《アイアンクロス》主攻③
北部の戦いも一週間が経過した。
3日目に連合軍の砲撃隊を壊滅させた帝國軍はその後は順當な守りを展開し、大きな損害を出すことなくこれまでの一週間を凌ぎきった。
とは言え負傷者の數は増え続けており、このまま行けば一週間で組織的な抵抗は不可能な狀況にまで追い詰められてはいた。
さらに帝國軍は第1師団のヒムラー中將が5日目に流れ弾に當たり負傷。次席の副師団長ヘンスラー準將が指揮をとるなど、かなり厳しい狀況ではあった。
一方で連合軍側も資の兼ね合いから10日以に隘路を攻め落とさなければ敗北は必至であり、兵力の面からしても無駄な攻撃は控えたいところではあった。
「同士ポール大將、意見よろしいでしょうか?」
そう言って席を立ったのは連邦軍參謀のマクシミリアン大佐だった。
「発言していいぞ」
「ありがとうございます同士。今現在我々を阻む障壁はただ一つ目前の隘路。そしてその防衛を強化しているのは左右の山地にある機関銃陣地とその周りに點在しているスナイパー部隊であります。敵の戦法としてはまず我が軍の將校をスナイパー部隊が狙撃し、機能不全になった部隊を機関銃陣地からの攻撃で壊滅させるというものであります」
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「今更そんなことは誰だって理解している。それらを野戦砲で駆逐したかったが、野戦砲は3日目に破壊され盡くしてしまった。だから今こうして悩んでいるのだ」
「敵のスナイパー部隊が居なくなれば多はこちらの損害をなく出來るとは思いませんか?」
「それは間違い無いだろう。で、どのように対処するんだ?」
「こちらもスナイパー部隊を編しましょう。それぞれの軍から素質のあるものを引き抜いて、新たにスナイパー部隊を作り、攻撃を支援させるのです」
「試す価値はありそうだな。各軍から狙撃に自信のある者を選出してくれ。至急2個小隊規模のスナイパー部隊を編する。編が完了し次第敵の山岳にある陣地に対して集中運用し、味方の攻撃を支援させる。以上解散」
マクシミリアンの予想通り、その日の午後の攻撃から連合軍スナイパー部隊は果を上げ始めた。
「報告します。我が軍のスナイパーが敵のスナイパーに狙い撃ちされてます。既に十數名ほど撃たれたとのこと」
「スナイパー部隊は増員出來ないのか?」
ブルクハルト上級大將がそう言うと、ミュラーが反論した。
「ブルクハルト上級大將、今我々にそんな余剰戦力はありません。むしろスナイパー部隊は1度撤退させ、溫存させるべきでしょう。彼らが壊滅してしまっては今後の選択肢も減ってしまいます」
「しかしミュラー君、それでは今現在の防衛に支障が出るのではないか?」
「確かに現狀スナイパー部隊があげた戦果から考えれば、前線から彼らを引き抜くことは今の狀況からして良い選択とは言いきれないでしょう。しかしこのまま新編された敵のスナイパーの的になるのも愚策としか言えません。一度下がらせ、対策を講じてから再度出撃させるべきでしょう。今は溫存するべきです」
「そこまで言うならわかった。スナイパー部隊に伝達、一時撤退せよと」
「珍しいなミュラータバコなんて」
「あっ、中將…」
ミュラーはつけたばかりのタバコの火を消すと敬禮をした。
「もったいないぞ」
ハインケルは自のタバコをミュラーに渡すと火をつけてやった。
「すみません」
「どうした。ミュラー?ストレスか?」
「まぁそんなところですかね。あのブルクハルトって人はどうにもお堅いようで…中將みたいに放任してくれると私も楽なのですが」
「放任?責任は私が持ってるんだ、勘違いするんじゃないぞ?それにお前さんの手網を引くのも楽じゃない」
ハインケルは笑いながらミュラーに言った。
「だが事実としてお前さんにはかなり助けられてる。だから好きなようにさせてるんだ。だが、主義は良くないぞ。それに関しては私も時たま困る時がある」
「それに関しては申し訳ないです」
ミュラーは頭を掻きながらそういうと、吸い終わったタバコを捨てた。
「私はうちの師団の狀況を見てきます。ついさっきの攻撃でし被害が出たみたいなので」
そういうとミュラーはその場を後にした。
「きっとお前さんはこの國の英雄になるだろうさ。まぁお前自はそんなことんじゃいないだろうがね」
【第二部完結】隠れ星は心を繋いで~婚約を解消した後の、美味しいご飯と戀のお話~【書籍化・コミカライズ】
Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
8 145【書籍化】陰キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ
【第6回カクヨムWeb小説コンテストラブコメ部門大賞を受賞!】 (舊題:陰キャな人生を後悔しながら死んだブラック企業勤務の俺(30)が高校時代からやり直し!社畜力で青春リベンジして天使すぎるあの娘に今度こそ好きだと告げる!) 俺(30)は灰色の青春を過ごし、社畜生活の末に身體がボロボロになって死んだ。 だが目が覚めると俺は高校時代に時間遡行しており、全てをやり直す機會が與えられた。 この胸に宿る狂おしい人生の後悔、そしてブラック漬けで培った社畜力。 これらを原動力に青春にリベンジして、あの頃憧れ続けた少女に君が好きだと告げる……! ※現実世界戀愛日間ランキング1位!(20/12/20) ※現実世界戀愛週間ランキング1位!(20/12/22) ※現実世界戀愛月間ランキング1位!(21/1/4)
8 145傭兵少女と壊れた世界
人の文明はゆるやかに衰退した。 夜風に混じって結晶が飛ぶようになった世界。街が消え、國が飲み込まれ、生き殘った人々は失われた技術にしがみつき、わずかな資源をめぐって爭い合う。 そんな世界を巡回する移動都市で少女は暮らす。銃の腕を磨きながら、身よりのない子供たちとギリギリの生活を送る。大きな不満はないが充足感もない。しいて言うならば用意される飯が不味いこと。 少女は大人になりたいと願った。過酷な世界で少しでも自分らしく生きるために、ひたすら銃を練習した。必要なのは力と知識。生き殘りたければ強くなれ。いつか大人になった時、街を出て、自由に生きる傭兵を目指すのだ。 しかし、街を守るはずの大人に裏切られた少女は船から落とされてしまう。さぁこれからどうしよう。唐突に放り出された外の世界。されど少女はしたたかであった。たとえ亡者のような人間に追われても、巨大なミミズに捕まっても、大國の兵士に襲われても……。 世の中はくそったれだ、と愚癡をこぼしながら傭兵少女は銃を握る。 ○ 物語の進行にあわせつつ、週二話を目安に更新します。基本的に週末です。更新が遅れたら叱ってください。
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8 183複垢調査官 飛騨亜禮
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8 153病弱を演じる妹に婚約者を奪われましたが、大嫌いだったので大助かりです
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