《じゃあ俺、死霊《ネクロマンス》で世界の第三勢力になるわ。》【初見の方向け】この小説ってどんななの?【ざっくり紹介】

【目次】

●見どころ

●キャラクター紹介

●よく出る用語解説

●時系列まとめ表

●各章のざっくりあらすじ

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【●見どころ】

はじめまして!ここではこの小説のアピールポイントをピーアールします。アピールなので、主観です。「ほんとかよ?」と思われる方は、ぜひご自の目でお確かめを。

《1:仲間は全員アンデッド》

この小説の主人公は、”ネクロマンサー”です。ネクロマンサーとは死霊アンデッド、いわゆるゾンビや幽霊なんかを使役することができる能力者のこと。つまり彼が能力で仲間にできるのは、必然的にアンデッドのみになります。

ファンタジー小説と言えば、仲間キャラは超重要なファクター。その仲間が、普通は敵キャラ常連のゾンビやゴーストというのは、なかなかインモラルでイモータルな雰囲気です。けれど、ちょっと不安ですよね。「ゾンビなんて、雑魚キャラの代表格じゃん」「くさったしたいをぞろぞろ引き連れて歩くのか?」ごもっともなご指摘です。

ですが、侮ってはいけません。アンデッドというのは、仲間としてはなかなかに優れた點を持っています。

まず第一に、死にません。もう死んでいるからです。痛みもじず、恐れもない。腕を切り落とされたってへっちゃらです。

第二に、食費が掛かりません。彼らは何も食べないので。大軍勢を維持するには莫大なコストが掛かりますが、アンデッドの場合はどれだけ増えても、ネクロマンサー一人分で済みます。経済的ですね。

第三に、疲れません。どれだけ歩いてもへばりませんし、夜も眠りません。不寢番の心配はこれでおさらばです。

どうですか?これだけでも、アンデッドいいなってなりませんか?それに加えて、ゾンビがだったり、首なし騎士がいい聲の渋いおじさまだったりしたら、完璧だと思いませんか!(キャラクターの詳しい話は後述します)

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《2:主人公はネクロマンサー》

この小説の主人公は、”ネクロマンサー”です。前と同じことを言っていますが、これは重要です。先にも述べた通り、アンデッドが戦力として優秀な反面、ネクロマンサーは能力だけ見れば、ただの人と同じです。つまり主人公は、仲間たちの中で最も戦えないキャラということになってしまいます。これは困りました。ファンタジー小説としてはサイアクです。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、彼は無能ではないということ。ネクロマンサーである彼無くしては、アンデッドはまとまりません。役割としては指揮という、超重要ポジションになります。

では、主人公は味方ので、常にふんぞり返っていればいいのか?いいえ、そうは問屋が卸しません。この世界は厳しく、様々な困難が牙を剝きます。主人公はその度に知恵を絞り、仲間と力を合わせて、窮地をすることになるのです。そうした経験を経るうちに、主人公はしずつたくましく、強く長していくことでしょう。

そしてなにより、主人公は生きています。対してアンデッドは死者です。人がただただ死ぬということがないように、アンデッドにもまた、死んでしまった理由があります。彼らがなぜ死に、何を未練に思うのか。命ある者として、彼はどのように向き合うのでしょうか。注目していただければと思います。

《3:息づく世界》

ファンタジー小説、特に異世界小説と言えば、その世界も大事です!

とは言いましたが、この小説の世界設定はとくだん奇抜な點はありません。街並みは赤のとんがり屋、人々は洋服を著て、朝ごはんにパンを食べます。俗にいう、中世ヨーロッパ”風”の世界ですね。魔王と勇者というのも実にオーソドックスです。

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ただし、オーソドックスだからと言って、手抜きの薄味料理に仕立てたつもりはありません。じっくり煮込んで、それなりの味が染み出すまでぐつぐつしたつもりです。つまり、どうして魔王がいるのか?どうして勇者が必要なのか?勇者は誰が呼び出したのか?なぜ勇者は異世界から召喚されるのか?これらすべてに理由があり、答えは徐々に明らかになっていきます。

