《異世界でもプログラム》第十六話 年學校

結局、寮の中での”平穏”は訪れなかった。

ユリウスとクリスだけではなく、特待生クラス全員が引っ越してくるという狀態になってしまった。

ルグリタの教えなのか、ラウラとカウラは皆が引っ越してくるまでに、全部の部屋の掃除を見事に終わらせていた。

一部助けてもらったとは言っていたが、見事なだ。

俺達だけなら問題にはならなかったが、ユリウスとクリスが引っ越してくるとなると、學校の施設だとはいえ安全確認やら、いろいろ必要になってしまったようだ。

エヴァのお付きの者も居たが、エヴァが強固に拒否していた。

しかし、學生だけでは、食事も世話も困るという事になって、世話係が必要になってしまった。

その後どういう話し合いがされたのか理解できないが、ロミルダが寮母をやる事に決まった。

自分の宿屋は、娘夫婦が助けに來ているから大丈夫だという事だ。最初は、ユリウス付きのメイドやクリス付きのメイドが世話係を申し出たらしいが、それらをエヴァと同じ様に強固に拒否していた。

「お前たちが居たら、俺とクリスはいつまでも、家名を背負わなければならない。父上にも言ったが、學生の間は家名を外す。これは絶対條件だ!」

と、いう言葉が決め手になった。

ユリウス付きのメイド達が引き下がった事で、クリスや他の生徒付きのメイドも引き下がる必要が出てきてしまった。

Advertisement

そして、利害関係が一番ない。ロミルダに白羽の矢が立ったという事だが、果たしてそれは良かったのだろうか?

10名位の食事や洗濯なら一人で大丈夫という事だったのも決め手となった。

ラウラとカウラも手伝う事にはなったが、元々そういう教育をけているので、不満はなさそうだ。

年學校の授業は、午前中は座學を中心に行う。

座學も、歴史的な事は勿論、魔法學や算數の授業が多い。しかし、理科などはなさそうだ。

教科書というがないのも座學を難しくしている理由だろう。先生が來て、話をするだけの繰り返しになっている。

やはり、算數の績は、俺とラウラとカウラがトップになっている。

何度かミニテストの様なを行ったが、ラウラとカウラは計算するので、時間はかかるが、満點近い點數になっている。

晝ごはんを挾んで午後は、実技が多く組み込まれている。

育の授業だと思えばわかりやすい。

魔法の実踐練習や力を付けるための運が多くなっている。

魔法の方はいい。しかし、力付けがつまらない。

ただ走るだけの授業になっている。俺は、クラーラさんに散々やらされていたから、慣れてしまっているが、殆どの人間が簡単に飽きてしまう。

飽きてしまうと、サボりたくなってしまう。それでも走るのは、ユリウスが真剣に走っているからだ。

Advertisement

何をユリウスを、そこまで駆り立てているのか解らないが貪に何を求めているようだ。生き急いでいるようにも見えてしまう。

魔法の授業は、”楽しい”の一言だ。

まだ初歩の生活魔法にが生えた程度で誰でも使える魔法になっているが、応用を考えることが出來そうなじだ

魔法に関しては、以前から抱いていた予想通りの結果で間違いなさそうだ。

”火の霊よ”がクラス名の宣言で

その後、メソッドに関するプロパティを設定して、メソッドを呼び出す。その時に、メソッドによってプロパティが違っているようだが、存在しないプロパティを設定してもエラーにならない様だ。

存在しないプロパティの設定は、より多く詠唱する事になってしまうので、魔法発に時間がかかるというデメリットが発生するだけになる。

今習っている生活魔法ならそれでも問題はないが、戦闘時に使う魔法だと発速度は命取りになってしまいそうだが、教師曰く”対処”を行わせないためにも、ダミーの詠唱を組み込むのは當然の技法だと言っていた。

