《異世界でもプログラム》第四十二話 エヴァの葛藤

/*** エヴァンジェリーナ・スカットーラ Side ***/

朝起きたときに、しパニックになってしまった。

隣で、アルノルト様が眠っている。私は、アルノルト様の服を摑んで眠ってしまったようだ。一緒に寢たのだろう。私にも、知識はある。自分の服裝のれが無いことを確認してしまった。

安心したが、しだけ殘念に思えてくる・・・が、そういう事は、意識がある時にしてほしいと考えてしまって、が暑くなってしまった。しっかり掛かっていた布団がし暑くじて、上半に掛かっている布団をどけた。

どうしよう。先に起きようか?でも、こんなチャンスは二度と無いかも知れない。もうしだけ、もうしだけ、ユリアンネ様。ラウラ、カウラ、しだけ本當にしだけ、私に、アルノルト様をお貸しください。今だけ、アルノルト様を獨り占めさせてください。

アルノルト様の背中。

これに多くの者が期待して、多くの者がこの背中を追った。私が知らないだけで、アルノルト様は沢山の人から尊敬されている。悪く言う人も確かにいらしゃった。恵まれているだけだと・・・。でも、私は、私たちは知っている。アルノルト様が、夜遅くまで、勉學に勵んでいたことを、新しい事をやろうとされていた事を、ラウラやカウラをそして、私たちにいろいろ教えるために、もっとわかりやすい方法はないかと考えてくださった事を・・・。

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その努力を見ないで、悪くいう人は同じ事をやってから言ってほしいとさえ思ってしまう。

これから、どうされるのだろうか?冒険者になるとは聞かされている。ダンジョン攻略をするとおっしゃっていた。

私は、アルノルト様を支えると決めた。私を帝國の教會から救い出してくれた。ううん。違う。私は、アルノルト様に命を救われた。私だけではない。母も救われたのだ。きっかけを作ってくださったのは、アルノルト様なのだ。

背中に、顔を押し當てて、もうしだけアルノルト様をじていたい。

今日だけ、今だけは、許してください。

また、眠ってしまったのだろう。

今、聲をあげないでいた自分を褒めてあげたい。

アルノルト様が起きられたようだ。一緒に目を覚ませばよかったのだが、服をしっかり握ってしまっている。仰向けになって、アルノルト様の服を引っ張ってしまっていた。恥ずかしい。耳が赤くなるのが解る。でも、なんとかねたふりができたと思う。

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しかし、その瞬間、アルノルト様がを起こされた。

そして、こともあろうか、私のの上に手を置かれてしまった。どうしよう。すごく恥ずかしい。恥ずかしいけど、すごく嬉しい。もしかしたら、アルノルト様が私を求めていらっしゃるのかも知れない。かさずにじっとねたふりをしている。

どのくらい時間が経ったのだろうか、心臓の音が大きくなるのが解る。でも、それが、自分の心臓の音なのか、から伝わる。アルノルト様の手の暖かさなのか、手から伝わる心音なのかわからない。

あっダメ!手をかさないで・・・。

”あっあん”

聲が出てしまった。だって、アルノルト様が、敏な部分をられて、手をかされてしまった。

普段なら、を押さえる布を巻いているのですが、寢る時なので、お母さまが外してくれたのでしょう。それも有って、直接アルノルト様をじてしまっています。

聲が聞かれてしまった。

それから、し経ってから手をどかされました。ほっとしてしましたが、どかさなくても良かったのに・・・と、理不盡な思いが有ったのは緒です。

アルノルト様は、その後上著をがれて、私に布団をかけてくださりました。

寢たフリをしているのが恥ずかしくなって、アルノルト様の服を巻き込むように、丸くなって布団にくるまってしまった。子供っぽいきで、アルノルト様に嫌われなければいいな。

でも、この勢は失敗でした。

アルノルト様の服を抱きかかえる格好になってしまったので、今まで以上にアルノルト様をじてしまいます。後ろから抱きついて居るような覚になってしまいます。このまま、何時間でもこうしていたいと思えてきます。

しかし、そういうわけにはいかないようです。

アルノルト様が部屋を退出されてから、すぐに、お母さまに起こされました。

「エヴァンジェリーナ様。エヴァンジェリーナ様。シンイチ様が、お買いに行くそうです。起きていたら、一緒に行こうとおいでございます」

「起きます!」

アルノルト様とのお買い

起きないわけがありません。それに、多分、近日中に、アルノルト様は王都を立たれます。最初は、ライムバッハ領に向かうのでしょう。私もライムバッハ領までは、ご一緒できますが、その後、ユリアンネ様とラウラとカウラが眠るこの場所をお守りするために戻ってくる事になり、アルノルト様とご一緒できません。

そう言えば、先程、お母さまは、私の事を、”エヴァンジェリーナ様・”と呼んだ。そして、アルノルト様の事を、冒険者の名前である、”シンイチ様”と呼んだ。お母さまも決めたのでしょう。

ま・だ・、私は、アルノルト様に將來の事を求められていません。お母さまが逃げ道は塞いだと言っていましたが、アルノルト様なら、そのくらいなんとでもしてしまうでしょう。

「それなら、早くお起きになってください。新しい下著も用意しております。お著替えになってから、キッチンスペースにおいでください」

「はい。わかりました」

こういう時のお母さまは迫力があります。

下手に言い訳しないで従ったほうがいいのです。下著は、枕元に用意されています。著ていた服をいで、下著を換します。今につけている下著は・・・ダメです。自分でもわかります、絶対にアルノルト様にお見せするわけにはいきません。はしたないの子だと思われたくありません。ですので、著ていた服に包んでしっかり隠します。後でこっそりと洗うことを心に決めました。

新しい服も用意されていたので、それを著ます。

そして、言われた通り、キッチンスペースにむかいます。

アルノルト様が朝食をご所だとい事で、作ったを持っていくように言われました。通常のお屋敷でしたら、メイドが持っていくのですが、ここは寢所です。家族だけしかることができない場所なのです。したがって、私が持っていって、アルノルト様がおけ取りになれば、家族として認めていただいた事になるのです。アルノルト様は、そんな事は考えないでしょうが、お母さま以外で、ここに派遣されている協會関係者には、その様に見えることでしょう。ちなみに、飲みはお母さまが、お聲がけしてアルノルト様がけ取られたようです。

朝ごはんをけ取って、アルノルト様の下にむかいます。

扉を開けると、こちらを優しい目つきで見てくれています。今は、私だけを見てくれています。心臓が跳ねるのがわかります。

アルノルト様に、朝食を渡して、アルノルト様の正面に座ります。拒否されませんでした。

息を大きく吸い込んでから

「ごめんなさい」

何が正しいのかわかりません。

でも、謝罪の言葉しか出てきません

「ん?」

アルノルト様を混させてしまいました。

「いえ、先に寢たのに、起きるのが遅くなってしまって・・・そのそれだけじゃなくて、アルの服を・・・その、ごめんなさい」

言い訳しないと、きっと変なの子だと思われてしまう。

でも、言い訳が言い訳にならなくなってしまった。

「あぁいいよ気にしないよ。それに、俺に付き合ってくれたのだろう、ありがとう。エヴァ」

ありがとう?

私、アルノルト様の服の匂いが・・ダメ、絶対に変な子だと思われちゃう。

「・・・・あの?怒っていませんか?」

「ん?怒らないよ。ありがたいとは思っているよ。ユリアンネ、ラウラ、カウラの事を大切に思ってくれていたのだろう?」

え?

そうだけど・・・あっアルノルト様は、昨日のエールの事をおっしゃっているのか?

「・・・いえ、私は・・・えっあ」

「いいよ。エヴァ。そうだ、今日、買いに行きたいけど、付き合ってくれるか?」

「え?あっもちろんです。あっアルの服。私が抱きしめちゃって・・・その・・・」

私の臭が付いちゃっているかも知れない。

どうしよう・・・。臭くないかな?

「ん?よだれとか垂らしたりしてなければ、大丈夫だよ」

「!!ひどい。よだれなんて出ていません!ちょっと抱きしめちゃっただけです!」

酷いです。

でも、嬉しい。アルノルト様の自然な笑顔が見れました。

それも、私にだけ向けてくれた笑顔です。これだけで、全て許せてしまいます。

でも、でも、った事や、私がアルノルト様の・・・ううん。だめ思い出しちゃダメ。またしてほしくなってしまう。

「いいよ。持ってきてくれている?」

「はい!あのぉアル?また・・・ううん。なんでもない!はい。これ!」

服はもちろん持ってきています。

しっかり汚れがない事を確認して、折りたたんであります。

服をアルノルト様をお渡し親します。

アルノルト様が、そのまま服を羽織られました。

匂いに関して、なにか言ってくれるかと思ったのですが、殘念です。普通にされています。

「エヴァ」

「はひ!?」

考え事をしていたら、聲が裏返ってしまいました。

「エヴァも乾いているだろう。昨日、遅くまで付き合ってくれたのだろうからな」

「はい。でも大丈夫です」

実際には、先程、お水を頂いています。

「そうか?」

なにか、考えていらっしゃいます。

それなら・・・。

「はい。しだけいただければ・・・」

「そうか?あぁこれでいいか?」

アルノルト様が先程まで飲んでいらしたコップです。

いいのですか?私がそれを頂いても?

「え?よろしいのですか?」

「あぁエヴァが問題なければいいぞ?」

問題!?

有るわけがありません。アルノルト様からいただくものです。嬉しい以外有るはずがありません

「ありがとうございます。いただきます」

アルノルト様が口を付けられた場所がわかって、恥ずかしさから、一気に飲んでしまいました。

「エヴァ」

あぁもうなくなってしまった。

なくなったコップに口づけするわけにもいかないので、コップを眺めていました。

「はっはい!」

今度は、裏返ることなく返事ができました。

「エヴァ。エヴァは、教會所屬なんだよな?」

え?

私は、教會関係で洗禮をうけていますが、所屬ではありません。

どうしましょう。

もしかしたら、アルノルト様は・・・でも、正直に答えるしかありません。

「・・・いえ、聖職者ではありません。洗禮をうけただけです」

「そうなのか?」

「はい。もうしわけありません」

「ん?謝る必要はないと思うぞ、それに、エヴァはエヴァだろう?」

え?聖職者じゃなくてもいいのですか?

私は私?

「え?あっそうですけど・・・聖職者だと思われて、私に・・・」

「ん?あぁ違う違う。俺は、エヴァにお願いしたかった。それに、顔も知らない聖職者よりも、俺はエヴァの方を信用しているし、頼りにしているぞ。それじゃダメなのか?」

え?

私だから・・・なのですか?信用して、頼りにしている。この言葉だけで・・・。

「いえ・・・嬉しいです!すごく嬉しいです」

「うん。そうだ、それを聞きたかったわけじゃない。エヴァ。商人ギルドや冒険者ギルドへの登録は問題ないのか?」

問題は無いはずです。

聖職者なら別ですが、洗禮をうけただけの人間なら、冒険者ギルドでも、商人ギルドでも、登録できます。

「問題ないです。でも、私なんかが登録してよろしいのですか?」

「うーん。どうだろうな。問題ないと思うぞ。でも、エヴァのスキルだと、いろんな所から勧がうるさそうだな。そうだ、俺とパーティー組んでおくか?俺も、暫くはソロでの活になるだろうし、ちょうどいい。エヴァに問題なければそうしよう」

え?私とパーティー?

嬉しすぎて聲がでない。離れるので、なにか繋がりになるようなをいただこうかと思っていたのですが、何よりも嬉しいお話です。

その後、朝食を食べてから、アルノルト様は、お母さまに確認されています。

お母さまは、その話を聞いて、私の顔をじっくりと見ます。すごく、すごく、恥ずかしいです。心の奧を読まれているようなじがします。是非という言葉で、許可を出してくれた。

私とアルノルト様は、そのまま、冒険者ギルドにむかいました。

アルノルト・フォン・ライムバッハではなく、シンイチ・アル・マナベの登録があるので、そちらでパーティーを組むことになります。

そして気になるのが、登録のために訪れた、両ギルドですが、ただの新人のの子を登録するだけのために、ギルド長の部屋に呼ばれるのは、神衛生上よろしくない。アルノルト様は、しお話をしてくるという事でしたので、私は下の付で、新人として登録する事にしました。

その時に、私の事を知っていた、冒険者ギルドのギルド長から、”エヴァンジェリーナ・スカットーラ”ではなく、違うなめで登録してしいという事だ。私の名前は、王都では、”聖”の名前と一緒に広まってしまっています。そのために、シンイチ・アル・マナベのパーティーメンバーとして登録しても、面倒な勧は減らないだろうという事だ。

偽名で登録する事になったのが、家名は自分で決めるからと言って、名前をアルノルト様につけていただく事にしました。

アルノルト様は、新しい私に”レイ”という名前を付けてくれました。

今日から、私は”レイ・エヴァ・マナベ”です。”シンイチ・アル・マナベ”の冒険者パーティーの一員です。

アルノルト様に名前の報告をします。どんな顔をされるか楽しみです。

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