《ひざまずけ、禮》第1章32話 見た目で侮ること勿れ

スライム「・・・」プルプル

比影「今回の敵はスライムかぁ。」

佐和「・・・うぐぐぐ」ギリギリ

道のど真ん中でプルプルと震えるスライム。顔とかがあるわけじゃなくて、本のスライムの塊ってじだけど、それでもちょっと心が踴った。

だって、意志を持つスライムなんて、アニメとかゲームとかでしか見られないし、そもそも現実に存在しないものだもの。だから、會えてちょっとばかし嬉しかった。

ただ、そんな僕とは正反対に佐和さんは、スライムを睨みつけていた。

佐和「この・・・さっきはよくも服の中にってくれちゃったわね!?比影くんの前であんな聲・・・うぐぐ、許さん!敗してくれるっ!」

佐和さんはおもむろに例の手袋を取りだし、スライムを指さした。

そして、これまた例のセリフを唱える。

佐和「くたばりなさい!ひざまず─」

─だが。

スライム「!」ピチョン

佐和「け、って・・・えぇ!?」

僕の角度からはよく分からなかったが、佐和さんが構えた瞬間、どこかにスライムが

消えた。

比影「す、スライムは・・・?」

地面を凝視する佐和さんにそう聞くと、こう返ってきた。

佐和「あんにゃろ、地面の中に潛りやがったのよ!すばしっこい上に策士気取りしがって・・・!」

比影「じ、地面に潛った!?」

佐和さんが言う場所を見てみると、確かにかすかな水染みが、道路にできていた。・・・と

比影「・・・っと!?おわっ!」

地面に気を取られているところを、直接的な意味でも間接的な意味でも、足をすくわれた。

狀況を端的にいうと、スライムが手のようなものをばして、僕の足を絡めとったってところだろうか。僕はそのまま地面へとをうちつけた。

比影「うごっ!?いたた・・・こ、こんにゃろ!」

足に絡まったスライムを切り離す。當のスライムは、笑うようにプルプル震えていた。

佐和「だめね、キリがないわ。」

比影「そうだね。でもそのままはしておけないよなぁ・・・よし!」

僕はスライムに近づき、スライムを踏んづけた。・・・正確には、スライムがいた場所を、だが。

比影「逃げんじゃねぇ!踏んづけてやる!」

そう言って逃げないやつは居ない。それはこいつも例外じゃなかった。ピョコッと出てきたところを踏んづけ、また逃げられて踏んづけた。

途中で佐和さんも加わり、そんなことを數分続けた。すると僕の目論見通り、スライムは飽きたようで、地面に潛ったきり出てこなくなった。その後すぐに、紅き街も消え去った。

比影「ふぅ・・・と。ひとまずはOKかな。」

佐和「お疲れさま比影くん。」

比影「佐和さんもね。とりあえずまたあとで、作戦會議しよっか。」

佐和「えぇ、あいつは早めに退治しないと。私を怒らせたこと、後悔させてあげなきゃ・・・!」

佐和さんは、メラメラと闘爭心を燃やしていた。を怒らせるもんじゃないと、改めて思う僕なのであった。

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