《異世界でもプログラム》第五十五話 模擬戦(後編)?

”鉄壁のダーリオが負けた”とか冒険者や”なんたらの牙”から聞こえてくる。

そうか、こいつ”二つ名”持ちだったのだな。

「どうする?もう一度やるか?」

「勘弁してくれ、腕がもう使いにならない」

「そうか、それなら、端で見ていろ」

「そうさせてもらう。あぁ俺も奴隷かぁ・・・。いい人に買ってもらわないと・・・な!」

俺をそこで見るな。

思考が読まれたようで気持ちが悪い。

必要だと思えば殘しておけばいいし、邪魔だと思えば売ってしまえばいい。訓練相手として殘したい気持ちはあるが、考えを聞いてみないと判斷できない。

盾の加護を持っていて、メインとして盾を使っている奴は初めて見た。訓練として相手をして貰えばいろいろ學べる事も多いだろう。

ダーリオは、足を引きずりながら闘技場の壁際に寄りかかって模擬戦を観戦するようだ。

「オークもどき。次は、お前が出てくるか?相手してやるぞ?」

「ふっふざけるな!」

「はい。はい。それで?次は?」

「アンチェ。ヤンチェ。ハンフダ。ハンネス」

「4人ですか?倍率は4倍でいいですか?」

「俺たち(私たち)に勝てるつもりなのか?」

見事な同調だな。

アンチェとヤンチェはでハンフダとハンネスは男。顔が似ているじから、雙子?四つ子?まぁ縁者である事は間違いなさそうだ。

「やれるな!」

「ランドルの旦那。本當に、こいつに勝ったら、我らを奴隷から開放してくれるので、間違い無いのでしょう?」

「あぁしっかり約束通りにできたらな」

こりゃぁ約束をどうとでもとれる形で言って、最初から條件を守るつもりが無いやつの答え方だな。

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奴隷にはなっているが、戦闘奴隷という所かな?

「ティネケの為に、お前には悪いが負けてもらう」

「はい。はい。それで、倍率はいいのですね?」

 

グスタフがうなずくから問題ないとしよう。どうせ、もう払えないだろうから、誤差の範疇だろう。

ん?ティネケ?だれそれ・・・まぁ後で話を聞けばわかるか・・・。

話している最中に、鑑定を発して加護を見る。

槍の加護や剣の加護があるのか・・・。

そうか!

ダーリオがタンクをして、この4人がそれぞれの武で攻撃をするのがこのパーティーの戦い方なのか?

やっぱりオークもどきは馬鹿だな。ダーリオのときに一緒に出せば勝機が有ったかもしれないのに、何を考えているのか?

それに、魔法系の加護が無い事から、別に後方からの援護を行う奴等が居るのだろう。

最初に倒したしょぼい魔法の奴等か?支援系が居なかったと思うけどな?

魔法袋から、刀をもう一本取り出して二刀流にする。

多角攻撃を行う魔との演習には丁度いいだろう。アイツらにはまだまだ及ばない。思考加速を緩めて、強化だけで乗り切る事にする。

4方向からの同時攻撃。獲も違うし、狙いも違う。

これは捌くのは厄介かもしれない。足を狙ってきた槍を弾いて、他の攻撃は躱す。

距離を取って、今度はこっちから突っ込む。

うまいな。

正面に一人立って、抑えながら上と左右からの攻撃か。

ダーリオをれての訓練をやってみたくなるな。

こいつらも買いだな。

悠長にやっていてもしょうがない。一気に終わらせよう。

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もう一度距離を取るふりをして、バックステップからのショルダーアタック。そのまま首筋に蹴りをれて意識を狩る。一人が居なくなれば、後は脆い。抜けたを埋めるきをしているが、崩れた連攜を取り戻せないまま全員が地面に倒れた。

