《アイアンクロス》東部決戦

おおよそ各方面の敵を退けた帝國は、なおも侵攻を続ける連邦軍との決戦の制にった。

連邦軍は更に100萬もの人員を員し、初期と合わせれば170萬にものぼる超大軍勢で帝國軍に再度侵攻を開始、対する帝國軍は第一軍を西部から東部に展開。更に予備役に加え急徴兵を行い、加えて皇國軍も到著しており、全軍合わせて110萬を東部に員した。

もし西部や東部の連邦以外の國が再度侵攻してくれば無論帝都はひとたまりもない。しかし殘る各國は民主制が故、民意がそれを許さず、今回の敗戦により各國では厭戦機運が高まっていた。

その為帝國にとってはある程度の時間的余裕があり、侵攻をやめない連邦との決戦の為に全力を盡くすつもりであった。

數字上では連邦軍の方が優勢かに見えたが、そのほとんどが非正規軍の連邦軍は初期での戦いと相変わらず、おびただしい數の戦死者を出していた。

対する帝國軍も北部の戦いが始まる以前に構築されたマイヤーラインを維持し続けていたが、やはり連邦軍の人海戦には苦戦しており、初戦から戦い続けている東部方面軍、第2軍、第1軍の面々は疲労の顔を隠せなかった。

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「多は改善されたが、やはり湧いて出てくる兵力には圧倒されるな…」

そうぼやくマイヤーが指揮する第25師団は、相変わらず他の部隊よりも損害はなく立ち回っていた。

そんな中、対連邦軍の総司令を務めるジェルド元帥は全軍に通達を出した。

『この戦いは防衛に非ず、連邦との雌雄を決する戦いである。これよりは積極的な攻勢に転じ、連邦を撃破する』

この通達に一部の將校は揺し、一部は鼓舞された。

マイヤーはと言うと、意外にもこの通達には賛的な意見だった。

「攻勢に出るか。やるならしっかりやってもらいてぇところだな」

「あら。意外ですね。反対的な意見をお持ちだとばかり思ってたのですが」

驚きを言葉にするクラウゼ準將はその真意を知りたかった。

「意外か?俺だって何かとすぐ反対する訳じゃないぞ?」

「てっきりまた上口大會が始まるのでは?と」

「そんなことは無い!むしろ敵の侵攻は千載一遇のチャンスなんだ」

「と、言いますと?」

「他の戦線は敵を退けた。しばらく敵が侵攻してくる心配はない。そんで持って帝國軍が力を割くべき相手は主に合衆國と連邦の2カ國。そのうちの合衆國が沈黙してるなら帝國は対連邦に集中出來る。むしろ敵さんもそれを予想しての増強だとばっかり俺は思ってたけどな。今の戦力比なら帝國軍にも勝機はある。むしろ今のうちに連邦の息のを止めないとまた帝國は多方面に敵を作ることになってジリ貧になっちまう。いいか?フロイライン。意外とここの戦いが帝國の命運を左右するぞ」

「確かにそうですね…ただ一つ気掛かりが…」

「どうした?フロイライン」

「マイヤー中將はそう思ってるかもですけど、上の人たちって本當にそこまで考えてるんですかね?ただこのまま攻勢転じようってだけなじがして、あんまり帝國の將來までは計算のうちにはない気がしてますね」

「そりゃそうだろうな。ただ結果的に將來に繋がればそれでいいだろ。その辺は俺らがやることじゃない。俺らの仕事は上の命令に従って敵を倒し続けることだけだ」

「あら中將、以前より長しましたね」

「あのなぁ…」

前線でそのようなやり取りがなされる中、帝國軍上層部では連邦攻略の作戦が次々に練られていた。

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