聖剣が喜びを表してるかのようにを発する。俺はそれを見てこういうよ。

「お前はこの世界を守る義務なんてない筈だが……手を貸してくれるのか？」

前は聖剣と會話するなんて事はなかった。けど、何故か今は聞いてくれでる気がしたんだ。そしてそんな俺の言葉に応える様に、聖剣はを強めた。

「そうか、なら……これからも頼む！」

そういった瞬間、なにかズズズっとく気配がした。俺はそちらに聖剣を振るう。聖剣はそこまで大きな剣じゃない。普通サイズだ。綺麗な裝飾がされてて、一見品かと見まごうほどの見た目をしてる。けどその威力はそこらのぼんくらとは訳が違う。

一合打ち合っただけで折れてしまうような品ではないんだ。聖剣を振った軌跡にはの線が殘ってる。それにこの聖剣は刀以上を斬れる。いまだってそうだ。刀からかなり離れた所までを斬ったはずだ。でもはなかった。

「気のせい？　――いや！？」

俺は地面を蹴った。するとさっきまで居た場所の足下の煙というか靄と言うが拡散した。確実にいる。俺は今度は縦に聖剣を振るう。でも――

「やっばり何もがない？」

――聖剣から伝わってくるがない。でもこのタイミングでよけられるなんて筈はない。なら最初からそこには居なかった？　だが地面の低いところに広がってる靄はごまかせないはずだ。まあ移とかであの靄がいてるじはないんだが……だが攻撃のインパクトは隠せない様だし、確実に今のは當たってておかしくなかった。

「づっ！？」

背後から衝撃が襲ってきた。完全に意表を突かれた。俺はを回転させて上手く態勢を立て直して、近づく事無く聖剣を橫に振るう。がびてさっきまで自分がいた場所までも斬る。今のは予備作さえみえない早さだった筈だ。でもやっぱりはなかった。そして再び今度は側面から衝撃が襲ってくる。

「遠距離攻撃なのか？」

これだけ當たらないとなると、この攻撃をしてくる奴が全く別の場所にいることしか考えられない。俺は吹き飛びながら視線をかす。だが見えない。

（覚を研ぎ澄ませろ）

俺は目を閉じる。その瞬間、ゾクッとした。覚を広げた瞬間、ものすごく大量の気配をじたからだ。

（居る！？）

地面を埋め盡くしてそれはいる。じる……間違いない。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！」

俺はを回転させて全方位を切り裂いた。でもやっぱり斬ったはない。でも……居ることがわかる。大量に、周囲にいる。

（なんだ？　どういうことだ？　どうすればいい？　どうすれば……）

目の前の空間が揺らぐ。そしてそこに大きな目玉が現れた。そしてその目と目が合った瞬間、俺の全ては閉じられた。