オークもどきが何かパーティーメンバーに話している。

「次!」

「マナベ殿。一旦休憩されてはどうですか?」

グスタフが割り込んでくるが、ここで休憩を取るほうが問題だ、何か仕掛けを用意する時間を與えるのも得策ではない。

「いい。まだ疲れていないし、さっさと終わらせる」

「貴様!いい気になるなよ。終わらせるだと!貴様を殺してこんな茶番を早々に終わらせてやる」

「茶番?それはこちらのセリフですよ。この程度が、ウーレンフートのトップだったとは殘念でならない。強者は居るようだけど、それだけですね。トップが馬鹿だと、こんなにも弱兵になるといういい見本ですね」

「なぁァァにィィィぃ。俺が馬鹿だと言いたいのか?」

「はぁ?今、そこ?もういいですよ。次を早くしてください」

「くっいいだろう!おい!早く終わらせたいのだろう。だったらこれでも文句はないな!?」

お!しは考えたようだ。

客席で薄ら笑いを浮かべていた5人が居なくなっている。

逃げたのか?違うな。闘技場に降りてきている。オークもどきの側に來て何やら話している。

一人は”鑑定”を持っているようだな。俺の事を調べていたのか?まぁいい。隠蔽がどこまで聞いているのか確認する意味でも嬉しい流れだ。

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闘技場にる前に、火の加護を除く加護は隠蔽してある。奴等がそれを見て、どう言うのかが楽しみだ。

「いいですよ。12名ですか?最初からそうしたら、もうしは楽しめたかもしれないのですけどね」

ダーリオ以外は全員が奴隷だったのか?もしかしたら、ダーリオも奴隷だったのかもしれない。

他のパーティーから引き抜く時に奴隷として縛ったのか?

ギルドマスターが仲間に居れば何でもできそうだな。適當な依頼を偽造して、引き抜きたい奴が居るパーティーにけさせて依頼達ができなかった時に、罰則で奴隷落ちとかやっていそうだな。終わったら、グスタフが調べるだろうから、結果だけでも教えてもらう事にしよう。

今度は、バランスがいいようだな。

”フロアボスと対峙するつもりでやれ”とか理不盡な指示が飛んでいるが、それならそれで楽しんでいいよな。

魔法を使わないでどこまでできるかやってみるのもいいだろう。

今度は、支援系の魔法が使える者も居るようだ。

タンク役も居るようだが、ダーリオほどの技能を持っているようには見えない。

楽に排除できそうだ。

タンクが居なくなれば、剣士を各個撃破するのも容易だが、ちまちまとうるさく魔法を放ってくる者から排除していく事にする。

飛んできた魔法を避けて、魔法を放って次の詠唱を始めた者から倒していく。

殺さないようにする手加減の方が難しい。

支援系を潰して、遠距離攻撃を仕掛けてくる弓使いや魔法師を潰す。

あとは、剣や槍の加護を持つ者たちだが、支援系が潰された事や、遠距離攻撃組が為すもなく無力化されてしまった事から、かなり揺している。

の前であんなに揺したら一気にやられてしまうとは思うけど、もう全滅と言ってもいいくらいにやられているのだし、命は取られないという安心があるのか、殘った5人で突っ込んできた。

すでに趨勢は決まっている。いくら、こちらが一人でも武と防の違いもある上に加護の違いが大きい。

対人戦闘で一番役に立つのは思考加速のようだ。もっともっと磨きを賭けないと奴クラーラらには屆かない。

もっと、もっと、もっと、もっと!

最後の剣士が倒れた。

名前:[アルノルト・フォン・ライムバッハ]シンイチ・アル・マナベ

[異世界日本語変換:1.82]

[鑑定:3.75]

[隠蔽 2.0.1]

[偽裝 1.01]

[思考加速:1.13]

[時間把握 0.17]

[空間把握 0.23]

魔法制:[4.87]0.95

霊の加護

[地の加護:2.18]

[鋼の加護 0.31]

火の加護:[2.79]1.01

[炎の加護:0.79]

[水の加護:2.35]

[氷の加護:1.43]

[木の加護:2.09]

[樹の加護 0.19]

[風の加護:3.31]

[雷の加護:0.45]

[闇の加護:0.78]

