだろうが！」

比影「でも前に、コングは倒せるとかなんとか言ってたでしょ？ゴリラもコングも似たようなものだし、知ってるなら倒し方教えてよ！」

佐賀「いやあれはゲームのh」

比影「お願いだよ佐賀くん！！今度パシリでもなんでも行くから！！」

佐賀「だぁぁぁぁうっせぇ！あれはゲームの中の話なんだよ！！リアルファイトで勝てっかっての！そもそもゴリラとリアルファイトってどういう事だよ！理解が追いつかねぇよ！！」

比影「そ、そんなぁ･･･」

僕が項垂れていると、突然僕のスマホを誰かに取られた。･･･まぁ、僕の周りには1人しか居ないのですがね。

佐和「ごちゃごちゃうるさいのよ！ゲームでもなんでもいいから、さっさと教えなさいよ！こんな時くらいしか役に立たないんだから！」

佐賀「うぉっ！この聲委員長か！？なんで委員長サマが比影の近くにいんだよ！？」

佐和「つべこべ言わない！さっさと教えなさい！」

佐賀「てめぇもかようるせえっての！･･･あぁもうわかったよ、教えてやるよ！」

佐和「言ったわね？ならちゃんと教えなさいよ！･･･ほら、比影くん」

比影「え、あ、うん。･･･じゃあ、教えて貰ってもいいかな。」

佐賀「あぁ･･･1回しか言わねぇぞ、ちゃんとメモしろよ。あとあくまでゲームの攻略法だからな？」

比影「わかってるわかってる。じゃあお願い。」

佐賀「その言い方は分かってねぇやつだな･･･まぁいいや、攻略法は─」

かくして僕達は、無事に攻略法を聞き出すことに功した。

佐賀「─てなじだ。これでいいか？」

比影「うん、ありがとう。參考になったよ。」

佐賀「･･･なぁ、1個聞いていいか？」

比影「うん？何？」

ここで佐賀くんは小聲になり、こう言った。

佐賀「･･･お前と委員長って、付き合ってんの？」

比影「･････････へっ！？」ﾎﾞﾝｯ

一瞬にして顔が熱くなった。

比影「ち、違うよっ！！そういう関係じゃないよ！！」

佐賀「･･･はっはーん？じゃあなんで一緒にいんだよ？まさかただの友達って訳じゃねぇだろ？」

比影「それにはふっっっかーい訳があるの！とにかくありがと！じゃあn」

佐賀「おいおい切ろうとしてんじゃねぇよ。散々振り回されたんだ、こっちにも振り回す権利くらいあるよなぁ？」

比影「さ、佐賀くんはいつも僕をいじってくるじゃん！これでおあいこだよッ！」

佐賀「それはそれ、これはこれだ。これは新しい発見だなぁ。･･･けど、見る目ねぇなお前。あんな頑固もん相手にしてて楽しいのか？」

比影「そ、その言い方はどうかと思うよ？」

佐賀「へぇへぇ分かりましたよ。まぁなんだ、適當に頑張れ。」

比影「う、うん･･･ありがと。じゃあ･･･」

弱點を聞けたのはよかったが、同時に大事なものを失った気分になった。