《異世界でもプログラム》第二十一話 エヴァの事
し落ち著きを取り戻した。
クリスが、ユリウスを連れ戻すと言っていたので、食堂に移した。
軽く食事をしながら話をする事になった。
そこで、ラウラとカウラの話を簡単にしてから、エヴァの話を聞く事になった。
俺の話は、”ライムバッハ”を名乗るが、學校での呼び名は、変わるかも知れないが、他は何も変わらない事を確認した。
できたら、學校でも・・・特待生クラスだけでも、アルノルト様とか呼ばないでしいと伝えた。今まで通りに呼んでしいと伝えた。クリスは笑っていたが、改めるつもりはないだろう。そのほかは了承してくれた。それだけでも俺としてはすごく嬉しい。
ロミルダが軽食を用意して、ラウラとカウラが手伝っている。
準備が終わったので、所定の席に座った。最初は、適當だった席順も、徐々に固定されて、今の形に落ち著いた。
一番奧に、ギード。その橫に、ユリウス→クリス→ハンス。と並ぶ、正面には、奧からカウラ→俺→ラウラで、橫にエヴァが座る。エヴァンの橫に、イレーネが座って、ハンスの橫にギルが座る並びだ。
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ザシャとディアナ、イレーネの隣に並んで座る事になった。
なんか、俺の座っている方だけ、子率が高いように思えるが気にしたら”負け”だと思っている。
軽い食事を取ってから、エヴァの話を聞くことになった。
なお、ユリウスは部屋にこもって、イライラしていたので、下で行われている事に、一切気がついていなかった”らしい”。しかし、”知らない事”が、噓である事がすぐに解ってしまう。
ゆっくりとした口調でエヴァは語りだした
「騒がしてしまった事・・・謝罪致します」
「それはいいわよ。相手が悪いのでしょ」
「・・・・はい。ボニート・ルベルティは、”元”許嫁になります。二人についていた人間は、軍の者だと思いますが、見たことがない顔ですのでわかりません」
なぜか、エヴァは”元”を強調する。
「ボニート・ルベルティ!?」
「クリス。どうした。彼は有名人なのか?」
「なっアルノルト様。ルベティ家ですよ。えぇぇぇぇ?なぜですの?ユリウス様はご存知のはずですわよ?ね?ギードもハンスも?そうそう、ギルベルト様はご存知ですわよね?」
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「しらん」「聞いたことない」「う~ん。さすがにね・・・知っている」
俺とユリウスが知らない事に愕然として、ギードもハンスも何も言わない。ユリウスが知らないと答えたから、知っているとは言いにくかったのかもしれない。
ギルは商家の息子だけあって知っているようだ。
「はぁ・・・アルノルト様はともかく、ユリウス様は何度かお會いしていると思いますわよ」
「あんな糞ガキしらん」
「糞ガキって、帝國の公爵家後継ぎ・・・それも、5大公の筆頭家なのですわよ」
「そんな事しらん。無禮者には、糞ガキで十分だ」
「あぁぁぁルベルティって、あのルベルティなのか?」
「アル様はお気づきになりましわね」
「そうだな。思い出さないほうが良かったかもしれないが・・・な」
帝國。アーベントロートの西側に位置する國で、武闘派の言葉通り、軍備一辺倒な國だ。帝國には、5つの公爵家がある。皇帝は、この5大公の中から選ばれる事になっている”らしい”。
エヴァの名前の響きから、帝國の人間である事はすぐに解ったが、そんな名家とのつながりがある事から、教會の上層部に連なるものなのだろう。
「エヴァンジェリーナ様。彼とのつながりは解りましたが、彼は何しにアーベントロート王國に來たのですか?」
「えっあっはい」
「エヴァ。話の流れから、彼は、君を連れ戻しに來たのだろう?」
助け舟を出す事にした、このままでは、クリスが尋問しているようになってしまう。
クリスが、こちらを”ジトッ”と見ているが今回は無視させてもらう。エヴァは、明らかにホッとしている。
「あっそうです。私の事もしお話しておきます。私は、教會の関係者だという事は本當の事です。そして、エヴァンジェリーナ・スカットーラも、ある意味本當の事ですが、正式には、エヴァンジェリーナ・スカットーラ・ギヴァルシェといいます」