[の加護:2.01]

[の加護 0.03]

[武の加護]

[剣の加護:0.97]

[刀の加護:1.95]

[守の加護]

ステータスは大分上がってきている。

でも、戦闘経験が足りない。チート能力を持っているようだが、それだけだ。

ステータスが全てを決定しない。やはり、対人、対魔、対集団戦闘の戦闘訓練をしないと、奴クラーラらには屆かない。

唖然とした顔で俺を見るギャラリー。

グスタフを見ると、気がついたようで俺の勝利を宣言する。

これで、27名。

國家予算以上の金額を稼いだ事になる。

「さて、これで終わりですか?」

「・・・」

「終わりなら、清算しようと思いますがよろしいですか?あぁテオフィラとアレミルとランドルは殘ってくださいね」

納刀しながら、にこやかに笑いながら、周りを見る。

観客席の一部からは歓聲が聞こえてくる。俺にかけてくれた者たちだろう。昨日、親父さんの店で見た冒険者も複數居る事から、俺の言った事を信じてくれたのだろう。

「おい。おい。本當に、お前さんが言った通りになったな」

「僕の勝ちだな」

「でも、お前さん。なんで、奴が勝つと思った?」

「あまりにもアンバランス。あの武と防を持って、ボスの言葉通りなら、15-6階層までは降りているはず。それもソロで、それなのに、加護が火だけはおかしい。何か隠している。そんな奴に、奴隷上がりの雑魚が勝てるとは思えない」

「ふむ・・・。それでは、今回はボスが間違っていたのか?」

「僕はそう思っている。でも、加護が隠している方法は気になる。けなくして問い詰めれば話す。僕がその加護を取る事も可能」

 

なんか怪しい奴も居るが、幹部と言うので間違っていないだろう。

 

「ボスの契約を見たか?」

「あぁでも、意味がわからん。勝てば、次の賭け金にそのままスライドする?それじゃ最後まで勝たないと意味が無いぞ?」

「やはり、お前もボスと同類」

「どういう事だよ?」

「あいつが得るワトはすごい額になっているのに気がついている?」

「はぁ?なんでだ!奴は最初に30枚の金貨を賭けただけだろう?」

「はぁ?だからバカとは話ししたくない。多分、ボスもその認識しか持っていない」

「契約は、掛け金が倍になっている」

「だから?」

「今の時點で、27人。あいつは倒している」

「そうだな。雑魚ばっかりだけどな」

「それが問題。雑魚なんて使わない方が良かった」

「だからなんでだよ」

「今の段階で、奴は約7億枚をボスと二人のギルドマスターからけ取れる」

「はぁ?なんでだ!」

「だからさっきから言っている、あいつは異常だよ。ボスが最初に弱い奴を出してくると考えていたのだろう。もうこれ以上負けられないとボスを導して、強い奴を個別に出させて各個撃破、その繰り返し」

完全に勘違いからの買いかぶりなのだが、いい方向に勘違いしてくれているようだから、そのままにしておこう。

「ボス!僕は、今日でパーティーを抜ける!」

「なに!正気か?チェルソ!」

「一緒に沈むつもりは無い。奴隷にもなりたくないからね。いいよね?」

「臆病者は必要ない。勝手にしろ!」

一人、チェルソと呼ばれた奴が抜けるようだ。

”鑑定”を持っているようで、多分パーティーの頭脳だったのだろう。奴隷にしたら商人に高く売れたかもしれないけどしょうがない。最初から闘技場に居たわけでも無いし、頭數には居なかったからな。192億枚の金貨か・・・。違った、576億枚の金貨か・・・使いきれるかな?

