《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1話 最強魔王の異世界転移
魔王城の最深部、このアレルバレルの地に最強の魔王が君臨していた。
數千年もの間、幾度となく生まれ現れる勇者たちは、
その魔王によって返り討ちにされており、
人間たちは魔王ソフィの討伐を諦め始めていた。
しかし當代の勇者【マリス】とその仲間達が立ち上がり、
今だかつてない快進撃を続けて、魔王城の魔や魔族を屠り、
遂に魔王城の最深部に居る魔王の元へ辿り著くのであった。
『覚悟しろ、魔王ソフィ! 貴様の圧政も今日で終わりだ!』
「……我の行う統治を圧・政・と呼ぶか?
不甲斐ないお主ら人間の代わりに、我が仕方無く行ってやっておるというのに、
一方的に我の行いに文句をつけるとは、本當に困った者共だな。
もうし世の中の事を勉強し直してから、再・び・出・直・し・て・こ・い・と言いたい所だが、
お主らなりに抱えておる思いを尊重し、
更にはこの魔王城の最深部にまで來た事に敬意を表して、
この大魔王ソフィが相手になってやろう。
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……
……
……
どれほどの時間が経っただろうか、勇者たちは魔王ソフィに片手で、
相手をされているにも拘らず、全く大魔王ソフィの相手になっていなかった。
「……まぁ、それでも過去の勇者達に比べればよくやったほうか」
勇者マリス達の心を折らぬように、言葉を選びながら大魔王ソフィは告げる。
すでに目の前の勇者たちに対して、戦う前にあった意は消沈してしまい、
ソフィは片手で相手をしている上で、そのまた更に手加減をし始めるのだった。
勇者との戦いが始まってから、大魔王ソフィは魔法の一つも使ってはいない。
この大魔王ソフィは全ての戦闘水準が高く、魔族の中でも最強と稱されている。
その中でも彼の得意分野が『魔法』なのであった。
本気になれば大陸どころか、世界そのを消滅させる事も可能だと言われており、
勇者達もその噂を期から聞かされて育ったために、
大魔王ソフィの『魔法』に戦々恐々としながら戦っていた。
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しかしどうやら勇者マリスとそのパーティの仲間達に対して、
大魔王ソフィは、そ・の・魔・法・を・使・う・ま・で・も・無・い・と・判・斷・し・て・い・る・よ・う・で・、
たった一度も使用をされてはいないという屈辱的な現実の前に、
マリスはからが出る程に噛みしめて、けなさに涙が出そうになっていた。
『クッ……! ど、どうしてこんな化けがいるんだよ……!』
・の・勇・者・、歴・代・最・強・、・霊・に・・さ・れ・た・勇・者・等、
いまだかつてない程に期待を寄せられていたマリスだが、
そんな彼であっても目の前に居る、大魔王ソフィには全く歯が立たなかった。
「もう終わりでよいな? 我の元まで辿り著いた功績を讃えて、
お主らを殺さずにおいてやるから、怪我を負わぬに立ち去るがよいぞ」
しかし魔王ソフィが勇者たちに完全に興味を失い、
背中を向けて椅子に座ろうとした時だった。
勇者パーティの一人で賢者である【リルトマーカ】という人間が、
懐から不思議な玉を懐から取り出して、魔王に向けて翳かざし始めるのだった。
『り、リルト! その源の玉は絶対に使っちゃ行けない!
何が起こるか分からないんだぞ! 下手をすれば僕たちが危ない』
『ま、マリス……! もうそんな事を言ってる場合じゃないよ。
ここで僕たちが魔王に敗北したままで城に戻れば、
僕たちを希にしていた民達は、絶のどん底に落とされてしまい、
もう二度と立ち上がれなくなってしまうかもしれない!