「え?ギヴァルシェ?」
「クリス。何か知っているのか?」
「・・・はぁ本當に、アルノルト様とユリウス様は・・・。ギルベルトは流石ですね」
「そりゃ知らないほうがびっくりですよ。ギヴァルシェ家は、現皇王の姓だよな?」
「流石です。はい。そのギヴァルシェ家です。でも、私は、継承権も無ければ、庶子です。それで、こちらでは母親の姓を名乗らせてもらっているのです」
「へぇそうだったのね。エヴァンジェリーナ様。それで、その貴か、隣國とは言え、あまり仲が良くない王國にきているのかしら?」
「・・・。あの・・・。いえ・・・」
「クリス!エヴァ。話せないのなら、話さなくていい。そして、もし話したとしても、ここだけの話にする。いいよな。ユリウス。クリスもいいよな?」
「あぁ。エヴァ安心しろ。俺が保証する。ここに居る者で、今からエヴァが話すことは口外する事は許さん。いいな」「はい。はい。なんか、私が悪者みたいね。いいわよ」
「ありがとうございます」
「うん。エヴァ。それで、逃げてきたって雰囲気でも無いけど・・・」
「あっそれは大丈夫です。ボニート様が私の”元”許嫁だって事は、先程話した通りです」
「エヴァ。そんなに、”元”を強調しなくてもいいよ。」
「え・・あっはい。アルノルト様」
なぜか、エヴァは俯いてしまった。
そして、クリスがニヤニヤ笑っている。まぁいい。
「それで、”元”許嫁殿はなんで、エヴァに帰ってきてほしいのだ?」
「本當は、私は年學校だけの予定でした。しかし、私がこの學校での生活が気にって、父にその旨を伝えたら、好きなだけ、學校に通ってよいと言われました」
「へぇいいお父様なのだね」
「・・・はい!」
「それで?」
「父が、筋を通す意味で、陛下にお願いする必要があると言われて、先日帰った時に、陛下にお伝えしてきました」
「え?そうなの?よく許可したね」
「あっそれは、しっかりお話をしました」
何か思い出したのか、俯いて耳をし赤くしている。何か、恥ずかしい事でも有って思い出してしまったのだろう。
「エヴァ。それで?」
「あっボニート様は、向上心がある人で、自分の力を強めたいようなのです」
「・・・そうなの?」
「はい。それで、皆さんには話した事がなかったのですが、私がけている加護なのですが、””なのです」
「え?”の加護”。それって本當なの?」
「クリス。失禮だろう。すまん」
「いえ。ユリウス様。ありがとうございます。し見てください」
そう言って、エヴァは自分の指をしだけ傷つけて
”の霊よ。魔力5にて、我の指先の怪我を治して”
エヴァが詠唱を終わらせると、指先がしだけって、先程付けた傷が癒された。
「・・・」「・・・」
そうか、の魔法はそういうじで”やる詠唱”のだな。後で試そう。
「あっさっきの糞ガキは、エヴァの力がしいのだな?」
「ユリウス。表現をし考えたほうがいいだろうな。でも、言葉は悪いけど、そういう事なのだろう?」
「え?あっそうです。私が、年學校にったのは、あちらに居場所がなかったからです」
「あぁそうか・・・”元”許嫁殿は、エヴァが、年學校に上がる前に婚姻の解消を言ってきたのだな。エヴァに、使いみちがないと判斷して・・・」
「そうです。アルノルト様」
「アル。どういう事だ。それじゃおかしいだろう。あの糞ガキは、エヴァの”の加護”者としての力がしいのだろう?解消などおかしいだろう?」
「ユリウス様。違います。時系列で考えれば、アルノルト様がおしゃったとおりです」
「時系列?」
そう、多分産まれたばかりの頃。教會の有力者とのつなぎの意味もあり、ボニートとエヴァの婚姻が決定された。これは、公爵家と教會の利害の一致だったのだろう。しかし、年齢的に釣り合うのが、庶子である”エヴァ”だけであったのだろう。それでも、婚約がされた。もっと條件がいい娘が生まれれば、解消して改めて婚約すればいい程度のものだったのだろう。
それで、年學校にあがる前だろうから、エヴァが5歳とかの年齢の時に、新たに娘が産まれたのだろう。それで婚約を破棄されたのだろう。
エヴァはそれまでは、公爵家に嫁ぐ者としての待遇から、一転厄介者になってしまったのだろう。それで、父親が留學の話を持ってきたというところかな?