「まだやるのか?」

オークもどきに向けて言い放す。

「雑魚を何人か倒していい気になるなよ。奴隷上がりの奴等なんて俺たちの足者にも及ばない」

「はい。はい。それで?」

「うるさい。お前を殺す!絶対に・・・だ!!」

「はい。はい。無理なできそうにない事は口にしないほうがいいですよ」

「貴様!」

もういい加減にしてほしい。

壊れたラジオじゃないのか?さっきから同じ曲ばかり奏でている。

一番不気味だったチェルソが抜けた事によって、殘っているのはオークもどきをれて5人。

オークもどきは大剣を使うようだな。加護もそうなっている。

タンクは居ないようだが、盾使いも居るし、弓使いと攻撃系の魔法師と支援系の魔法師が居る。パーティーとしてはバランスが取れているのだろう。

彼らの話を聞くと、このメンバーが初期メンバーなのだろう。

「いいよ。面倒だから、5人一度に相手してやるよ」

「舐めるな!小僧!」「いい気になるな」「雑魚を倒して増長したか!」

「いいから、構えろよ。魔ならもう攻撃を始めているぞ?あぁ魔は、他の者に倒させて、甘いを吸うしかできない臆病者でしたね。申し訳ない。怖いのなら、かえっていいですよ。ぼ・く・た・ち・」

何か切れる音が聞こえたぞ。

5人が真っ赤な顔しちゃって、こんな簡単に挑発に乗ってくれるとは思わなかった。

知恵袋が居なくなった集団はやはり烏合の衆にり下がってしまうのだろうな。

バラバラに攻撃をしてくる。

連攜していれば訓練になったかもしれないのに殘念だ。

オークもどき以外を無効化してから、オークもどきのに痛みを心に恐怖を教えてやろう。

支援系の前に盾を構えた奴が戻ってきている。

さっきの奴等よりは楽しめそうだ。

し戦略を変えよう。

攻撃魔法を使っている奴を

”火の霊よ。我、アルノルトが命じる。1の魔力で彼の者を燃やせ”

思考加速によって、高速詠唱が可能になる。

魔法師の足元に火柱が出現する。

っち。そっちに逃げたか。もう一度、今度は座標をしだけずらして詠唱する。

今度、配置する時にパラメータを設定できるようにしてみよう、意外と使いみちがありそうだ。

よし!

魔法師が、盾使いが居る方向とは反対側に退避行を取った。加速して、後ろに回り込む。牽制で、もう一度火柱を出現させる。

個々の能力は高いだろう。

思考加速と強化と加速がなければ勝つことは難しいだろう。

魔法師を無力化した。

「うぉぉぉ!!!」

オークもどきが何も考えないで突っ込んできた。

違うな。躱されたあとで、弓使いが狙いを付けているのか?

バックステップでさけ・・・違う。前だ。前に逃げる。

オークもどきの脇を加速しながら抜ける。

バックステップで逃げる距離の場所を、奴等の殘っている3人が包囲するようにく。右側は盾を持った奴が構えている、後ろ側には弓が降り注いでいた。本來なら、左側に魔法を放つのだろうが一人欠けている狀態では、これが一杯だろう。そのまま弓矢を持つ奴に薄して、意識を刈り取る。

護衛をしていた盾が俺を攻撃する為に支援系の魔法師から離れている。支援系とはいえ魔法師を自由にしておくのは得策ではない魔法師を倒す。

倒すのはそれほど難しくない。力を込めて蹴り飛ばすか、腕や足を切り落とせばいい。簡単な作業だ。

あと二人!

盾を持つ奴は簡単な作業だ。オークもどきの馬鹿の一つ覚えのような攻撃を躱しつつ、盾にダメージを與えるだけだ。ダーリオと違って、それほど盾の技量は高くない。剣の方が厄介かもしれない。

刀で剣をけ流して、盾にダメージを與える。繰り返すこと、數十回。やっと盾が割れた。

「ちっ」

そんな聲と一緒に、壊れた盾を俺の方に投げてくる。

躱さずに刀で打ち返して、盾使いが飛んできた盾を気にした所で払おうとして無造作に出した手首を切り落とす。勢いを殺さずに、剣を持つ腕を切り落とす。これで無力化が終了する。

さて・・・。

「あとはお前だけだな」

オークもどきと向き合う。

まずは”まいった”を言えないようにして、沢山楽しめる狀態にしておこう。

”闇の加護よ。我、アルノルトが命じる。彼の者の舌を麻痺させろ”

