《アイアンクロス》帝國VS連邦
東部戦線は共和國、連合王國と続いて連邦が攻撃を開始、共和國軍は第7師団が撃退、連合王國も第7師団が北部に去った後に東部方面軍のレオナルド上級大將が撃退していた。
西部戦線の戦いが発してから約二週間はつかの間の平穏があった東部戦線もこうして再び戦火に見舞われたのだった。
連邦の基本戦略は人海戦による帝國軍の圧迫。その効果は凄まじく、當初帝國軍は次々と後退を始め、連邦の攻撃から數日で戦線を10km近く後退させられていた。
100萬の人の海は數字から見て戦力こそ凄まじいが、その中で武弾薬を十分に揃えている者はなく、突撃をしては死んだ味方の武を持って突撃したり、農耕で帝國軍將兵にトドメを刺す兵などが居る場面も見られ、連邦軍全の戦死者は既に5萬人を超えていた。
対して帝國軍は死傷者こそ最小限に抑えられてはいたが、後退の際に包囲された部隊がいくつかあり、捕虜となった者が2千人以上居た。
連邦軍は補給線の関係で一時進撃を停止、帝國軍も再度増援の第二軍と第一軍を含めて戦線を引き直し、帝國軍計58萬、連邦軍計95萬の戦いが再度始まろうとしていた。
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前線ではこれから戦闘が始まろうという中マイヤーは浮かぬ顔をしていた。
「マイヤー中將。なんだか浮かない顔をしてますね」
語りかけたのは副師団長のクラウゼ準將だった。
「當たり前だフロイライン!」
フロイラインとは帝國の言葉でお嬢さんという意味である。
「どう思うこの防衛線は?!全くもって無駄しかない!」
「うふふ、そうですか?私はあのランゲ元帥にしてはよくできた方だと思いますよ」
「あのトンチンカンの東部方面軍司令長にしては確かにそうだ、だけどな、これは大軍を相手する軍隊の敷き方じゃない!俺は再三言ったんだ、もうし戦線を下げれば防衛しやすい地形が広がってるぞって!」
クラウゼはニコニコ笑いながら返した。
「マイヤー中將、それはきっとランゲ元帥が悪いのではなく、マイヤー中將が悪いんですよ。ほらだって中將口悪いですし。そういえば気付いてました?マイヤー中將がランゲ元帥と言い爭ってる時、場の空気最悪でしたよ」
クラウゼの指摘にマイヤーは黙り込んでしまった。普段気なマイヤーもクラウゼからの指摘にはどうも弱かった。
それから數刻後連邦軍は全軍に突撃を開始させた。
帝國軍は迫り來る連邦軍を機銃掃で次々と撃退していったが、倒しても倒しても湧いてくる連邦軍に次第に前線では恐怖を抱く者や、あまりの凄慘さに調を悪くする者、逆に恐慌狀態に陥り、敵の死をひたすら打ち続ける者など、メンタル面で前線を離する兵士達が帝國軍で相次いだ。
初撃をしのいだ帝國軍は被害こそなかったが、前線を離する者が相次ぎ、早くも窮地に立たされていた。一方連邦軍も思ったような戦果は上げられず、無駄に自國民のを積み上げただけに終わった。
「つぎの攻撃はさすがにどこか破られるだろうなぁこんなんじゃ…」
マイヤーはため息混じりにクラウゼ準將に投げかけた。
「いいんじゃないですか?愚者は経験に學び、賢者は歴史に學ぶ。次の攻撃で防衛線が突破される箇所が出ればランゲ元帥もいい加減マイヤー中將の意見を取りれると思いますよ」
「フロイライン、それはランゲ元帥を愚者と言ってるのと変わんないんだが…」
「あら、私は率直な意見を申し上げただけですが?」
「あんまり人が居るところでは控えろよ?」
「大丈夫ですよ〜マイヤー中將と違って場はわきまえてるので」
マイヤーは數刻ぶりにしゅんとして黙ってしまった。
連邦軍はその日のうちに2度目の総攻撃を開始した。心ともに疲労が蓄積していた帝國軍は初撃でいくつかの陣地を奪われ、マイヤーの予想通り一部戦線は後退した。
マイヤーの守る陣地も他人事ではなく、他の部隊に比べれば損害は軽微ではあったが一回目の攻撃よりも損害を出していた。
「向こうの部隊は!?」
「ダメです!マイヤー中將!エルヴィン中隊も完全に包囲されました!」
「アインホルン中隊に伝達!エルヴィン中隊とそれからベック中隊を救出しろ!それからノイマン中隊にも伝達!各地の負傷者の搬送と手當をと!急げ!」
マイヤーは指揮下の大隊や小隊に至るまでこと細かく指示を出し続けた。
そのおかげか他の友軍に比べて最終的な損失はなく、戦線もほとんど退く事は無かった。
しかし他の戦線は被害が激しく、連邦軍の攻撃こそ防ぎきったが、間もなく全軍後退の指示が出た。
闇夜に紛れ後退した帝國軍は再度戦線を構築、新たに敷き直された防衛線はまさにマイヤーが當初提案していた配置であり、中にはこれをマイヤーラインと呼ぶものもいた。
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