そして、留學先で、エヴァは”の加護”を得ている事が解った。そして、魔法力もかなりある事も判明してしまった。教會関係者と名乗りながら、なかなか帰省しなかったのにも何か理由があったとは思っていたが、そういう事だったのだろう。
エヴァは、帰省の度に教會で治療をけ持っていたのだと話した。あぁそれが儀式だったのだろう。それに、教會が匿している”魔法”を習得するという目的もあった。
無事、初級の”魔法”を習得したエヴァは、改めて、父親皇王と一緒に、皇帝に留學の許可を求めた。皇帝も、魔法の有用は理解しているが、珍しいと言うだけで居ないわけではない。それに、エヴァは、以外の加護は得られなかったと言っている。その為に、皇帝としては、有益な人材であるけど、無理をしてまでしい人材ではない。教會も、定期的に帰ってくる事が條件ながら許可を出した。
教會としては、確かに帝國は大切だが、西方教會はアーベントロート王國にも存在する。そういう意味では、エヴァの留學に口をはさむ事はなかったようだ。
そして、ボニートは”逃した魚は大きかった”ではないが、個人で、それも妻が”の加護”持ちというメリットを手放してしまった事にある。エヴァの話を聞くと、どうもそれはルベルティ家全の話ではなく、ボニートが言い出した事らしい。
ボニートには弟が居て、教會とルベルティ家では、改めて、その弟とエヴァの腹違いの妹と婚約をさせるつもりでいた。しかし、ボニートは、婚姻を解消して、妹との婚姻をむような、わがままを言いだしたのだ。
「それであの糞ガキは、エヴァを連れ戻しに來たという事か?」
「えっあ。そうなります」
「そうそう、俺が聞いた話では、エヴァの妹さんは、加護がもらえなかったって話で、容姿も、エヴァの1/10だって話だよ」
「ギル。おまえ、知っていたな?」
「え?何のことだ?アル。人聞きが悪いな」
どうやら、ギルベルトが今まで驚いていたのは演技なのだろう。
どこまで調べているのかは解らないがかなりの部分まで調べているのだろう。今度、じっくりと話を聞くことにしよう。そう言えば、シュロート商會にも次のアイディアを渡して、この辺りの事を話してみてもいいかもしれないな。ライムバッハ家とは違う報網を持つのは悪い事じゃないだろうからな。商人の報網なら違った視點が見えてくるかも知れないからな。
それにしても、エヴァの1/10って表現はどうなのだろう。確かに、エヴァは可いと思う。
でも、俺の中では・・・
”ユリアンネ>>>>>>ラウラ・カウラ>(越えられない壁)>ザシャ・イレーネ>エヴァ>ディアナ>>>>>>クリス”だ。クリスは、格面が大きくマイナスになっている。容姿の意味では、問題はないが、彼や妻には絶対にできない。”したいとは思えない”辺りで、じてしい。
エヴァの方を向き直して、バカな考えを頭から振り払った
「まぁいい。これで筋道がわかった。エヴァ。これからどうするか・・・だ!」
「アルノルト様。これからですか?」
「あぁエヴァが、話してくれた以上。俺は、全面的に、エヴァを守ろうと思うが、それでいいか?」
「え?あっ・・・でも・・・。ご迷を・・・」
「エヴァ。俺も、アルと同じ考えだ。年學校からの付き合いで、おまえの事もよくわかっている。俺は、おまえも親友だと思っている。それだけでは、理由にならないか?」
「ユリウス様もアルノルト様も、エヴァンジェリーナ様のお気持ちを確認しないとダメですわよ」
視線がエヴァに集中する。
「私は、ここに、アルノルト様やユリウス様と一緒に勉強生活して居たいです」
「うん。それなら、そうなるようにこう」
「でも、ご迷では?」
「友達が困っているのに、迷なんて思わないよ。ユリウスが言ったように、俺も、エヴァの事は親友だと思っているよ」
「アルノルト様(親友なのですね・・・)」
「はい。はい。それじゃいろいろ考えないとね」
どうやらこれからは、クリスが仕切るようだ。
ギルには、帝國のきや教會との関係を調べるように依頼した。寮の周辺に怪しい者が居たりしないかの調査は、ギードとハンスが行う事になった。
來たばかりで事があまり飲み込めていない二人には、クリスとイレーネが付いて學校や寮の事を、教える事になった。
俺に與えられた役目は、學校への行き帰りを、エヴァと一緒に居て、ボニートから守る事になった。ラウラとカウラにはし離れた所で、警戒にあたるようにと指示が出された。
翌日から中等部の生活が始まる。
波な中等部にならなければいいな。年學校のときの様に、ちょっとしたイベント位で終わってくれないかな・・・。
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