《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》

私を抱えて戻る最中も、夫はいつもとし様子が違う。私も、それなりにドキドキする。

「痛くない?」

と怪我の合を聞くと

「心臓がおかしいです……」

と困ったように言う。

「あ、怪我のことですか?さっき、ひと眠りしたから、だいぶ良いです。薬湯くすりゆに浸かったら大丈夫ですから、竜族は回復力かいふくりょく早いですからね」

「良かったわ」

と言うと嬉しそうに笑う。

家いえに帰ると、マイルズさんとアマンダさんが心配して出て來た。

「旦那様!奧様!無事で!!」

「あの番つがいは?」

とマイルズさんはし怒っている。

「お帰りいただいたよ。もう彼を家いえにれいれないでしい。

また來るくると言ってたけど、私は、あの番つがいを見ても、何もなにもときめくことはなかったし、あれは一種の催眠だ」

「どういうことです??」

とマイルズさんが眉を吊り上げる。

を説明し、いんちきお告げ竜のことを言うと

「なんと!そんな商売をして騙すとは!許せんな!!」

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「王子にも、後ほど報告はしようと思います」

「旦那様、直ぐに薬湯くすりゆの用意をします。直ぐに治るとはいえ、結構やられましたな」

と言えども、竜化すると半端なく強いですからね…」

と言った。

それから私は、著替えてご飯をいただいていると、ほこほこしたクレイグがやってきた。

既に晩だし、一緒に食事を取ることにしたが、彼は私の隣に座る。

「おやおやこれは…」

と微笑み、アマンダとマイルズさんが下がった。ええ?

「すみません、時間が惜しいから…。

しでもジュリエットさんと共に居たくて……。

私がイケメンでなくてすみません!そんなに金持ちでもないけど、私は、ジュリエットさんをー…」

と照れてモジモジしているから、私は夫の口におをガボッとれてやった。

「モゴー…」

とまた苦しそうだ。

しかし何とかゴクリと飲み込んだ。

「あーんする時は言ってください!に詰まっちゃいます!」

布で口を拭きながら言う。

「だって、こんな近くで恥ずかしいことを言おうとしたでしょ!?今、食事中よ!!?」

「す、すみません…!!」

と普通に食べ出した。しかし張してるのか、手が震えてスープがガチャガチャと溢れてこぼれていた!

「だ、大丈夫??」

「は、はい!何かなんかこんな、仕事以外のことで、頭がジュリエットさんでいっぱいになるのはおかしいと思うので、気にしないでください!!」

とガチャガチャ溢しこぼしながら食べていた。

夕食が終わってやっと休めるな。今日はいろいろあったわ。

で巨大な竜同士が戦い始めた時は、巖に隠れて巻き込まれないようにするのが手一杯よ。普通の人間の私なんか、竜に簡単に捻り潰されてもひねりつぶされてもおかしくないもんね。

寢巻きに著替えると夫がやってきた。赤い顔をしてソワソワしている。まさか!子作りしたいんか!?それはまだ早いと思うよ!!

しかし私に近付き、額ひたいにチュッとキスを落とすと、彼はさっさとソファーに行こうとしたから

「こらこら、怪我人けがにんはベッド!」

と引き止めると、今度はギュッとされた。

ふあん!!な、何なに!?

何かなんか妙に熱っぽく見てくるなぁ。赤い細い目が私を捉えていた。と思ったらクレイグは本當に熱い。ばっと額ひたいに手をやると…

「ちょっと!本當に熱があるわよ!?」

と言うとポーッとして

「あれ?そんなことは??」

きっと傷付いたりして、疲れたりしたからだ!!

私がお水と薬を取ってくると

「ありがとうございます…」

「いちいちお禮言わなくてもいいわ。夫婦なんだし!」

「ジュリエットさん優しい…。す、すす、好きです!」

と手にキスされた。

「判ったから、もう安靜にして!!」

こっちが恥ずかしくなるわ!!

