《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》

結局私は、2週間のほとんどを、クレイグのベッドの上うえで過ごした。いや、足は怪我してねーからけるだろって?無理無理、怖くてもう足ガクガクだよ。

だって包帯とったら、ちょっと齧られてた。奴等やつらは味見とか言ってたけど、こっちは大怪我だよ!!

とかお前…、大変やぞ!!

クレイグが晝間、家探しいえさがしとかに出てるうちは、部屋に鍵をかけて震えている。トイレなんか、オマルだわ!!部屋から出るかよ!!もう臭いくさいとか汚いとか恥とか知らん!!

私は命いのちが1番大事だ!!

い顔した、あの悪魔の雙子は、クレイグが尾でおを100回叩いたらしいが、竜なので普通の人間とは違い、頑丈でピンピンしておる!!

もうやだ!誰も信じない!!

皆みんなここの連中は、私を餌としか見ていない!!

扉の外から雙子が

「ごめんね、お姉ちゃん…、もう齧ったりしないよ…、人間て脆いもろいんだね。痛かったよね?」

「クレイグ叔父さん、凄い怒ってた。もう本當に何もしないよ。薬湯くすりゆ持ってきたよ。ここに置いておくね?」

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らないから、しお話ししていい?」

と聞こえたから

「なぁに?」

と一応聞いた。味しかったとかの想だったら、もうほんとぶっ飛ばすぞ!ぶっ飛ばせれないけどな。

「あのね?クレイグ叔父さんはね、変わってんだよ…。人間を餌として見れないって」

「へえ」

お前らより、まともじゃねーか。

「昔ね?迷子の子犬を叔父さんが見つけてきてね?育ててたんだ」

「白い犬で可くてね…、味しそうで…」

おいっ!味しそうとか言うな!!

「その犬が立派に長してね、叔父さんが投げた木も拾ってきて、懐いてたの。私達も遊びたくなってね」

おい、なんか雲行きくもゆきが怪しい!!

「結局、ワンチャン食べちゃったの」

いぎゃあああああああ!!犬ーーーーー!!!!

「その時も叔父さん、すっごく怒ってね…、空中膝蹴りくうちゅうひざけりとか背骨せぼね折られたりして、もう恐ろしさ半端はんぱなかった」

えっ!?何なにそれ?膝蹴りひざけり?背骨折せぼねおり??

えっ!?あの溫和な夫が?噓だろ??竜じゃなきゃ死んどる!!

「おまけに1ヶ月くらい、口も聞いてくれないし、無視されるし、凄い可がってたんだなーって、反省したの」

そりゃーそうでしょうよ!!可がって育ててたのを、お前らにあっさり食われちゃうなんて!!絶だよ!!

「だから今回は、味見だけにしたけど、やはり怒ってた」

そりゃー怒るに決まってんだろうがあああ!!

「ごめんね」

「ごめんね」

と2人が謝り、去って行く音がした。

許さんけどな。

夕方、クレイグが戻ってきて、家いえを探してきたから、明日からそこに行くことになった。と言っても、もうほとんど休暇は殘ってない。明後日には仕事復帰だ。

「まだジュリエットさんは、療養した方がいいのでは?その手じゃ!」

「いいえ、いいえ。2週間安靜にしてたし、足はくし大丈夫です!!指だってくし!フィリス様の顔見ないと癒されませんよ…」

と指をわきわきさせながら言うと、クレイグはため息一つと

「無理しないでくださいね?」

と心配した。

……私って、あの昔飼ってた犬の代わりみたいなもんなのかな?クレイグにとって。

ペット認識かもしれないと私は思った。

翌日クレイグは竜化せずに、庭で踏ん張っていた。

「フギギギギギ!!」

と歯を食い縛り、何なにしてんだこいつは?

と思ってたら、人間姿の背中からビリっと竜の翼だけが生えた!!後頭うしろあたまにも角つのが生えた!!

「わっ!!?な、何なに?」

「半はん竜化りゅうかですねぇ。竜化りゅうかと人化じんかの半分半分といったじです。一応飛べます!」

とクレイグが私を抱えた。

「腕を怪我しているから、竜化りゅうかして連れてくと摑まるつかまると痛むでしょ?だからこれで」

とクレイグはそのまま飛んだ。

ちょっと恥ずかしい。

し進むと森の中に可らしい家いえが見えてきた!!おお!私の理想に近くね??

い!庭も綺麗な花咲いてる!!

と思ってたらスイーと通り過ぎたとおりすぎた!

ええええ!!

「ちょっ!あれじゃないの?まさにあれなんじゃないの?何なんで通り過ぎんのとおりすぎんの?」

「え?いや、あれは、もう他ほかの人が住んでますんで…、あ!あれあれ」

とクレイグが言う方ほうを見て、固まりかけた!!

庭、確かにあるけど…、草がボーボーで汚いし、埃ほこりだらけのボロっちい煉瓦の家いえで確かにオレンジの屋だが…正直さっき通り過ぎた家いえの方ほうが良かったよ!!これじゃあ魔か幽霊の家じゃん!確かにある意味でお伽話っぽいけど、可い要素ないじゃん!!

「ほらほら!屋のとこに!人形が!!可らしいですよ」

と見ると、風かぜに飛ばされたのか、誰かの人形が引っかかっている。ていうか、その人形も雨風にさらされたのか、恐ろしいモチーフと化していた。

「怖いわぁ!!」

思わず頭突きかました。

「イテッ」

と夫は言ったがアホか!!

降りて、呼び鈴を鳴らすと、これまた鎌を持った殺人鬼…いや、中年のおじさんがヌッと出てきて私は

「きゃーーー!」

とクレイグに抱きついた!!

クレイグはおろおろしつつも

「あの、管理人の、マイルズさんですよ」

と言うとマイルズは、ニヤリと兇悪な笑みを浮かべた。

「どうも…、これから庭の掃除しようと思いましてね。何年もここ、誰も住んで無かったんで、これから掃除なんすわ。今よりかはまともになるんで。ああ、お部屋は先に掃除しておきやした」

と言った。いや怖いよ笑顔!!

というか、部屋の中も見たけど掃除雑ざつ!!

城で働いていた私を甘く見んな!!

掃除やり直しだろこれえええ!!

となり、私達はとりあえず掃除した。クレイグは私に休んでくれと言ったけど、この汚さに我慢できないからと手伝った。

夕食は、あの恐ろしい笑顔のマイルズさんと奧さんのアマンダさんと共にとった。アマンダさんはとりあえず普通なじだった。良かったよ。

クレイグが2人を採用したのは、昔、人間の子供を育てたことがあるらしいとのことだった。

「あの子は迷子になって、記憶を失っててね。男の子だったんだけどさ。ロードリックと名付けてね。自分が竜族だって信じててね?でも大きくなると人間だって仲間に言われてさ…、食われる前に…私らが人間の街へ送って別れたんだ」

「俺たちのこと、父ちゃん母ちゃんて呼んでくれてさ…嬉しかったねえ…、元気にしてたらいいな」

とマイルズさんは私を見て言う。

らしい家いえでもないけど、ここなら一応襲われたり齧られたりする心配は減った。

笑顔は怖いけど、中は優しそうだし。いいか。

結局その後も、雑草取りを手伝って、休暇は終わった。

因みに屋の人形は不気味過ぎるので、もちろん取ったわ!!くそー!次來たら花畑とか作って超メルヘンに改革してやるーー!!

          

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