《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》第19話 1番のお嫁さん
二人を祝福する様に真っ青な青空が広がり、沢山の竜族に囲まれ拍手喝采の中、リオン様とフィリス様の世にもしい結婚式が行われて私はでボロボロと涙を流していた。
クレイグがそっと私の涙を拭いて手を繋ぐ。沢山の花びらと祝福に包まれ二人は最後に皆の前で竜化して空に咆哮を響かせた!!
人間の私には耳がビリビリしたけど竜族達は
「なんてしい咆哮!!」
とか言っていた。
それから宴會が行われ私は二人にお祝いを述べた。
クレイグも今日ばかりはちゃんとして主人に祝福をしていた。
「フィリス様は私の神様です!!ここに來て餌として私を見てくれなかったのは夫とお二人だけです!あ、うちの管理人夫婦もですが…、何故ですか??ずっと聞いて見たくて…」
と私が聞くとフィリス様とリオン様は顔を見合わせて…
「俺のひい祖母が人間だったからだ。俺にはほんのし人間のを引いているのかもしれない。そこまで人間を餌として食いたいと言う気持ちはないしひい祖母は亡くなっているが夫に食われたと言うこともなくて仲睦まじく最期眠ったそうだ」
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とリオン様は言う。そうだったのか。
フィリス様は…
「私は小さい頃実は人間のお祭りにリオン様とよく紛れて楽しんだのです。人間達は優しくしてくれたし人間の文化もそこで學んで興味を持ちました。良い人間もあれば悪い人間もおり、様々でした。いつか竜と人が仲良く共存出來ればと思っています…貴方達のように!」
フィリス様が私の手を握る。
「生贄という形でここにたった一人嫁いで來て辛かったわね。ジュリエット…私貴方に幸せに暮らしてほしいわ」
「フィリス様ああああああ!!もう、私と結婚してくださいいいい!!」
リオン様が
「おい!ふざけるな!こら!あまり抱きつくな!お腹の子が潰れるだろ!」
「は、はい!申し訳ございません!」
と離れる。いつ産まれるのか?
「あのう…そう言えば竜の赤ちゃんは…」
「卵で産まれるわよ?」
と言った。やはりそうか。ん?じゃあ私はどうなんだ??卵産むとか無いよねぇ?
「ジュリエットは普通に赤子を産むだろうな。その子は半分竜での子だった場合は竜族と同じように卵を産むんだ」
とリオン様が付け足した。る程ー。ハーフか。
クレイグは
「リオン様フィリス様…後日卵を産みましたら嫁と見に參ります」
と言った。え?
「そんなすぐ産むんですか??卵!!」
妊娠判ったの割と最近なんだが。
「ええそうよ。あまり長いことお腹の中に卵をれていたら逆に病気にかかるの。だから早く産み落とし、卵を溫めて孵すの。そこが人間とは違うわね」
「そ、そうなんだあ…知らなんだ…」
「當たり前だろう。お前は人間なんだからな!そんなことよりさっさとお前たちはイチャイチャしろ!もう俺とフィリスも結婚したのだから呪いを解くために頑張れよ!」
とクレイグの背中をバンと叩くとクレイグは
「そうですね。…宴會の片付けが終わりましたら…と言いたい所ですが、今日は他の者に任せています」
とニコリと夫が主人に言うとリオン様は
「ひいっ!クレイグが仕事を人任せに!!こんな日が來ようとは!!ジュリエット…お前は凄いな!!?お前こそ本當のクレイグの番ではないのか??」
と驚いていた。フィリス様は
「そうそう…あのいんちきお告げ師の事ですが…調査によるとやはりいんちきの様で若い娘を狙って洗脳させお金を取ってたそうで…その…クレイグの所に向かわせたのは最終的にはジュリエットを拐うのが目的のようだったわ…人間の雌は高く売れるからとね」
「今は牢にれて反省させている。あのお前達を襲った緑の竜とか言うにも洗脳を解いておいた」
「そうですか。ありがとうございます!リオン様!」
「と言うことは…何の問題も無くなり…私とジュリエットさんは子作りに専念できると言うことですね!」
クレイグ!!は、恥ずかしいっ!!
