《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》

「ひいい!」

とジュリエットさんが私の後ろを見て怯えた!

この匂いにおい!間違いなく、さっき追ってきた竜だな!?

寒いのか怖いのか判らず、だが、ガタガタ震えてる彼を抱きしめてやる。

あまり力をれると彼の背骨せぼね折れそうだし優しく優しく!

何かなにか後ろに怖い視線をじるけど、私は妙にドキドキする。恐怖なのか番つがいが近くにいるのかは判らない。

「ちょっと!私の番つがいよね?貴方あなた!何でなんで逃げて他ほかのとイチャイチャしてるわけ?」

と、ドスンと足音がした。

そして人化ひとかする音がした。

どうしよう。振り向いたらダメな気もする。

「私はこの人ひとの夫です!私の番つがいという方かた!どうぞ諦めてください!私は竜族を滅ばすわけには、いかないのです!!」

「その辺りあたりは家いえにいた中年の男から聞いたわよ。その冴えない娘が、50年目の花嫁でしょ?そんなの他ほかの男にやってしまえばいい!番つがいなのよ私達!匂いで判るでしょう?」

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確かに酒みたいな匂いがする。

私は勇気を出して振り返った!

すると緑のワカメみたいな髪で赤い目のぽっちゃりとしたがいた。

「…………」

え?

「ふふふ、やっとこっちを見たわね?私の番つがい!イケメンじゃないのが殘念だけど、これから子作りしましょうね!」

と笑っている。

「冗談でしょう?私には嫁がいるのでお斷りしますね。お帰りくださらないと流石に私もキレますよ?」

と言うと、驚いた緑の

「はぁ?私にときめかないの?番つがいなのに!?おかしいわ!そんな筈ない!お告げをけたのに!」

「いんちきではないですか?その手の詐欺商売に引っかかっているだけじゃないですか?」

「いんちきじゃないわよっ!私は貴方あなたを見てときめくし、匂いだって極上のステーキの匂い!!ああ!早く私のものになって!!その娘はポイ捨てして!」

とゴミみたいにうちの嫁に言うな!ジュリエットさんの方が可いんだ!!

………可い…。

そうなのだ。

さっきから抱きしめドキドキするのは、ジュリエットさんに反応しているのだ。

「わ、私は嫁が、すすす、好きですから!」

と言うと、ジュリエットさんがびっくりしていた。

緑のはギッと睨みつけ…

「そんな人間にんげんなんか誰でもいいじゃないの!私の知り合いにくれてやりなさいよ!子作りが終わったら竜族の呪いは解けるし餌にもなるし丁度いいわ!!」

と爬蟲類の目でジュリエットさんを見た。

「ひいっ!」

と青くなり、ジュリエットさんが震える。

私は立ち上がり、くるんと一回転して竜になる。

「もう許せません!私はお嫁さんを守ります!!」

「餌なんかに興してバカみたい!!まぁ私が勝ったら、私のものになるってことね?うふん」

も一回転して竜になり、ドスドスとこちらに向かってくる!

後ろで

「ぎゃっ!」

と彼が怖がり、巖の後ろに隠れたのを見て、私は尾で緑の竜をぶっ叩いた。

「くう!こんなこと、あってたまるか!」

私の尾を持ち、緑のが私を持ち上げ振り回して、狹いの壁に顔やからだが當たって痛い!!

反撃の為、足でみぞおちを蹴る。

「ぐげっ!?」

と聲を出して、後ろに倒れたので、尾での足を捉えてとらえてり口目掛けて思い切り投げた!!

「ぎゃあああああ!!」

と落下しそうになるが、羽で飛んで衝撃を抑えられた。

私は外に出て火を吹いた。彼も風かぜを起こし火を避けたよけた!!

お互いに睨み合い、グアッと牙を剝き、取っ組み合いとっくみあいになり、腕に噛み付いた!!私も左肩を深く噛まれた。もはや獣同士けものどうしの戦いだ。

相手がメスだとか番つがいとか関係なかった!こいつの匂いも私は酒を飲まないので、あまり好きではない!やはり何かなにかの間違いだ!番つがいなら自分の好きな匂いがする筈なのだ。

「痛い!辭めて!!なんなのよ!あんな餌如きに!!」

「帰ってください!彼は餌ではない!貴方あなたは私の番つがいなんかじゃない!!」

ハッキリと言うと力なく、緑のはヘタリこんだ。

「今日のところは帰るわ!私諦めないわ!!次は、その人間の餌に見合う男を連れてきてあげるわ!謝なさい!」

とヨロヨロ飛び去ったのを見て、窟に戻り一回転した。

人化ひとかしてもボロボロの私を見て、ジュリエットさんが駆け寄って抱きしめた。

「バカ!!酷い怪我!肩が!が!!とにかく家に帰ろう!!あっ!私を抱えて飛ぶのは痛いよね?どうしよう」

おろおろするジュリエットさんは泣いていた。

「泣かないでください」

「え?泣いてた?私?別に怖くて泣いたんじゃないわ」

とゴシゴシと涙を拭ってぬぐっている。噓だ。絶対怖かった筈だ。

「私なら平気です。竜ですからこの傷もすぐに癒えますよ…。し休んだら大丈夫ですよ」

と壁にもたれかかり眠った。

しして、目を開けるあけると、ジュリエットさんが橫で寢ていた。もう夕方だ。戻らないと。

傷はだいぶ塞がってきたな。竜の回復力かいふくりょくは強い。やはり、あの緑の竜は洗脳されていたのだろう。私はあの竜に全くときめかなかったし。正直人化ひとかの姿を見て、なんだこのデブ。と思ってしまった。失禮ながら。

するとジュリエットさんが気付いた。

「クレイグさん、大丈夫?傷は、さっきより塞がってるね…」

「ええ、まぁね。竜だからです!さっさと帰りましょうか?」

「そういえばさっき、私の事好きって言ったでしょう?ふふ」

それに私は一気に熱くなり、赤くなった。なんだこの火照りほてりは!!?

「いや!?その?な、なんでした?覚えてませんよ??」

と慌てると、ふふふと笑っているお嫁さんにドキドキした。

「うう、これが、なんですか??」

「私に聞かれても、でも私もドキドキするわ」

し照れた顔を見て、私はジュリエットさんに近付いてちかづいてキスした。ジュリエットさんは驚いていたようだが、そのままかなかった。

を離し見つめ合った。お互い赤い。

「あのう、今、私の頭がピンクなので毆ってくれませんか?」

「はぁ!?変な人ね!!自分からキスをしておいて!!」

「………すみません…………」

するとおかしそうにクスクスと笑い

「判ったわ。もう一度キスをしたら帰りましょうか」

と言うから、また心臓が跳ねた。ああ、私は、やはり、お嫁さんが好きになったのですね?

良かった。

と思いつつ、もう一度口付けくちづけをわして、私は窟からお嫁さんを抱えて飛び出した。

今なら空中一回転出來そうな気分なくらい浮かれていた。けどやめておく。

「帰ったら子作りしてみますか?」

と言うと頭突きされた。

「それはもうちょっと待って!!」

何故なぜだ!!?やはりイケメンで金持ちがいいのかなぁ??あの緑の竜りゅうおんなが男を連れて戻ってきたらどうしよう!?

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