ついでに

”風の加護よ。我、アルノルトが命じる。我と彼の者を風で覆え”

し強引かもしれないが、これで問題はずだ。

「きっきさあがヴぁが」

「あぁ?何を言っているのかわからないな。俺は、オークの言葉がわからないから丁度いい」

何か言っているが、麻痺が効いているのかうまくしゃべる事ができないようだ。擬音だらけになっていて、気持ち悪い。

「さて、お前だけは許さない。俺だけじゃなくて、エヴァの事も何か言っていたな。なぁに大丈夫。殺しはしない。殺されたいと思うかもしれないけどな」

「なげぎゅな」

オークもどきが大剣を構えて上段から振り下ろす。

確かに當たれば死ぬのかもしれない程度の威力がある。でも、それだけだ。當たらなければいいだけだ。

チームで逃げ道を塞いでの攻撃だったら怖いかもしれないが、一人だけなら、ただの遅く空きだらけの攻撃でしかない。

まずは、手首を狙うか?

大剣が邪魔だな。試してみるか?

 

”炎の霊よ。我、アルノルトが命じる。我の持つ刀に不可視な炎を纏え”

できたのか?

大剣と打ち合う。

何回か打ち合っていると、大剣が赤くなってきた。熱を持っているのだろう。折れればいいし、折れなくてもオークもどきが手を放してくれれば十分だ。

大剣が耐えられなくなってきたようだ。

オークもどきの焦りが見えてくる。

ほころびが見える大剣の部分に全力で刀を併せて振り抜く。

”パッキン!”

大きな音を立てて、大剣が折れた。

片手を離した、オークもどきの手首をそのまま切る。炎をまとっているから、焼ける嫌な匂いがするが、そのまま同じ腕の肘に刀をれて切る。そして、他の奴にはやらなかったが、切った手首と腕の一部を火の加護で燃やす。

オークもどきが何かを言っているが、折れにも聞こえない。

肩から腕を切り落として、反対の折れた大剣を持っている腕も切り落として、燃やす。

さて、切っ先をオークもどきに向けて

「さて、昨日、面白い事を言ったよな。エヴァをどうするって?もう一度言ってみろよ!言えないか!言えないよな!でも、俺は覚えているぞ!俺は、もう家族を失わない!傷つけさせない!だから、お前を許さない。殺さなければ何をしてもいいのだったな」

背中を向けて逃げようとするが、そんな事を許すわけが無い。

”風の霊よ。我、アルノルトが命じる。風の刃となりて、彼の者を傷つけよ”

狙いは、足首。

アキレス腱をうまく切れればいいし、そうじゃなくても、足首が切れたら、うまく立っていられないだろう。

大きな音を立てて、オークもどきが倒れる。

「無様だな」

「きゅる・・・な!」

「何を言っているのかわわからないな」

「やゅえてぉくりぇ。おりゃぎゃわりゅぎゃっちゃ」

「ハハハ。ゴミだな。さて、まいったの聲が聞こえるまでは戦闘続行だったよな。あぁ安心しろ、俺の聲はお前にしか屆かないし、お前が何を言っても俺以外には聞こえない。とことんやろうか!?」

「やっいぇうああがっヴぁ」

”木の霊よ。我、アルノルトが命じる。彼の者を支え、大地に立たせよ”

観客からはオークもどきが立ち上がったように見えるだろう。

顔は、絶を見せているが、そんな事は関係ない。

「やめきゅれぇおりゃがもうがヴぁちゃうぇあい」

オークもどきがよだれやら涙やら上と下から垂れがしている。

「汚いな。オークやオーガの方がまだましだな。興ざめだな。こんなのが、トップなのか?本當に?興ざめだな」

”全ての霊よ。我、アルノルトが命じる。付與した効果を打ち消せ”

グスタフが、を割り込ませてきて、模擬戦は終了した。

「マナベ殿」

「なんだよ?」

「やりすぎ・・・・です」

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