が、煮詰まるという言葉もあります。あまり煮込み過ぎては、しょっぱくてとても口にはあいません。

なぜ屋が赤いのか?に対して、「実はこの辺じゃ赤土が多く取れてのう、その赤土を車引きのジョーが町まで運んで、それを焼き屋のスミスが丹念にこさえておるのじゃ。そしたらそれを売り子のミアが」なんてことを延々やっていては、話が進みませんよね。あくまで重要なポイントを、あくまでさりげなくれられるように配慮しているつもりです。

あ、でももしがっつり読みたいよ、という方がいたら、章末のモンスター図鑑と用語辭典のご一読をおススメします(読まなくても全く問題はございません)。

《4:ハッピーエンド》

これはあくまで、雰囲気のお話になってはしまいますが……

この小説は主人公の能力の都合、どうしても死に関するお話が多くなります。死というものは得てして悲しいものであり、ハッピーなものではありません。ですが筆者は、ハッピーでないエンドはどうしても好きになれないのです。

もちろん、ハッピーエンドでない名作も數多く存在します。それを否定はしませんし、ネクロマンサーやアンデッドという単語からは、悲しい結末の方が連想されやすいことも承知しています。ただ、この小説の中に限っては、結末の明るい語に拘りたいのです。

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もしもビターやバッドを期待された方がいましたら、申し訳ありません。そういう場面がないわけではないですが、ご期待には添えないと存じます。

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【●主なキャラクター紹介】

※ここから先は、小説のネタバレになる部分があります。がっつりしたところは伏せますが、プレーンな狀態で小説を楽しみたい方は、ご注意を。

《西寺 桜下にしでら おうか》

主人公。十四歳。ネクロマンサー。

常にニット帽をかぶっており、片時も手放さない。もとはとても暗でネガティブな格だったが、異世界に召喚されたことをきっかけに吹っ切れ、以降は楽観的で明るい格になる。

普段は能天気だが、いざと言う時にはな思考力で仲間を導く。死霊ネクロマンス以外の能力は持たないが、その力は化けじみた強さ。

《アニ》

桜下の首に下がっている、自我を持つ魔法道。中的な聲で話す。自我字引エゴバイブルという、ガラスの鈴によく似た道で、勇者の証とも言われる。正式な名稱はビブリオ・ジ・アニマで、アニは桜下が勝手につけたあだ名。

《フランセス・ヴォルドゥール》

ゾンビ年十二歳。怪力と、猛毒の鉤爪を持つ。

長い銀髪と赤い瞳が特徴。年にそぐわない大人びた思考の持ち主で、時折場が凍り付くほどシビアな発言をする。桜下へのツッコミは容赦がない。

ただし、これには自分の死因となった過去の事件が関係しており、もともとは甘えん坊で寂しがりな格だった。主である桜下には、ときたまその頃の顔を見せる時がある。

《ウィル・O・ウォルポール》

幽霊シスター。年齢不明。炎の魔法を習得している。

金髪金眼のシスター。出るところが出たプロポーションだが、本人はウエストを気にしている。シスターらしく丁寧な口調で話すが、田舎育ちなので時折口の悪さが出てしまう。

孤児であり、いころに神殿に拾われ、そこで大きくなった過去を持つ。普段はしっかり者のお姉さんだが、心のどこかに、本當の家族のいない寂しさが刺さっているようだ。

《エラゼム・ブラッドジャマー》

首なし騎士。年四十五歳。達した剣技を誇る。

首のない鎧であり、はとうの昔に朽ち果てたため、中っていない。生真面目な格で、主にとことん盡くす忠臣。一方で堅であり、や下ネタにはとことん耐がない。

百年近く前の時代に沒したアンデッドであり、現代とのギャップに戸うことも。自分の未練がはっきりしており、當時仕えていた城主の行方を捜している。

《ライラ》

グールの。推定十歳。前代未聞の、炎、水、風、地の四屬魔法をることができる。

もさもさの赤が特徴。天真爛漫な格で、長く一人で暮らしていたのも相まって、誰に対しても偉そうな態度で接する。一方で歳相応にい部分もあり、一度信頼した相手には無邪気に懐く。

実は死亡しておらず、生きたまま死霊となった”半死霊”とでも言うべき特異な存在。天才的な魔の才能や、不明瞭な出生など、謎に包まれた部分が非常に多い。

《アルルカ・ミル・マルク・シュタイアー》

ヴァンパイア。推定百歳以上。氷魔法の早撃ちが得意。

つややかな黒髪と、ぶっとんだ格好が特徴。怪としての思考回路に完全に犯されており、倫理観は崩壊している。人間を家畜同然にしか思っていないが、桜下の能力の前には完敗を喫した。

