《異世界でもプログラム》第五十話 冒険者ギルド
/*** シンイチ・アル・マナベ Side ***/
アルに案されてった宿屋はお世辭にも綺麗とは言えなかったが、宿屋で間違いが無いようだ。
「ナベさん!」
「あぁすまん。それで?」
宿の仕組みを聞いた、一泊3,000ワト。銀貨3枚だ。
ダンジョンの探索をしている時には無駄にならないように荷の預かりだけをしてくれるサービスもあるようだ。宿が信頼できると思ったら頼んでもいいかも知れない。俺には、ステータス袋があるから荷を全部持っていく事もできるけど、カモフラージュには丁度いいかも知れない。
いろいろ考えたが、とりあえず1泊分の銀貨3枚を支払う。
便利だったのが、ギルドカードがあれば連攜している宿屋なら、そこから支払う事ができるよだ。手持ちがあったので、銀貨3枚を払って、アルには大銅貨1枚をチップで渡した。100ワト相當だけど、案してくれた駄賃だ。
「いいのか?」
「あぁ案してくれたからな」
「ありがとう!」
いそいそと大銅貨をしまっている。チップは店側で沒収するのではなくもらった者が懐にれていいようだ。
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それだけでも、この宿屋が従業員を大切に扱っているのが解る。使用しても良さそうだ。
アルが部屋に案してくれる。さっきのチップのお禮だそうだ。
部屋は3階の階段を上がってすぐの場所になるようだ。一人部屋だがなかなか広い。シャワーや風呂はなく、お湯がった樽が一つで500ワトだと言われた。トイレは、階ごとに共用のトイレがあるだけだ。
食事は、1階の食堂で取ることができる。
宿泊客は1食500ワトで食べられるという事だ。
あと、娼館から嬢を呼ぶときには別途大銀貨一枚が必要になるという事だ。それは必要ないとだけは告げておく。
「アル。悪いけど、冒険者ギルドの場所を教えてくれ」
大銅貨を一枚指で弾いて、渡す。
「おっと!すぐでよければ案するよ」
「そうか、頼むな」
「わかった!」
アルに連れられて、宿を出る。
宿から冒険者ギルドまでは、し距離がある。冒険者ギルドはダンジョンのり口近くにあるからだと言っていた。
ウーレンフートは、街としての門は一つしか無い。
そのかわりに街の中に更に石壁が築かれていて、その中にダンジョンのり口がある。り口近くに、冒険者ギルドがあって、ダンジョンの管理をライムバッハ家から委託されてやっている。
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石壁の中にも、店舗はあるが、冒険者向けの商品を売っていたり、ダンジョンから持ち帰ったの買い取りをおこなうだけで、宿屋などは無いのだと説明された。
ダンジョンのり口が石壁で覆われているのは、ダンジョンが數百年に一度スタンピードを起こすそうだ。その時に、できるだけ街に被害が出ないように、食い止めるための処置なのだ。
「ナベさん。ここが冒険者ギルドだよ」
「ありがとうな」
「もう潛るの?」
「いや、今日は登録申請だけで、明日以降だな潛るとしても」
「そうか!それなら、今日は宿でご飯?」
「あぁそのつもりだ。アル。伝言頼めるか?」
「もちろん!」
アルは、俺の言葉を聞いて、宿の方に走っていった。
冒険者ギルドにる事にする。
王都にあった所と作りは変わらないようだ。付の數がし多いのだろう。
付でギルドカードを提出する。
転屬の手続きをしなければならない。必要は無いのだが、王都のギルド長からの頼みで、俺がどこに居るのか解るようにするためにできるだけ転屬申請をしてしいと言われている。
ギルドでなにか”あの方”に関する報がわかった時に伝えやすいようにするためだ。
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エヴァやユリウス・・・特にギル・・・からも居場所がわかるようにしてしいと言われている。
付は混んでいなかった。時間的に空いているのかもしれない。
空いている場所で手続きをお願いした。
見た目も年齢もまだまだ若手で冒険者になりたてなのだろうと思っていた俺が、緑のギルドカードを出した事に付はしばかりびっくりしていたが、すぐに表を戻した。名前から貴族ではないと判斷したようだが、それでも貴族の関係者かも知れないと思ったのかも知れない。
今の俺は、緑のギルドカードだ、いわゆるランク9になっている。王都での仕事が終わった後でギルドランクを上げると言われた。拒否しても良かったのだが、上がって面倒になるのは上位ランカーになってからだ。
ランク9なら多目立つ位で終わるだろうし、いろいろ便利になるだろうと判斷してける事にした。
転屬の手続きはすぐに終わった。
なにか簡単にできる依頼がないか掲示板を見るが、一日程度で終わる簡単なものはもう既に誰かがけてしまっているようだ。
