《ひざまずけ、禮》第1章20話 ゴリラ(學名:ゴリラゴリラ)(3)

佐賀くんから教えてもらった対処法の準備が結構かかってしまい、作戦が決行できるのは2日後になってしまった。

學校で「何のためにあのアドバイスが必要なのか」とか、「佐和さんとの関係はどうなのか」とか散々聞かれたが、さらっと流すことに功した。説明するのもなんかアレだし・・・。

んでもって、決行日。先ほどレア様から、紅き街出現の連絡があった。僕と佐和さんはそのブツを運ぶ。街中でそれを代車に乗せて運ぶ様は、めちゃくちゃ浮いていた。恥ずかしいったらありゃしない。

でもせっかく提案してくれた案だし・・・本當はここまでやらなくてもいいかもだけどね?うん。

佐和「・・・よし、この辺りからが紅き街ね。全く、やっかいな奴が現れてくれたよ。こんなの使わないと倒せないなんて・・・。」

比影「そうだね・・・じゃあ早いとこ行こっか。」

佐和「・・・そうね、周りの目が痛かったわ・・・。」

紅き街に行くまでに、神的ダメージをくらった僕達だった。

紅き街にった途端、太鼓のような音が鳴り響いた。おそらく、やつのドラミングだろう。

比影「・・・このじ、今回は近くみたいだね。」

佐和「そうみたいね・・・気を引き締めましょう。」

比影「うん。予定通り、佐和さんはし離れた位置で待機してて。こっちは・・・僕が引きける。」

佐和「了解、くれぐれも怪我しないようにね。」

佐和さんが配置につく。それと同時に、僕はポケットに忍ばせておいたものを取りだした。

そう、ダイナマイト・・・をしょぼめにしたやつ。よく聞く名前でいえば、竹。こいつでおびき出そうって寸法よ。

家にあったライターで火をつけ、ぶん投げる。すぐさま破裂し、大きな音が木霊する・・・と同時に、先程まで聞こえていたドラミング音は聞こえなくなった。

そのかわり、ドスドスと走るような音とび聲がし、どんどんと近づいてきた。

そして、やつが見えた・・・瞬間。もうひとつ持ってきていたブツに火をつける。そしてそれを、奴に向け・・・

比影「発ァ!」

ゴリラ目がけて発した。文字通り、“目”がけて。飛んで行ったそれは奴の顔付近で発を起こし、怯んだ様子を見せた。

僕がさっき火をつけたのは、手持ち花火。といっても、シャーって火花が出るやつじゃなくて、飛んでいって破裂するタイプのやつね。

人に向けちゃダメって記載はあるけど、ゴリラに向けちゃダメなんて書いてないもんね。しかも正確には、ゴリラに似た化けだし。存分に有効活用させていただきますよ。

僕はすかさず、次の手段へと移るのだった。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください