《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》
悪魔の蟲歯の呪いのせいで、50年に一度、竜族は人間の花嫁を迎えると言うことで相殺できるということを、神様に言われ…そうしているが、
ぶっちゃけると竜族側からも不満が出ていた。
「人間て…めんどくさくね?」
「食料しょくりょうと結婚すんの?草くさ…」
「そもそも人間と渉するのもめんどくせえ。そもそも人間は、山を切り開き、自然を壊す害悪」
「でも悪魔から訳の判らない蟲歯の呪いあるし。50年間は安心だけどさ…。まぁ、ブス寄越してきても困るから、人貰うことにしようぜ?人間なんか竜の加護で、魔から守ってやるって言ったら、大言うこと聞くぜ」
とか言うことで、代々50年毎に、人の嫁を娶るめとることになった竜族。
この城と城下街は、結界で人間には気付かれないようにしている。竜族と言えど、繁はするので、ここでは人間姿で過ごすことが多い。その方ほうが効率的に暮らせるからだ。
多くは山に住んだり、人間が気付かない空に、神様が島を點々と造り、そこを領地にして村や町を作っている竜の貴族達も多い。人間達は空に島が有るとは思っていないから、侵攻されることも戦爭になることもないし、人間達は空を飛ぶと言う発想はない。
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リオン王子が、フィリス様の贈りを買われた後、部屋に戻り、寛いでいる時に、私が給仕をしている姿を見てボソリと言った。
「クレイグ…そう言えばお前、あの人間娘と結婚して何日になる?」
「…丁度1週間くらいですかね??」
リオン王子は、珍しく端正な顔に皺を寄せて
「済まなかったな…。お前に…新婚休みをやるのを忘れていた!いつも通り給仕してるし…」
「はぁ…、仕事ですからね…」
するとリオン王子が
「おい、俺もあれだったけどな、流石に新婚なのに働きすぎだろ!!子作りとかもしろよ!!よし!休暇を2週間與える!!」
「えっ!!?そんなにいりません!!王子の従者は私です!」
「捨てられたみたいな顔すんな!ばか!!お前の仕事人間もいい加減にしろ!休め!しは!後、嫁と仲良くしろ!!」
「そ、そうは言っても…何を話せば…。結婚もいきなり書面上だけで、ジュリエットさんも直ぐにフィリス様付きの侍にられたし、あまり話してません。廊下であったら、「仕事頑張ってください」「そちらも」くらいしか無いので…」
と言うとリオン王子が頭を抑えた。
「お前等おまえらは夫婦だろうが!!いいか!クレイグ!!2週間のうちに、嫁と仲良くなれ!!可能なら子作りしろ!!世間一般の新婚生活とやらを満喫しろ!これは!命令だ!!」
と命令が下されたら、王子甘やかしの私は逆らえない!!というか、そもそも新婚生活よりも人生活すら、今までしてこなかったのに!仕事命しごといのちの私には不要な産なのに…。
まぁ…、王子のお嫁になれるのだろうと思って私の背中の上で嬉しそうに
「イケメン王子様と結婚できる!やったー!」
と喜んでいた、ジュリエットさんには、酷いことをしたな…とは思うけど。いや、実際酷いと思う。いくら王子とフィリス様が超ラブラブだから、たぶんこのままの結婚はないだろうし、村娘さんは別の人ひとと結婚させられるだろうなと思っていた。
まさか、私の嫁にされるとは思ってなかったのですが!!!
想定外だったけど、王子の命令には逆らえない!!竜族なら誰でもいい。でも王子の命令だから結婚した。というか、サインしただけで、ジュリエットさんと私の間に、だのだのは無いと思う。労いねぎらいの言葉をかけるのみ。
それにまだ…、手紙は送ったけど、実家にジュリエットさんと挨拶に行ってないので、この機會に行くしかないか…。後、家いえも手配しないといけない。あんまり住まないだろうけど。
ああ、実家にしばらくジュリエットさんを預けて、私が家いえ選びをすればいいのか。王子から特別ボーナスだと家いえを買う資金も頂いてしまった。家政婦さん…、いや、管理人を雇わないとね。家いえを開けることも多いだろう。基本、城に勤めるし。
あれ?ジュリエットさんは……、お城に勤めたいのかな?でも、王子命令でフィリス様付きの侍になったし。お互い仕事はしてる。でも最初金持ちと結婚したいとか言ってたしな。私は侯爵家けの次男だけど爵位は長男の兄さんのものだし。王子付きの侍従長じじゅうちょうで給金は良い方ほうだけど…。特に贅沢したいとかも無いんだよなぁ。でも、は贅沢したいのかも!!?
うーん。その辺あたりは聞くか。
と休憩時間中に、私はジュリエットさんに聲をかける。好奇心で皆みんなが覗き見していたので
「すみません、ちょっと…」
と私の部屋に呼びつけた。
ジュリエットさんは、お晝を持ち、モグモグとサンドイッチを食べながら聞いた。
「なんですか?何なにかご用事?」
と素っ気そっけのない返事が帰ってきた。
私は王子から休暇をいただいたことや、実家への挨拶や滯在などを話した。
「で、私が貴方あなたの家いえで待ってる間…貴方あなたは家いえを買ってくると?」
「そうです。そう言えば、ジュリエットさんは、お仕事はどうします?家いえにずっといますか?」
「……いや…働くわよ。家にいたってやることも無いじゃない…。働いて給金を貰い、自分の好きなを買うわ」
「そうですか。ならば、私は何なにも言いません。それからもう一つ」
「何なに?まだあるの?貴方あなたのお母さんとも上手くやれっての?嫁姑問題あるしね?はぁ、めんどくさいなぁ」
とボヤいている。
「い、いえ、それも確かに有りますけど…王子の命令で…こ、子作りを可能ならやれと。世間一般の新婚生活を送れと言われて…」
と流石にモゴモゴと言うと、彼はあっさりと
「ああ…そんなの適當に、休み明けに言っておけばいいわよ。口裏を合わせればいいだけでしょう?だって私達、があるわけじゃないし、クレイグさんのことは私、同僚のし上の上司くらいにしか思えない…貴方あなたもでしょ?」
と半目はんめで聞かれて、私はしだけがちくりとした。
「ええ、まぁ、そうです。そ、そう言えば、実家は空の島の一つにあるんですよ!」
「へぇ。空に島が有るのね?それはちょっと初めてで楽しみかも」
と興味を持ってくれた。
後は実家に帰るだけか。
しかし私は、そこで気付いた。
皆みんながジュリエットさんを…餌として見ないだろうか?いや…、流石にないか?
………いや、有り得る…。
どうしよう…。言うべきかな?でも怖がらせちゃうかも。帰らないと言い出しそうだし。
まぁ私が家族に厳重注意しておけばいいか。
ここに連れてきて、同僚達は度々ジュリエットさんを盜み見て、ヨダレを垂らしてる奴らがいた。
「あの…、まぁ…、そう言うことなので、2週間ですが、よろしくお願いしますね」
「了解致しました。クレイグさん」
とピシッとした。これじゃ、嫁ではなく部下だ。
普通なら今…私の部屋にいるし…イチャイチャしているんだろうけど…ジュリエットさんにはその気は皆無かいむだし、別に私もそんなつもりはない。ジュリエットさんは、面白い人ひとだと思うけど。
お晝を済ませ、ジュリエットさんは、仕事に戻ると言い、部屋を出たのだった。
          
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