しょうがないので、街中をふらついてみる事にした。
ギルドを出ようとした時に、先程付してくれたお姉さんが聲をかけてきた
「シンイチ・アル・マナベ様」
「ん?なに?」
「王都冒険者ギルド所屬のイーヴォ様から言付けがあります」
「え?あっありがとう・・・で、どうしたらいい?」
「こちらで手続きをいたします。しばらくお待ち下さい」
「わかった。ありがとう」
先程座っていた場所に移した。
5分位してから、奧に引っ込んでいたお姉さんが出てきた。
「どうしますか?」
「申し訳ない。こういうのは初めてで、どうしたらいいのかわかりません」
「失禮致しました」
失敗したって顔をしているから、俺がわからない事を思い出したのだろう。
でも、確かに緑カードを持っている冒険者としては経験はないよな。依頼だって、數件しかけていないからな。やった事が大きかったって事もあるのだろうし、何かしらの忖度が働いたのかも知れないけど、もうしいろいろ聞かないとダメかもしれないな。
お姉さんが説明してくれた所だと、言付けるが有る場合には、文字が読めない事も考慮して読み上げる事もできるのだと説明された。その場合は場所を移して、遮音結界を発させてからになるから他の誰かに聞かれる事は無いとの事だ。
俺は文字も読めるので問題ないと話したら、羊皮紙に書き出して渡してくれるということだ。その場合には、500ワトの手數料が必要だと言われた。
500ワトを渡した。チップは必要ないという事だ。
書き出しに時間がかかるという事なので、その間ギルドの規約なんかが解るがあれば読みたいと伝えた所、二階に書類がまとまっていると教えられた。
イーヴォからの言付けが書き出されたら二階に持ってきてもらう事にした。
二階は、簡単な食事ができるスペースと多分パーティーの面談とかが行われるのだろう。ちょっとしたスペースがある。
本棚があって規約だけではなく、ダンジョンの報や魔の報なんかもまとめられていた。
規約に関しては・・・ゴメン。正直面倒だ。依頼のけ方とか、報告の仕方だけを読んでおく。後は、問題になりそうな罰則規定とランキングに関してを斜め読みする。
罰則規定は基本的に”他人に迷をかけない”を守ればいいようだ。
ギルドの建での魔法の使用や武を使っての喧嘩。相手を故意に怪我させる行為の止などだ。ダンジョンも似たようなだな。オンラインゲームと同じ様なじだと考えればいいようだ。
魔は最初に攻撃したパーティーに権利があり、戦っているパーティーからの救援要請が無い限り手出しはマナー違反。ドロップアイテムは最終攻撃者に権利があり、最終攻撃パーティーが取得する権利がある。
それ以外にもマナーに関する事が書かれていた。斜め読みだけど、ここだけはしっかりとおぼえておこう。
いざこざは嫌だからな。
次にギルドランキングだけどこれは王都でも軽く説明をけている。
ランキングは、カードので識別される。登録時は12位で黒。階位が上がる事にギルドカードの変わっていく。
黒(12)→黒(11)→黒(10)→緑(9)→黃(8)→青(7)→赤(6)→紫(5)→茶(4)→銅(3)→銀(2)→金(1)→白(0)
黒は見習いとされて、緑でやっと一人前だとみなされる。
俺の年齢で緑になれるのは珍しいとされている。俺くらいの年齢では、黒(10)で優秀だと判斷されるらしい。
もちろん抜け道もある。一部の貴族が、茶や紫の冒険者パーティーに子息をれて依頼を達させる。短時間で、ランキングが上がっていく事になる。
ランキングが総てではないが目安程度にはなるので、カードのは覚えておこうと思う。
次はダンジョンの事が書かれている書だ。だが、思った以上に報がない。
30階層のボス部屋前までで攻略が止まっている。
ボスを突破できないのだ。
低階層は、踏破宣言が出されているが、10階層以下になると、下層に向かう道は発見されているが、不確定要素も多くなっているようだ。20階層以降はほとんど報が無いのも同じ狀態になっている。
今潛っているパーティーで1番攻略が進んでいる・・・レイドのようだけど、4つのパーティーが先行しているようだ。
それでも、26階層で足止めされているようだ。26階層に出てくる魔が理攻撃が効きにくいので、魔法使いが対処する事になるが、魔法職を連続で酷使しなければならないので、確保した橋頭堡を維持するのがやっとの狀態のようだ。
低階層・・・10階層までの地図は、ギルドに言えば買えるらしい。
一度潛ってみてから決めればいいと安易に考えておこう。
「マナベ様」
「ありがとう」
イーヴォからの言付けが屆いた。
付にお禮を言ってギルドを出た。ギルドからし離れた所で、ギルドの二階で読んでいけばよかったと思い至ったが、今更戻るのもかっこ悪いから、宿に戻って読むことにした。
宿に著くと、夕飯はまだ先だと言われた。食事の支度ができたらアルに向かわせると言われた。
問題ないと答えて鍵をけ取って部屋に向かう。
部屋にって、イーヴォからの言付けを読む。
”マナベ殿”
そんな書き出しはいらないのだけどな。
”これを読んでいるという事は、無事ウーレンフートに到著したことだろう。け取ったら、俺に通知が來るから、そうしたら、嫁さん報告しておいてやる”
生存確認にもなっているのだな。
それにしても嫁さん・・って、ギル辺りが喋ったのだろうか?違うな。イーヴォもあの屋敷に居たのだから知っていても不思議はないな。別に隠していないから問題はない。
”俺は一度王都に戻ってから、ライムバッハ領に移する。お前さんが作ってくれたを便利に使わせてもらっている。嫁さんを無事に王都に屆けたら一度連絡をれる”
これで終わっていた。
明日にでもギルドに言って、イーヴォ宛に連絡をれておくか・・・。エヴァの無事も確認したいからな。
読み終えて、ステータス袋の中に仕舞った所で、ドアがノックされた。
食事の準備ができたようだ。早いとは思ったけど、今日は早々に寢てしまって、明日朝早くから探索に出かけようと思う。一日でどこまで潛られるかわからないけど、今後の目安にはなるだろう。
武は二本の刀で十分だし、防は・・・まぁ今のままで行ってみてヤバそうなら考えればいいかな。
結界も発させるから大丈夫であってしい。結界が破られないと思えばし位の無茶ができるだろう。
食堂に降りると、アルが席まで案してくれた。チップを渡すとすごく嬉しそうにしていた。
「そうだ。アル。明日だけど、晝飯を頼めるか?」
「晝飯?」
そうだった。
俺たちは普通に三食にしていたが、二食が一般的だった。
「あ!悪い。忘れてくれ、それよりも、パンを買える所はあるか?」
「パンなら、ここでも買えるよ?」
固いパンだろうけど、いいかな・・・ダンジョンに潛っている最中に食べる者だからな。
軽く炙れば食べられるからな。
「大きさはどのくらいだ?」
「あっちょっとまって!食事ができたから持ってくる!」
「そうだったな。頼む」
コッペパンくらいだろうか?
パンが二つと、スープと料理が付いている。値段の割にボリュームがある。
パンは思っていた以上に固くなかった。十分味しく食べられる。
「にいちゃん。そのパンだよ?」
「そうか、このパンなら、3つ・・・いや、4つ位しいかな。加工とか頼めるのか?」
「え?加工?ゴメン。わからないから、親父さん呼んでくる」
「あっ悪いけど頼めるか?急いでいないから、後でいいぞ!」
「わかった!」
アルは奧にっていった。
食事を食べ終わった位で、アルが親父さんを連れてきた。
「お前か?なにか頼みたいのだろう?」
「あ!そうです。パンですが、明日4つほど売っていただきたいのですが、その時に・・・」
簡単にホットドックの様にしてもらいたい旨を告げた。
真ん中に切れ目をれて、焼いたを挾んでもらう。マスタードが有るらしいので、ソースとマスタードをし塗ってもらう。ソーセージらしきもあるというので、それも挾んでもらう。ケチャップは殘念ながら無いらしいので、今後挑戦してみようと思った。ソーセージにも今日の料理にも使われていたソースとマスタードをかけてもらう事にした。
「わかったが、どんながいいのかわからないから、とりあえず作ってみる。お前。まだ食べられるだろう?」
「え?あっ大丈夫です。アルに食べさせてもいいですよね?」
「えぇぇぇおいら?まかないがなくなっちゃう」
「親父さん。アルの分は俺が払いますからいいですよね?」
「そうだな。とりあえず作ってみる」
そういって、親父さんは奧に引っ込んでいった。
10分位してからパンに切れ目をれて中にを挾んだを持ってきてくれた。
うんうん。これなら、ダンジョンで食べても大丈夫!
「こんなんでいいのか?」
「えぇ上出來です!こんな風に食べないのですか?」
「あぁパンはスープに付けて食べるからな。切れ目をれて軽く炙っただけで食べる事はないからな」
「そうですか・・・試しに食べてみて下さい」
親父さんがナイフで切り分けてくれる。
俺も一口食べた。
やっぱりフランスパンとまでは行かないけど、こういうパンは料理を挾むと味しい。パンがやソースを吸い込むからパンも味しくなるし、食べやすい。片手で食べるのに丁度いい。
「ほぉ・・・うまいな」
「にいちゃん。これ味しい!親父さん。おいら、これがいい!」
アルの奴も気にったようだ。
値付けは親父さんにまかせて、俺は明日4つパン・・・ホットドックもどきを頼む事にした。
朝早くでも大丈夫という事なので、日の出位にけ取れるようにお願いした。
今日は部屋に戻って寢る事にしよう。
明日、冒険者ギルドに寄って、イーヴォにエヴァへの伝言を頼めばいいよな。
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