最初話を聞いた時には、魔法はインタプリタだと思っていたが、どうも違うようだ。逐次実行はされていない印象だ。逐次実行されているのなら、詠唱する事に意味が解釈されていく事になると思うが、メソッドを実行しただけでは魔法が発しなくて、明確な終了認識をしないと発しない事が解った。終了認識をした時に、設定している魔力が抜かれている印象をけるためだ。

Advertisement

複數の魔法の同時詠唱も方法は間違っていなかった。

いろいろ試してみたが、混ぜるというよりは、同時に二つの魔法を発しているにすぎない印象は変わらない。

座學と運と魔法の勉強で日々が費やされていく。まだまだ覚える事が多い日々が続いた。

あれだけ魔法を使っているのだから、加護も上がったのではないかと見たが、數値には変が見られない。どうも、ただ使えば良いというわけではなさそうだ。この辺りの事は授業でも教えてもらっていない。書を読んでも正解にはたどり著けていない。

焦っているわけでもないので、今は流れに任せる事にしている。

そんなじで、年學校での日々を過ごしている。

日本の小學校と同じかと思っていたが、遠足や運會といったイベントごとはなく、淡々と日々が流れていく。

學校から帰って來て、夕ご飯を食べてくつろぐのが定番になっている。用事がない者は、寢るまでの時間食堂でくつろぐ事が多い。

くつろぎながら、授業で解らない所を教えあったり、魔法実習の確認を行ったりしている。

「アル。おまえ、休みはどうするのだ?」

そう、來週から學校は休みになる。

「今回は、帰らないで、學校に殘ろうと思っている。帰省も”ただ”じゃないからな」

「おまえ。そうか・・・。アルが殘るのなら、俺も殘るか・・・クリスはどうする?」

「ん。ユリウス様が殘るのなら、私も殘りますわ」

そんな事を話していたら、結局エヴァ以外の全員が寮に殘る事になった。

エヴァは、式典があるので帰らなければならないのだと言っていた。式典が終わったらすぐに帰ってくると話していた。ここでの生活が気にってくれているのだろう。

エヴァが寮から実家に帰ってから數日が経った。

寮では変わらない日々が流れていた。

「アル様」

「ん?」

「本當に良かったのですか?」

「なにが?」

「いえ、エルマール様も、アトリア様も、ユリアンネ様も、お待ちになっていると思います」

「そうだね。冬には帰ろうとは思うけど、今回はこっちの生活に”なれる”のが先だ」

「・・・解りました」

「ラウラは帰りたかったの?」

「いえ、私は、アル様の従者です」

「・・・そう。うん。でも、家には手紙を書いておくよ。無事な事位は伝えておかないとね」

「はい。解りました」

ラウラが部屋から出ていったのを確認して手紙を書くことにした。

容はお決まりの事だが、今日は晝間に見つけた”ぬいぐるみ”を一緒にユリアンネに送る事にしている。

勉強が忙しい事にして帰らない事への謝罪の意味もある。

手紙を書き終えて、ラウラを呼ぶとすぐに部屋にってきて、手紙をけ取って、明日手紙を出しに行ってくるという事だ。カウラと二人で行くように申し付けて、今日は早々に寢る事にした。

寢る前に、ステータスを確認する事にした。

名前:アルノルト・フォン・ライムバッハ

[異世界日本語変換:1.00]

[鑑定:2.76]

魔法制:2.99

霊の加護

 地の加護:0.45

 火の加護:0.98

 [水の加護:0.37]

 木の加護:0.25

 風の加護:0.65

 [闇の加護:0.13]

 [の加護:0.20]

 武の加護

剣の加護:0.95

 [守の加護]

いいじではあると思うけどな。

他の奴らの數値を聞いた事がないからな。自分がどのくらいなのか判斷出來ない。魔法制は間違いなくトップクラスだろうとは思っている。

そうだ。

ラウラが水差しを置いておいてくれたのだったな。

ベッドサイドにある水差しに手をのばす。ステータスプレートに手がれてしまったが、気にしないでそのままにして戻すと、ステータスプレートが橫にすこしずれたじがした。

え?