自分第一主義であり、桜下にも嫌々従わさせられている。ただ、彼のの味には心底惚れこんでいるようだ。また、隠れドM疑が持ち上がっているが、本人は否定している。

《ロア・オウンシス・ギネンベルナ》

二の國の若き王。二十歳。

桜下を召喚した直屬の王。歳は若いが責任は人一倍強く、王としての責務を果たそうと日々闘している。一方で、若い自分を良く思わない層がいることも認識しており、その板挾みに苦しむ。

とある理由から、勇者を強く憎んでいる。だが桜下と出會ったことで、その考え方はしずつ変わりつつあるようだ。

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【●よく出る用語解説】

《勇者》

異世界から召喚される人たちの総稱。その使命は魔王を倒す事。高い能力と、何らかの強力な能力を有する。基本的に一國につき一人であり、年代はが多い。

《魔王》

勇者が倒すべき存在。魔王の國”ゲヘナ”に居を構える。人類に対して積極的な干渉はして來なかったが、沃な大地を獨占しているなどの理由から、人間に恨まれている。十年前に倒されたかと思われたが、突如として復活、現在に至る。

《三十三年戦爭》

人類対魔王の戦爭のこと。大陸歴333年から、三十三年続いて、ついに魔王を倒した……かに思われたが、魔王が復活したことで、三十”四”年目の戦いが現在まで続いている。勇者が投された初めての戦爭でもある。