私が赤くなり俯くと
「もう宴會もそろそろ終わりだな。客人も酔い潰れてきたしお前たちもう帰れ!呪いを解除しろ!言っとくが蟲歯発癥者の娘はもう何度か牢で自害しかけて大変なんだ」
「それはいけませんね…!」
とクレイグが私の手を取り王子達に禮をした。そして出口へと早足で歩いた。
私は振り返り
「お幸せに!!」
とんだが
「言われなくとも判っている!!」
とリオン様も笑い手を振ってくれた。
廊下に出ると夫に抱きしめられた。ブルブル震えていた。
「どうしたの??早く家に帰りましょう?」
と言うと…
「うちまでもう保ちそうにない…」
えっ!!?いや待てよ!もうちょっとくらい!!
「トイレじゃないんだから!我慢できるでしょ?」
「竜族ですよ!私は!!」
とキスされた。ぎゃっ!!ま、待て!!ここでは流石にダメだろ!!
「判ったからせ、せめて貴方のお部屋で!!」
と恥ずかしいし泣きながら訴えると羽出して抱えてもうスピードで部屋に向かう夫!
どう見てもトイレ我慢してるヤツにしか見えないくらい切迫し、額に汗まで滲んでいた!!
「ヤバイ!もう!!限界だ!!し、死んでしまう!!間に會え!私!!」
とか言ってる!!
やっぱりトイレ我慢してる風にしか見えないがもはや夫の命の危機らしかった!!
「ええええ!?そんなになってたの!!?」
「はい!限界でした!実は!!もう心臓が保ちそうにない!!止まる前に早くいたさないと!!」
と顔すら紫で怪しくなってきた!!
何だこれええええ!ほんとトイレじゃないよねえええ!!?
廊下で會う人に変な目で見られたがもうマッハでビュンと通り過ぎるから訳がわからない!!
部屋についてバンと戸を閉めて防音魔法をかけたクレイグが私をボフンとベッドに沈めギラギラダラダラと汗かきながら明らかに様子がもうヤバかった。
「し、死にそうなのでもういきなりで…すみません!!」
と言って普通を通り越して一気に私はロマンスのかけらさえなく別の意味で喰われた。
**
それから朝…私の方が瀕死であった。
竜族恐るべし!!と言わざるを得ない!!
クレイグはやっぱりトイレで出すもん出し切ったかのようにスッキリしていた。
「死ななくて良かったですね!!」
とニコニコ艶々しながら赤くなっていた。
こっちはもう瀕死であると言うのに憎たらしい。
「うるさい!この野郎!!」
と怒りで頭痛をかましたら
「イテッ」
とんだ。
しかもその後元気にまた
「では私は仕事行ってくるのでジュリエットさんはゆっくりお休みしててくださいね!!」
と言い、ルンルンで仕事に向かった夫が信じられんかった。
「うおおおお…あいつ…あいつうううあああ」
と変な聲でびながらも私は別の意味で死んだ。
*
それから…呪いにかかった娘はようやく呪い解除され牢から出された。彼は私達の所に1度挨拶に來たが終始睨んでいて
「呪い解くのおっせーんだよ!このグズ共が!!」
と怒られてこちらがなんか謝罪する形になった。
「「ひえええ、すみませんんん」」
と二人でペコペコ謝った。やはり蟲歯は相當痛かったしイライラして死にたくて堪らなかったらしいがどうにか耐えていた彼は凄い。
さらに仕事が落ち著いた頃に私はあの伯爵に貰ったドレスをわざとボロボロにして所々ネズミのとか塗って汚くしたのを來て髪を振りしお化けになった。
その姿でクレイグの背に乗り、人間界に向かい、夜中にポーリーナの所へ行って寢ている夫婦の元へ行き驚かせた。
ポーリーナ夫婦はび聲をあげて気絶した。
ついでにネズミので額に「死」と書いておいた。
村にも行き同様に村人達を驚かしたり伯爵様にも同じ様に驚かせた。ちょっとした悪戯復讐である。
帰り道にクレイグに呆れられたが私はようやくとスッキリとした。
クレイグに毎日されて數ヶ月したら私も妊娠してお腹が大きくなるのを不思議そうに見て心配する夫にフィリス様がいた。
「こんなにお腹が大きくなるなんて!!人間て凄い!!」
と言いお腹を優しくさすり
「よしよし…もうすぐ會えますね!可い子よ。あの…すみません。イケメンじゃないお父さんだけど…お母さんもそこそこだから君もそこそこだと思いますけどね」
と言ったから頭突きしておいた。
全くもって竜の嫁というのは大変である。
でもこれからも私は…私のことが1番と言ってくれる家族と共に仲良く暮らして行こうと思う。
終
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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