もしかして・・・。

ステータスプレートをフリックするように。かした。

プレートが移して、何も表示されない狀態になった。

そうか、アリーダが言っていたのは、こういう事なのか”俺なら解る”と言うことが理解出來た。これが、俺だけに出來る事なのか、それとも、萬人に出來る事なのかの確認をしないとならない。

簡易的に、畫面と考えると、今は、3枚出ているようだ。

二枚目と三枚目には何の報も表示されていない。ステータス報が出ている部分を長押しして、移するようにかしたら、移できた。

インターフェースは、まんまスマホなのだろうか?

そうしたら、アプリを作ってインストールしたり出來たりしないのか?

そもそも、何かっていないのか?

それから、ステータスプレートと格闘してみたが、何も発生しない。

諦めて、寢ようと思った時に、一つだけ試していない事があったのを思いついた。

”火の霊よ。1の魔力にて、ステータスプレートに集え”

何も発生しない。

やはりダメか・・・。

詠唱でどうにかなるようなでもないのだろうか?

そもそも、ステータスプレートってどういう仕組だ?

今まで考えなかったが、”ステータスオープン”がメソッドなのは解るけど、クラスの宣言がない事から、クラス宣言を省略しても仕える”命令”なのかも知れない。

他にも、どんながあるのか、調べたい。そう言えば、子供の時(今も十分子供だけど)から使っている”調べる”もメソッドだけだ。何か因果関係が有るのかもしれない。

この日は、そのまま寢る事にした。

朝になって、學校に向かった。

顧問をしてくれている、クヌート先生の所に向かった。

先生はすぐに見つかった。

「先生。すこしお聞きしたい事があります。」

「はい。なんでしょう?」

「ステータスプレートの事なのですが、これは”霊の加護”が関係しているとは授業で習ったのですが、同じ”霊の加護”である魔法とは違いますよね?」

「違うとは?」

「はい。上手く説明できるかわからないのですが、火の魔法を使う時には、”火の霊よ”と呼びかけますよね?でも、ステータスプレートを出す時には、”ステータスオープン”だけで終わりです。何か、理由があるのでしょうか?」

「アルノルト君。なんで、それを不思議に思うのですか?」

「先生。質問しているのは私ですが・・・。えぇと、不思議に思うことですか?幾つかありますが、一番は父から聞いた話しでは、ステータスプレートは”加護”がなければ開くことが出來ないと聞きました。その上で、魔法を使う時には、”魔法を使う為の詠唱”が必要になっています。しかし、ステータスオープンにはそれがありません。それが不思議なのです」

先生は何か考え込んでしまった。

そんなに難しいことなのか?

基底クラスやインクルードされているから宣言の必要がないのかと思ったのだけれど・・・。違ったか?