「ち、違うかもしれないこれ…」

??

何がだろう??

「何が違うの??」

「じ、実は、竜族は本來なら獣でして。一般的にに落ちると、普段より溫が熱くなるんです。そそそ、そのう、た、大変に申し訳ない事ですけど…」

とゴニョゴニョ言ってるので

「何なに?はっきり言って?隠し事はなし!」

と言うと真っ赤になり、言った。

「ジュリエットさんに、私…、は、は、は…」

は?

「発してます!!」

と言い、一瞬シーンとした。発!!?

あの??発よね?

すると彼は震えて

「ううう!!こんな事は初めてなんです!!他ほかの竜族が発期の時は、白けたしらけた目で見ていましたが、こんなになるとは思わず!!」

「何なにそれ??他ほかに今まで好きなは居なかったの??」

「は、はい!仕事人間だったので!!ああ!どうしよう!何だなんだ?この私の頭を支配するピンクは!!もうダメです!!私、このままだとジュリエットさんを無理矢理…。

うう!わあああ!!」

と真っ赤になりながら、夫は部屋を飛び出した!!

殘された私はポカーンとしたが、普通に寢ることにした。私も今日は疲れてたから、ぐっすりと眠った。

部屋から逃げ出して、庭をし散歩して頭を冷やす。

まさか私がに落ち、発期にるとは思わず…。早い人ひとは12歳頃から発期にるが私は友人達が発しているのを見て、なんとも言えない白けたしらけた気持ちで観察していた。

期はアホになる!

とさえ思っていた。とにかく友人は、好きなの子のことを延々と語り、その子の近くで匂いを嗅ぎ周り、積極的に迫り、口説いていた。

その、どの臺詞もアホじゃないかと思うくらい甘ったるく、普段の彼とは想像もつかない程だ。

まぁ、リオン王子のことなんですけどね!

普段のリオン王子はクールそのもので、モテていたが、フィリス様と出會い、年頃になると発期を迎えられた。

クールな彼はとんでもなく真面目に子作り教育を、ギラつきながら聞いており、メモしていた。

それからフィリス様の周りをうろちょろし、フィリス様もリオン王子のことを意識し始めたようで、それから2人は仲良くなったようだ。

「発期とは抗えんあらがえんな…。フィリスが他ほかの男と話しただけで殺したくなるし、もうフィリス無しでは生きられん!!俺はおかしくなった!!

クレイグ、お前も気を付けろよ。理を保つたもつのが一杯だぞ!なんせ視界にっただけで狂おしいほど好きになる!!」

とか前に言ってて、何だなんだその惚気のろけは。

私は仕事にするからいいやー。とか考えて自分の事は放置狀態であった!!

「ちゃんとについて勉強しておけば…。いや、一般教養はあるけど!私自するのも初めてだし!!」

と頭を抱えて、仕方なく深夜の寢室に戻ると、既に彼は、ぐっすり気持ちいいくらい寢ていた。

ソッと近付きちかづき、髪と頰ほおと手にいつの間にかキスしていて、ハッとなった。

何だなんだこの自然な流れは!!?

別にキスしなくとも良かったろう!

お、恐ろしい!!

ジュリエットさん可い!!

ダメだ!しっかりしろ!!

とソファーにボフリと潛るもぐる。あああ!発期はいつ治るのだ!?

明日、本を読もう!!

と眠り込んだが、朝起きて直ぐに本を手にすると発期を抑える方法は、直ぐに子作りするか1週間以上、顔も見ずに匂いにおいも嗅げないかげない場所に移し、耐える事だと書いてある。

だ!

1週間もジュリエットさんと離れるとか!無理!離れたくない!恐ろしい!!発期!!

「おはよう!クレイグさん」

と彼が起きて、本を慌てて仕舞うと

「何なに?」

とにこりと微笑むから、が苦しくなり私は…

「すみません!!私ちょっと実家に1週間程帰ります!!」

と言っていた。

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