《一、二、三の國》

大陸に存在する三大國家。勇者を召喚し、三國が同盟を組んで魔王と戦っている。

一の國”ライカニール”は魔王の國と隣接しているのもあって、軍備に力をれている。

二の國”ギネンベルナ”は自然資源が富なかな國。桜下が召喚されたのもここ。

三の國”アアルマート”は魔大國。資源に乏しく、魔しか主産業にできなかったという背景がある。

《勇者ファースト、セカンド、サード》

かつて存在した、強力な三人の勇者たち。全員すでに死亡している。

ファーストは一の國が召喚した。史上最強の勇者と呼ばれ、一度は魔王を倒したかに思えたが、その直後にセカンドに刺される。

セカンドは二の國が召喚した。史上最悪の勇者と呼ばれ、悪行のかぎりをつくした。ファーストを殺害したのち、サードと相討ちになる。

サードは三の國が召喚した。上記二人に比べるとぱっとはしなかったが、最期にセカンドを討って名を上げた。

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【●時系列まとめ表】

《329年:47年前》勇者召喚システムが完。初めての勇者召喚が行われる。

《333年:43年前》三十三年戦爭開幕。

そこからしばらくは、勇者をもってしても苦戦が続く。

《346年:30年前》勇者ファースト召喚。

《348年:28年前》勇者セカンド召喚。

《358年:18年前》勇者サード召喚。

《360年:16年前》魔王撃破。セカンドが裏切り、ファーストを殺害。

《361年:15年前》フラン、ライラが誕生。ウィルが神殿に拾われる。

《366年:10年前》セカンドとサードが相討ち。魔王復活。

《376年:現在》桜下召喚。本編スタート。

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【●各章のざっくりあらすじ】

小説の流れを何となく把握したい方向け。當然ネタバレになりますので、あしからず。

《0章:プロローグ》

主人公である桜下は、異世界に勇者として召喚された。

しかし、桜下の勇者としての能力は、邪悪とされ嫌われる「ネクロマンサー」。

その能力ゆえに、桜下は処刑されそうになるが、ネクロマンサーの力を駆使して出することに功する。

《1章:月の平原》

逃げびた先で、桜下は一人の老婆に出會う。

老婆の孫娘が行方不明になっていると知り、捜索を請け負う桜下。

呪われた森で、桜下は探し人であるフランセスと出會う。だがすでに彼は、ゾンビとなっていた。

フランセスがゾンビとなった裏には、村長の欺瞞と、忌むべき過去があった。戦いの末、桜下とフランセスは、村を離れることを決意する。

《2章:夜の友》

フランと共に次の村を訪れると、そこでは人狼狩りが行われていた。

二人の活躍もあり、無事に狩りは終わるものの、その夜に事件は起こる。

桜下たちが世話になっていた神殿のシスター・ウィルが、幽霊となってしまったのだ。

桜下は推理と探索の後に、彼の死の真相を明らかにする。

桜下は自分たちの目的を打ち明け、新たにウィルが仲間に加わったのだった。

《3章:銀の川》

桜下とフランとウィルの三人は、旅の途中で幽霊城のそばを通りかかる。

ウィルから城の噂を聞いた桜下は、好奇心から城へ向かうことにした。

廃城の中を探索するにつれ、慘劇の真実にたどり著く一行。そんな折、死してなお城を守り続ける騎士・エラゼムと戦になる。

辛くもエラゼムを倒した桜下たちは、かつてエラゼムの主であった霊から、彼を仲間にしてくれと頼まれる。

桜下はそれを承諾し、新たにエラゼムが仲間となった。四人は次の町、ラクーンを目指すのだった。

《4章:それぞれの明日》

若き王ロアは、桜下を取り逃した責任を問われていた。

王國の威信にかけて、易都市ラクーンにて桜下を捕えようと罠を張る。

対ネクロマンサー用の戦に苦戦する桜下たちだったが、それぞれのアンデッドたちの力を最大限活用することで、包囲網を突破することに功する。

しかし、自分が活躍できなかった事実に、桜下はさらに強くなることを決意するのだった。

《5章:幸せの形》

辛くも王國兵の包囲網を突破した桜下たちは、逃げた先でカッパのと出會う。

そのの依頼で、彼の親友である”ライラ”を探すため、桜下たちは寂れた山村を訪れる。

その村の不気味な雰囲気に、桜下たちは疑問をじつつも調査を進め、やがて村の真実に辿り著く。

ライラの家族の霊に頼まれ、彼を連れていくことを決意した桜下。新たに魔師の仲間が加わった。

だが一方、遠く離れた王都では、何やら不穏な空気が漂っていて……

《6章:風の守護する都》

逃走を続ける桜下たちは、旅先で出會った一の國の勇者クラークから、王都で反が起きたことを聞かされる。

ロアを憎らしく思いながらも、反の一因が自分にある事を気にした桜下は、王都へ向かう事を決意する。

一方、王都は危急存亡のときとなっていた。敵の策にはまったロアは絶絶命だったが、すんでのところで桜下たちが加勢する。

桜下たちの活躍により、反の危機は去った。ロアは桜下を改めて勇者として迎えようと提案するが、桜下はこれを拒絶。その代わりとして、ロアに取引を持ち掛ける。

から一夜明け、ロアは自分の言葉で、王都の民の信頼を取り戻すことに功した。その様子を見屆けた桜下は、また新たな旅路へ向かうのだった。

《7章:大役者》

北へと向かおうとした一行だったが、途中で進路変更を余儀なくされ、魔大國・三の國を目指すことにする。

三の國で観を楽しんでいると、謎の老人に聲を掛けられる。なんとその人は、三の國の大公・シリスだった。

シリスの策略によって、桜下たちは三の國の田舎町へヴァンパイア退治に向かう羽目になる。

町の予想だにしない闇を目の前にし、桜下たちは揺しながらも、全ての闇を晴らすことに功したのだった。

《8章:重なる魂》

三の國へと渡った桜下たちだったが、突如マスカレードの襲撃をける。

辛くも退けることに功するが、エラゼムの大剣にひびをれられてしまった。

修理のためにドワーフの坑道を目指すことにした一行だったが、些細なことからライラとすれ違いになってしまう。

桜下は隠し続けた心の傷を打ち明け、改めてライラと仲間との絆を確かなものにしたのだった。

《9章:金の朝》

エラゼムの剣の修理のために、北を目指す桜下たち。

しかし途中で、修理費がさっぱり足りていないことに気付く。

王都での仕事に四苦八苦しながらも、なんとか費用を捻出することができたが、その過程でウィルが心を病んでしまう。

悪霊になりかけたウィルの心の中に飛び込んだ桜下は、彼と一つの”約束”をすることで、心の闇を晴らしたのだった。

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以上で紹介を終わります。

できる限り分かりやすく書いたつもりですが……しでも桜下たちの冒険に興味を持っていただけたなら幸いです。

それでは、最新話でお會いできることを。

ありがとうございました。

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