僕たちは民達の希なんだ、退く事は許されない。
もう僕たちは、この玉にかけるしかないんだ』
『そ、そうだよマリス。俺達に失敗は許されない、
お、俺もここはリルトを支持するぜ』
『そ、そうね……。 このままで終われない、リルトやっちゃえ!』
源の玉は、使用者のパーティ全員の魔力を全て吸い取り、
玉が砕け散る代わりに一度だけ、不思議な奇跡を起こすといわれる寶玉である。
その効果は未知數で使用者全員が死んだり、
時間が遡ったりといった一説があるが、現実に使用したものは誰もおらず、
現在勇者パーティの賢者【リルトマーカ】が、勝手に師と崇めている、
かつての勇者のパーティに居たと言われる大・賢・者・【ミ・ラ・】に、
大魔王ソフィとの戦いで使いなさいと渡されたマジックアイテム、
【源の玉】を使う意思を固めたのであった。
源の玉は勇者パーティ全員の魔力を糧に、その効果を発させた後に砕け散った。
そしてまばゆいが魔王ソフィを中心に、辺りを包みこんだ。
勇者たちは目を開けていられず、目を覆い隠しながら、がおさまるのを待った。
やがてがおさまり目を開けると、
先程まで椅子に座ろうとしていた魔王の姿が見當たらない。
『 『ま、魔王が……消えた!?』 』
……
……
……
「なんだ、ここは?」
魔王が目を覚ました所は、緑に覆われた森の中であったが、
こんな森はソフィには見覚えがない。
「我が支配しきれていない場所がまだあったのか?
しかしそれにしてもなぜ我は、ここで目が覚めたのだろうか」
勇者パーティの一人が使った不思議な玉が、
った瞬間に意識は混濁し、気が付けばここにいたのである。
「まぁよいか、ひとまず魔王城まで行けば何か分かるだろう」
そう獨り言つ魔王は、魔力回路に魔力を通して呪文を唱える準備を始める。
――【高等移呪文アポイント】。
しかし、何も起こらなかった。
「……何? 呪文が発しないだと?」
あの玉に魔力を吸い取られたのかと思い、ソフィは魔力をあまり消費しない、
自の魔力を測る為の計測魔法を使い、魔力を調べ確かめてみるのであった。
「『開示スペクト』」
【魔力値985/999】
「……む? ちゃんと使えるではないか」
目が覚めると自分が見たことない場所で、自分の城に戻ろうにも魔法が発しないので、
だんだんと自分は夢の中にいるのではないかと、思い始めるのだった。
ひとまずソフィは森の中を歩き始める事にした。
木には味しそうな実が実っており花々もしく、見た事も無い風景が広がっていた。
「うむ……、やはり我はこんな場所は知らぬな、
このようなしい場所があるのを、この我が知らぬというのはやはりおかしい」
アレルバレルの魔族達の居る大陸は、【魔界】と言われており、
東西南北に多く大陸がある為に、相當に広い事は分かっているが、
それでもソフィは數千年に渡ってこの世界で統治を続けてきた為、
この世界でソフィが知らない場所は無い筈である。
では、【魔界】では無く、人間達の住む大陸【人間界】に、
先程の勇者達の手によって、飛ばされたのだろうか?
しかし【人間界】であっても、【魔界】と変わらず地理は調べ盡くしている。
勇者たちはソフィの政治を圧政と呼んでいたが、
ソフィは人間達の為に、住みやすい環境作りを行ってきていた。
魔達が極力人間を襲わないように命令を出してまわり、
指示を出す為に彼自が出向いて、人間界のあらゆる場所を見てきたのである。
この世界を知している彼にとって、この世界に今更未開の地などが、
あるわけがないと思いながらも、ソフィは珍しそうに森の中を歩き続けるのであった。
……
――どれくらい歩いただろうか。
小腹がすき始めて実っている果実に、手をばそうとしたその時であった。
草むらからガサガサと大きな音を立てながら、
馬鹿でかい熊が、ソフィの前に姿を現したのだった。
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