《ひざまずけ、禮》第1章27話 戦慄!巨大なる突撃獣

十數分後、僕と佐和さんは現場へとたどり著いた。自転車を使ったのにも関わらず、ここまでかかるとは思わなかった。

やっぱり斷っておくべきだったか・・・と一瞬思ったが、あぁ言ったからにはそんな考えは持ってはいけない。そう思うことで、憂鬱ゆううつな気持ちになることは無かった。

佐和「さて、まずは様子見かしら。とりあえず、前と同じ方法でいいかしらね?」

比影「そうだね。まず相手のことを分からないと倒しようがないし。」

言うが早いか、僕達はそそくさと準備を済ませた。ゴリラの怪の時に使った、「ご安全に1號」の出番である。

比影「じゃあ、行ってくる。」

佐和「お願いね。こっちは任せて!」

お互い聲を掛け合い、その後僕は紅き街へと突した。

比影「ふぅ・・・毎回言ってる気もするけど、慣れないもんだなぁ。」

紅き街をぐるりと見回して一言、ため息まじりにそう言った。

比影「さて、やりますか。まずは近づいて・・・」

と、その時。どしどしと足音が聞こえてきた。今回は既に近くにいるようだ。僕は咄嗟とっさにラジコンとカメラのスイッチをれ、走らせた。

ラジコンは軽い走行音と共に、しづつ進んでいく。僕自しづつ近づいていた。

・・・そして、見つけた。見つけた、までは良かったんだけどね。

そいつは、今回の化けは・・・バカでかいイノシシだった。いや、正確には「イノシシと牛を掛け合わせた化け」と言うべきか。高さはゆうに1mを超えていた。

僕はラジコンを回収しよう・・・としたのだが、その瞬間奴がき出した。そいつは、あろう事かラジコンに突進を始めたのだ。

すぐに走らせるものの、やつのスピードの方が1枚上手だった。読んで字のごとく豬突猛進ちょとつもうしんの走りにより、ラジコンは吹き飛ばされた。

なんとかキャッチするものの、それは既にラジコンではなく、ラジコンだったものというじだった。半分以上が抉れ、タイヤは全て吹き飛んでいた。安で良かった・・・。

あと不幸中の幸いだったのが、奴らをとらえるためのカメラである。前の方に付けていたおかげで、壊れることなく正常にいていた。

なぜ突然・・・と思ったが、すぐにわかった。奴が突然ラジコンに突っ込んだ理由、それは「ラジコンが赤いから」だ。

なにかの番組で、赤いマントに突っ込む闘牛を見たことがある。さっきのはそれにそっくりだったのだ。

比影「はは、ウッソだろお前・・・」

イノシシと闘牛を掛け合わせた化け、長いのでイノシシとだけ呼ぶが、そいつはまた突進の準備をしていた。今度は僕目掛けて。・・・というより、僕の持っているラジコン目掛けて。

僕はとっさの判斷で外側のパーツを引き剝がし、適當な方向へとぶん投げた。イノシシがそれに気を取られている隙を見て、外へと全速力ダッシュ。

なんとか間に合い、命からがら出したのだった。・・・え、の不法投棄?命を不法投棄するよかいいでしょ。

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