「アルノルト君。もしかして、魔法制1.00を越えましたか?」

「え?あっはい。先日、1.00を越えました」

「そうですか・・・まだ先だと思っていましたが、さすがですね」

「それで・・・」

「あぁごめん。ごめん。君への答え何だけどね。答えは、”僕達にも解らない”が答えになってしまうのだよ」

「え?そうなのですか?」

「うん。幾つかの仮説があるのだけどね。”霊神”の加護で初めて使えるようになるから、”霊神よ”と付けるのが本當だと言う説が有力かな・・・」

「そうだったのですね。それと、なんで俺が1.00を越えたと思ったのですか?」

やはり、”霊神”が基底クラスなのだろう。だから、宣言しなくても使えるのだろう。そうすると、”霊神”クラスには他にも何かメソッドやプロパティがあるのかもしれない。

一つ疑問が溶けると、また疑問が湧いてくる。

「ステータスプレートに興味が出てくるのは、大抵1.00を越えた位なのですよ」

「そうなのですか?」

「えぇそうですね。こんなに早く1.00を越えた子は今まで居なかったのですけどね」

「え?本當ですか?」

なくても、私は知りません。どんなに早い子でも、年學校の卒業までに1.00を越えたら天才と言われますからね」

「え?そうなのですか・・・。あっ先生。ステータスプレートでもう一つ聞きたい事があるのですが・・・」

「あっ二枚目のプレートですか?」

「え?あっそうです。なんか、きそうだったので、でるようにしたら、急に消えてしまって、慌てたのですが、あれは何なのですか?」

「う~ん。これも、正直”解っていない”が正直なじですよ」

「え?そうなのですか?」

「えぇ魔法制に連していると言う事と、鑑定スキルを持っている者が何か出來るという噂はありますが、実証出來た話しは聞かないですね」

「え?鑑定持ち・・・」

「えぇそうです。アルノルト君は、鑑定スキルがあるのですか?」

「いえ。そうではないのですが、鑑定持ちとどういう関係があるのかと思いまして・・・」

また先生が何やら考え込んでしまった。

「あっそう言えば、以前に発掘された魔道でステータスプレートになんか違った表示をさせる事が出來ると、ライムバッハ卿から聞きましたね」

「そうなのですか・・・。それを確認する方法は、何かあるのですか」

「うん。失われた技だから、なかなか研究も進んでいないのだけどね。ライムバッハ卿なら何かご存知なのかもしれませんが、かのお人は研究をあまりしていませんからね」

「そうですか、解りました。ありがとうございます」

「うん。何か解ったら、君にも教えてあげるよ。だから、君は研究所の皆にも教えてあげてね。あと、君も何かわかりそうな時には、僕に知らせてくださいね」

「あっわかりました」

暗に父に話を聞いてしいと言っているように思える。

今度出す手紙で聞いてみるか・・・。

學校の図書館にある蔵書を調べても、ステータスプレートや”霊神”に関しての細かい報を見つける事が出來ないでいた。

長期休みも、調べと魔法鍛錬や力づくりで潰れていった。

実家に送った手紙の返事が屆いたのは、休みが終わりに近づいたときだった。

懐かしい父の字を読んだ。挨拶や実家も変わりがない事が書かれていた。

そして、お金で困ったら、ロミルダを頼れと書かれていた。今はお金に困っていないので、心のメモにそう殘しておく。

最後の一枚は、はっきりとなんて書いてあるのか解らない手紙だった。

”ユリアンネ”が書いたとだけ記されていた。ぬいぐるみっぽい絵が書かれている事から、お禮をいいたいのだろう。大事に保管する事にした。

エヴァが帰って來て、僕達はまた日常に戻った。

日常が戻った事で、俺も、ステータスプレートの検証や父が知っているであろう事を聞くのをすっかり忘れてしまっていた。

そして、次の休みを越えて何度の休みを繰り返して、俺達は、次の休みを超えると、中等部に上がる事になる。

その前に、中等部にる為のテストが実施されるらしい。

・一般常識・算數(四則演算/図形問題)・魔法學

が、対象になるらしい。

ここでも、魔法力の選考はされるが學の合否には関係ないという事だ。年學校の6年になってくると、殆どの授業が、中等部への試対策になっている。

多くの貴族は、中等部から編してくると言っていた。皇太孫や辺境伯の娘の様に奇特な者も居ないわけではないが(俺もそうだけど)貴族は家で家庭教師を付けて勉強するのだそうだ。

俺は、わがままを言って年學校にったが、妹は年學校には來ないで、中等部から王都に來る事になっている。

妹とは、年に數回しか會えないが、本當に可くなった。一度、ユリアンネが研究所に遊びに來た時に、俺がエヴァの髪のが綺麗だと言っていた事を聞きつけて、自分もばすと言い出した。

それはそれでいいのだが、何かとエヴァに対抗心を持っているようだ。

ラウラがこっそりと教えてくれたのだが、”お兄ちゃんを取られる”と思っているらしい。そんな可い妹にぬいぐるみのお土産を毎回買っていたのだが、最近は嬉しいのか嬉しくないのか解らないような対応をされてしまう。しっかりけ取ってくれるから間違いではないと思いたい。

の子の気持ちは、昔からよくわからない。

    人が読んでいる<異世界でもプログラム>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください