《異世界でもプログラム》第三章 ダンジョン 第四十三話 旅立ち

/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/

「アル。先に行くな!」

ユリウスが仕切っているが

「クリス。クヌート先生お願いします」

「もちろん」

「えぇ任せてください」

ユリウスが、俺の肩を摑むが、払いのけさせてもらう。

「アル。お前!」

「そうだ、ハンス。ギード。頼むな。道中、魔は出ないとは思うけど、これだけの隊列だ。野黨が襲ってこないとは限らない」

「アル。安心しろよ。俺が仕切ってやるからな!」

冒険者組合に、護衛任務の依頼を出した。

ほぼ名指しの依頼で、イーヴォさんは快く引きけてくれた。よほど、ステータス袋が嬉しかったのだろう。普段使っている荷袋とは別に、腰にぶら下げられるようになっている。

隊列の護衛は、イーヴォさんがけ持ってくれている。

も野黨も心配はなさそうだ。

ステータス袋に関しては、あれから、俺もし実験したのだ。じつは、袋がなくても出來る事が解った。

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簡易的に袋の方がわかりやすいから、袋になっているだけだ。

エヴァに協力してもらって、いくつか検証してみた。

昔は、ラウラかカウラが協力してくれたのだが、今はできないので、エヴァが名乗り出てくれた。時々、イレーネやザシャも手伝ってくれる。

それで解った事なのだが、ステータス袋は、袋でなくても大丈夫だ。

そして、取り出しにも便利な機能があった。

”xxx。我の前に顕現せよ”で取り出す事が出來る。

この時に、ステータス袋の名前を詠唱する必要がある。複數ある場合には、個數を明言しないと、全部出てきてしまう。指定場所を言葉で続けると、その場所に出現するが、視認できない場所は、出せない。

針などの小さいを、ステータス袋にれてから、管の中や心臓の中といった場所に出現させたらえげつない結果になると思って、森の中にって魔で実験したのだができなかった。

そのかわり、巖をステータス袋にれて、頭上にだせとかはできた。”視認”も見えれば大丈夫というものでは無いようだ。これは、継続調査中だ。

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これには、ザシャもびっくりしていた。

今まで、こんな使い方をした者は見たことがないという事だ。

あと、結界の中に出すとかもできないようだ。

中にっている形狀が解っているは、方向の指定も出來る。剣をいきなり取り出して握る事も練習次第で出來るようになりそうだ。魔相手では意味がないトリックだが、対人で考えると意味が出てきそうだ。武の持ち替えができれば戦略の幅も出てくる。要練習だが面白い。

そして、定番通り、生きているは保存できないようだ。

袋がなくてもできると言ったのは、取り出す方法があるのなら、格納する方法もあるだろうと思って探していた結果見つける事ができた。

”格納”

っているのなら、これだけで格納出來る。言葉だけで発はしなかった。イメージをして、っているものが、ステータス袋に格納されるイメージを持たないで格納されない。

遠距離での格納は、魔力の消費が激しいので、りながらおこなうのが良さそうだ。

ステータス袋からステータス袋への移も両者が認めれば出來る事も解った。

こんな検証実験を行っていると、ユリウス達の出立する日になっていた。

「ユリウス。教會の洗禮が終わったら、ライムバッハ領に向かう。そんなに遅くならないと思うが、準備任せてしまって悪いな」

「気にするな。それに、準備と言っても、ライムバッハ家の人間がやると言っているからな」

「そうか、それなら良かった」

じっさい、葬儀の準備は終わっているらしい。

あとは、教會との調整や、ユリウス達の到著を待って執り行われるという事だ。

俺の到著は待たなくて良いと言っている。カールがいれば執り行う事が出來るだろう。俺が居て、なんで俺が・・・とか言われても困ってしまう。そのためにも、俺は居ないほうがいいのかも知れない。

全員と握手をわす。

そして、カールの事を頼む。

「アル。行ってしまいましたね」

「あぁでも、すぐに會えるよ。それよりも、エヴァは一緒にいかなくてよかったのか?」

「はい。わたしは出來る限り、アルの側に居ます!」

「え?あっそう・・・そうだ、エヴァ。教會への訪問っていつにしたらいい?」

「あっ母・・・いえ、オルタンスが手配しています」

なにか、言われたのだろう、母親の事を、名前で呼び捨てにしている。

多分突っ込んだら負けだが・・・もう解っている。解っているが、今、それを認める事はできない。

「どうしたの?アル?」

これがあざとい。

絶対に、わざとではなく、天然の行だが、下から覗き込むように見上げる視線は、とてつもなく可いのだ。

「いや、なんでもない。エヴァが可いなと思っただけだよ」

そして、しだけ意地悪してみたくなる。

「え・・あっ・・・な・・・へ?ありがとうございます」

耳まで赤くして、お禮を言うのも可い。

「わかった、それじゃオルタンスに聞けば解るよな?」

「はい!」

オルタンスに確認したら、明日ならいつでも大丈夫という事だ。

晝過ぎに教會に行く事にした。

「エヴァ。今日はどうする?」

「アルはどうするのですか?」

「あぁ昨日の続きをやろうかと思っている」

「それなら、私も手伝います」

今、俺が実験しているのは、常駐型魔法と魔法の配置に関してだ。

加護が高ければ、インターセプトが出來る。これは、なんとなく理解できる。優先度の話だろう。

それなら、逆に優先度を落とせば、魔力を抑えた形で、永続実行出來るのではないか?

ステータスシートからの魔法発が出來る事は確認できている。

エヴァに、俺が作った魔法を渡す事も出來る。実行はできなかった。イメージができないのか、魔力が足りないのか、加護が低いからなのかはわからない。ザシャとイレーネにも付き合ってもらったが、結果は同じだ。

そこで、今度は、常駐型の魔法が作れないかと思った。

あと、加護が無い時に、なんとか魔法を発する方法をさがしたい。”アーティファクト”には、加護がなくても、魔法が使えるがあるという事なので、方法は有るのだろう。

そこで、思いついたのが、ステータスシートかそれに類するへの配置だ。

ステータスシートへの配置はできたが、イメージが足りないのか、魔力が足りないのか、加護が無いとダメなのかわからないが発しない。

それは、もう一つの方法となる。ヒントはあった。アンデッドを倒す時に、”核”を壊す。これは一般的な事だ。

そして、魔にも同じ様に、”核”を持っている場合がある。ギルにお願いして、この核をいくつか取り寄せてもらった。何に使うのか、問い詰められたが、今の所はうまくいくのかわからないので、にしておいた。

ギルは、自分の親父に言って、魔の核の買い占めに走っているようだ。うまく言ったら、大儲けだけど、そう行くとは限らない。

常駐魔法自は、それほど難しくなかった。

常駐型として思いつくのは、結界や魔法剣があげられる。その両方共、詠唱はほぼ同じだ。時間の指定ができないものかと思って実験してみた。結論は、”出來る”だ。

”繰り返す”と”if《もし”が使える事は解っている。

これらを組み合わせる事で、常駐型の魔法が作れた。自分で使っている時には気が付かなかったが、イレーネが実験してもらった時には、魔力切れを起こしてしまった。そのために、今は、魔力を抑える方法を研究している。

それに、魔の核・・・魔核が使えないか試している。アンデットが、この核でいているのは有名な事だ。それなら、なんでこの核でく事が出來るのか?俺は、これは魔力の塊ではないかと思っている。

なので、魔にも備わっているのだと思った。そのために、この魔核に魔法が配置できないかと考えている。

プログラムのセットアップと同じ考えだ。

あぁ話はそれるが、ステータスシートで魔法を実行する時に、魔法からメッセージを送る事が出來る事も解った

”誰かが近づいたら、誰か著たと表示せよ”だ。これは、ステータスシートに配置した時にしか有効いならない。

普通に詠唱しても、誰かが近づいてきても何も表示されない。しかし、配置してから実行する事で、メッセージが頭の中に表示される。

デバッグが出來るので、すごく便利だ。

配置の編集もできるので、これで、魔法開発がかなり楽になっている。

魔核への配置は、いろいろ試してみているが、まだ功していない。

「ねぇアル?」

「ん?なに?」

「聖魔法なんだけどね。教えられた通りに、配置しても、すぐに消えちゃうのよ?」

「え?どんな詠唱?」

エヴァが言っているのは、問題なく配置出來るだ。

何かが曖昧だったりすると、配置できない事がある。その狀態に似ている。

原因は解った。配置の問題ではなく、魔法自にあった。通常の魔法では、それでいいのかも知れないが、配置する場合には、イメージも大ジアが、曖昧な部分をなくす方がだいじなのだ。そのために、多長いと思っても、しっかり詠唱sる方がいい。

霊よ。我アルノルトが命じる。アルノルトがれし者の、傷を癒せ”

で、配置が出來る。これを、

霊よ。我アルノルトが命じる。かの者を癒せ”

だと、むさんしてしまう。誰を治すのかわからないからだ。ここに名前をれてしまえば、ワンメイク魔法にはなるが、霧散はしない。エヴァも、この詠唱なら霧散しない事を確認した。

「ねぇアル?」

「ん?」

「魔核への配置だけど、ステータス袋の中ではできないの?」

「え?」

「だって、常駐型魔法の時にも詠唱だとうまくいかなくて、ステータス袋の中ならうまくできたよね。今ま見ていると、アルがやっている方法だと、普通に魔法が発してしまうよね?」

「え?あぁそうか、ありがとう。やってみるよ!」

言われてみれば単純な事だ。

エヴァが言うように、ステータス袋の中に魔核をれて、常駐型魔法を配置する事に功した。

これで、魔法の可能が広がった。

「ありがとう。エヴァ!」

嬉しくて、エヴァを抱きしめてしまった。

「アル!」

「え?あっごめん」

「ううん。いい・・・いきなりだったから、驚いただけ・・・です」

エヴァが赤くなるのを見て、俺まで恥ずかしくなりそうだ。

正面から抱きしめてしまったから、らかさをダイレクトにじてしまった。

次は、配置の削除が出來るのか・・・だけど、これは問題なく実行できた。

配置した魔核を鑑定したら、殘と數字が出るようになった。もしかしたら、配置した魔法を使う事で、減っているのなら、魔核の魔力の殘量を示している可能が高い。効率がいい魔法にしないと、魔核がいきなり魔力がなくなってしまうということだな。

何個か、魔法を試していると、殘量90%となっていた。%表示だと、どの程度なのか判斷できない。どこかで、數値の標準化をしないとならないだろう。

魔核間の連ができなかと考えた。同じステータス袋で処理した場合には、魔核同士の認識は出來るようだ。

さて、以前から作りたかったを作ろう。

まずは、コンロだ。

コンロ自は、かまどがあるので、火が出る魔核を作る事にした。

付與するのは、火の加護だ。火の加護を持っていない。エヴァがいるので実験には丁度いい。

れたら、火魔法が発する。次にるまで、火魔法を使い続ける。

火力のUIは後で考えよう。

次に、消し方だが、もう1つの魔核にると、火魔法のキャンセルが実行される。

これだけのだが、プログラムを作っているようで楽しくなってしまった。

あまり、詰め込みすぎると、魔核の魔力が一気になくなってしまう。そして、魔核もあまり使う事ができない。コスト面でだ。

ガスコンロではなく、魔力コンロの出來上がりだ!

売り込みは、ギルの実家に持っていく。周りは、その時に説明して作ってもらえばいい。同じものを、ギルから渡された魔核全部に作っておく、配置もステータス袋のなかでやっているのですごく楽に行う事が出來る。

さて、明日洗禮をうけた後で、シュロート商會に寄ろう!

反応が楽しみだ。

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