《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》
「じゃあ、そういうことで、ここにお前の名前と娘の名を書け!ほら早く!今日の満月までに結婚は終わらせんとな」
と紙を渡された。
クレイグさんはチラリと私を見て
「ええと…すみません…なんだかすみません…。とりあえず結婚してもらえます?王子には逆らえません」
と無理矢理の、押し付けプロポーズらしきものをされたが、展開が急きゅう過ぎて付いていけない。
は?
何なんで私が、この冴えない方ほうのクレイグさんの嫁!?
いや、イケメン王子様と結婚して甘い生活スタートだよね??え??
「そうだ、貴様…娘よ…、明日からお前は、フィリスの侍として働くように。働かずもの食うべからずだ!いいな!」
と一瞥し、王子はカツカツと去った。
「あのー…とりあえず、サインして貰えますか?満月の日にしないと、この國、呪われるので」
「はっ!?呪い!?」
「はい。50年に一度、人間の嫁を娶らないめとらないと、竜族は蟲歯になると言う呪いが…」
「蟲歯……」
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何なにそのしょぼい呪い!!どうでも良くない!?
「今、どうでもいいとか思いましたね?言っときますが、竜族の中に歯醫者はいません!
蟲歯になると、治療法はなく…蟲歯で死ぬこともあるんです…。蟲歯を放置すると他ほかの歯に移り、一本いっぽん…、また一本いっぽんと、抜くことになり、ついには歯はは無くなり、何なにも食べれなくなり死にます。絶滅します」
と蟲歯の恐ろしさを伝えるクレイグ。
私は…
「蟲歯になるのが嫌で、私は嫁にされるの?」
クレイグは苦い顔で
「はい!そうです!人間には判らないと思いますが!」
「人間の…歯醫者を拐ってきたら…」
「いや、それね、ダメなんですよね。何せなんせ我等われらの棲家すみかを人間にはあまり知らせたくないので。後、呪いなので、基本的に普通の蟲歯じゃないんですよ。治らない蟲歯ですから、歯醫者連れてきても無意味なので」
「呪いかけた奴は誰なの?」
「言い伝えでは、地の底に棲む、悪魔の悪戯いたずらと聞いており、我等われらはそこに踏みるふみいる事が出來ないんです」
「何なんで人間の嫁を取らないと呪いを防げないの?他ほかに方法ないの?接點が全く判らないわ」
クレイグは申し訳なさそうに
「ううん…、あの…、それね…、昔、神様に、助けてください、このままでは竜族が絶滅してしまいますと泣きついたことがあるんです。そうしたら…神様に
『人間の村娘を、50年に一度、満月の日に嫁に娶ればめとれば、蟲歯にらないようにしてやろう』
との一説いっせつが伝わっていて、破ったらやぶったらほんとに蟲歯が発生して満月の日に急いで加護をする変わりに、寄越して貰ったら…蟲歯の呪いが解けていきました」
何なんじゃそりゃ!!?
クレイグはペンを持たせてくる。
「じゃあ、1番、しい村娘と言うのは?」
「まぁ、あんまり関係無いんですが、やはりブスよりは…ねぇ?しい方がいいんじゃ無いかってことで、そういうことになりました」
と言われた。
はあああああああああ!?
私じゃなくてもそれ、良かったんじゃねーー!!?
「すいません、サインだけお願いします!サインだけ!!子作りとかそういうの私、んでませんし!形だけでいいんですよ!!」
「形だけなら王子様のお嫁さんでもいいじゃない!何で貴方あなたと!?」
「…………それは…、王子が!フィリス様が、正妻でないと、絶対に嫌だからですよ。
あの2人は、相思相の仲でして。まぁ元々、誰が來ても王子はきっと斷って、フィリス様と結婚なさったでしょう…」
「私の浮かれを返して」
イケメン王子様と結婚できると、あんなに浮かれてたバカな私が脳裏を過った。
「も、申し訳ないです…」
と頭を下げるクレイグ。
「貴方あなたの立場って何なんなの?お金持ちなの?」
「えっ…まぁ…、侯爵家けの次男なんで、家いえは継げないから、王子の従者として城に滯在してるので…他ほかに家いえないんですけどね…
でも結婚しろとの命令なので、王子から家は貰えそうですよ…。まぁ、ジュリエットさんも城で働くことになるので、貰ったところで、殆ど家いえには帰らないことになるでしょうけどね…」
なんじゃそらーー!!
「他ほかの金持ちの長男と結婚できないの?」
「…いや、リオン様がおっしゃったでしょう?私と結婚しろとのご命令ですので…」
「いや、そんなの!!他ほかの人ひとに変えてくれって進言しないの?」
「いや、王族が一度言ったことは、冗談でも通さないと私、殺されるので」
と泣きそうに言う。
「うう、お願いします!!お願いします!ジュリエットさんんん」
と懇願こんがんされ、私は白目でサインした。
もう…、私の貴族生活、終わったわ…。爵位もない、ただの従者の嫁である。家も無いし。つか、明日から、王子様の嫁の侍することになったし。
「それで、私、今日どこで寢るわけ?」
「結婚したので、私の部屋でしょうね…狹いですけど…、すみません。明日には用意できると思いますので、今日のところは、我慢してください」
と夫になったばかりのクレイグが言う。
「一応初夜しょやだけど何なにもしないの?」
「ああ、まぁ、こういう事ですしね。流石にないでしょう?子作りとか。それに私今、仕事一筋ですし、とか結婚とか、興味なかったんで。命令じゃなきゃしていなかったというか…」
「あっそう…、ならいいわ。私も別に、貴方あなたと結婚したいわけじゃなかったし?」
と言うとクレイグは
「大変、申し訳ないです」
と謝った。それからクレイグの狹い部屋に通された。
「僕は、ソファーで眠りますね。はあ、疲れた。お休みなさい、ジュリエットさん」
とゴロリと橫になり、秒びょうで寢た。
思えばこの人、私や荷を背に乗せて飛んで來たのよね。そりゃ疲れるだろうね…。
はぁ…、にしても…。思ってたのと違う。
本當なら今頃、あの王子様と初夜を過ごしていたのかと思ったが、狹い部屋のベッドで、私はドレスをポイとぎ捨て、下著姿になり、潛り込んだ。
泣けてきた。
やはり、2番目の私は、幸福になれないのだと思い知ったのだ。
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