《異世界でもプログラム》第六十六話 ダンジョン
久しぶりにダンジョンに來た。ティネケの調がよくなったこともあり荷持ちポーターに立候補してきた。
今回は、俺のリハビリやティネケの能力を見るという意味があるので5階層の階層主を倒して帰ってくる予定にしている。
ティネケが參加することを聞きつけて、アンチェとヤンチェとハンフダとハンネスも一緒に行く事になった。大所帯になってしまったがパーティーで考えると丁度いい人數なのかもしれない。
刀を抜くことなく4階層まで楽に潛る事ができた。
「ティネケ。大丈夫か?」
「旦那様。大丈夫です」
「無理しなくていいからな」
「はい。本當に大丈夫です」
何度か聞いたが、無理している様子はない。
ただ、4階層に降りたあたりから、歩く速度が遅くなってきている。
「ハンフダ。そろそろ、一旦休もうと思うのが、この近くにセーフエリアはあるか?」
俺が一人で挑むのならまだまだ行けるしセーフエリアでの休息は必要ない。階層主の手前で休めばすむ話だ。最悪は、木竜で自分を覆う結界もどきを作ってしまえばいい。
Advertisement
「あります。階層主の部屋が近いので、他のパーティーが居るかもしれませんが行ってみますか?」
「そうだな。頼む。そこで休憩してから、階層主に挑んで、5階層を越えて6階層を覗いてから帰る事にしよう」
実際には、ステータス袋があるので荷持ちポーターは必要なかったのだ、実際の冒険時に何が必要になって、どうしたら疑われないのかを見るのにちょうどよかった。通常では荷持ちポーターは、最低で2-3人は必要になってくるのだろう。
どこの上位ホームも人數が多くなっていく理由がわかった。
持ち帰る素材の為ではなく、飲みや食事が大部分を占めている。
そして、先に進めば、新たに補修する為に、同じランクかそれ以上パーティーが必要になる。
長く潛っていると、それだけ持ち帰りたい素材も多くなっていく。それがまたパーティーの行を圧迫する。
今回、潛ってみて実した。知識としては持っていたのだが、荷持ちポーターがここまでパーティーの質を左右するとは思っていなかった。
「なぁアンチェ」
「何でしょう?ご主人さま?」
「だから、ご主人さまは・・・。まぁいい。教えてしい事があるけど、誰か知っていたら答えてくれ」
皆がうなずく。
「セーフエリアは、変わらないのか?」
「え?」「「「??」」」
「あっ。そうだな。4階層のセーフエリアはここだろう?この場所は必ずここなのか?」
ヤンチェが手を叩く、そして答えてくれた。
「はい。私たちが潛り始めてからは変わっていません」
「うーん。ここに、店とか出そうとした奴は居ないのか?」
「え?」
「もっと言えば、宿屋のような施設を作ったりしないのか?」
「は?」
「ここに、宿屋があればみんな使うよな?トイレと風呂は無理でもシャワーがあれば使うよな?高めの設定にしても、食事が提供されたら使うよな?」
「そうですね・・・。でも・・・。他のパーティーやホームの為に作って”なにか”得になるのですか?」
ハンネスの疑問は正しいと思う。攻略がやりやすくなってしまうだけで、自分たちにとっては手間だけが増える。
「旦那様。それに、食料や資を運ぶ手間だけが増えてしまうと思います」
「そうだな。でも、こう考えられないか?」
5階層や10階層くらいまでなら、リヤカーが使えると思っている。
リヤカーに荷を詰め込んで、一度に大量にセーフエリアまで運んでしまう。帰りは、ここで買い取った素材を運んでもいい。どうせ、荷持ちポーター単獨ではダンジョンに潛る事はむずかしい。それなら、大量の荷持ちポーターを一度にセーフエリアまで護衛しながら運んでしまえばいい。
その時に、リヤカーを使えばもっと効率的だろう。
深い階層では簡単にはできないだろうから、まずは楽に潛れる階層から始めてもいいと思っている。
「そう言えば、30階層くらいまでは安全マージンを持って潛れると思っていいのか?」
「え?」「は?」「うーん」「えぇーと」
「どうした?」
「旦那様。あまりいいたくないのですが、ランドルのときには、奴隷を使い潰して潛っていました」
あぁそんなことを言っていたな。
大量の奴隷を連れて潛って、使い潰すようにしながら進んでいたのだったな。
それなら、荷や食料もなくて済むという外道な考えだな。
「そうなると・・・20階層位か?」
「僕たちが1パーティーで行くとしたら、15階層なら安全です。し無理をすれば20階層の階層主を倒して戻る事ができます」
「そうだ!あと、それを聞きたい。転移する時に、荷はどうなる?」
「荷も一緒に転移できますよ?魔法陣にっている荷も転移されますよ?」
「來る時にもか?」
「はい。そうです」
「ならなんで、食料を大量に持ち込まない?攻略が楽に・・・あぁそうか、他のパーティーを信じていないからか?」
「そうです。転移で持っていく事はできますが、ダンジョンに置いておいたらダンジョンに吸収されるか、他のパーティーに盜まれます」
「荷持ちポーターに荷番をさせても盜まれるか殺されてしまうというわけだな」
「はい。他のパーティーが一度ランドルのホームと共同作戦を提案したのですが・・・」
「わかった。あのバカは、ダンジョンで証拠が殘らないからって、そのホームのパーティーを潰したのだな」
「・・・。はい。もともと僕たちが居たホームだったのですが・・・。その時には知らなくて、素材や食材がだめになったと言われて・・・」
「あぁあのクズならやりそうだな。それに、冒険者ギルドが絡んでいたのなら手に負えないだろうな」
「・・・」
「わかった。でも、今ならできると思わないか?」
「わかりません」「・・・。できたらいいのですが・・・」
まずは低階層15階層までは各階層のセーフエリアに管理宿泊施設とシャワーとトイレを用意できるように考えてみよう。
問題になるのは”水”だけど、それは水の加護がある者に頑張ってもらおう。
早速帰って、セバスとダーリオに相談して、グスタフ冒険者ギルド主でやってもらおう。
俺たちのホームが全面的に支援する事にする。駆け出しの冒険者や引退した冒険者でも低階層の護衛任務ならできるだろう。
セバスとダーリオは全面的に賛してくれた。
特にダーリオは、同じようなことを、ランドルに何度も提案していたのだが、ランドルは自分の所以外にもメリットがある事なので、難を示していたのだ。そしていろいろな理由を付けて実行しなかっただけではなく、ハンフダたちが言っていたように実行しようとしたホームやパーティーを潰していたのだ。
ダーリオが言うには、俺たちのホームがけば冒険者ギルドは間違いなく賛してくれるだろうと言っていた。
実行に伴う資金もマナベ商會から出す事にした。簡単に言えば投資だ。この世界で多分初めてとなるダンジョンへの出店する商會となるのだ。
従業員は、元冒険者やスラムの住人から雇うことにした。
ダーリオの提案では簡単な鍛冶ができる施設も作りたいようだが、試験段階では止めておくことにした。
これらのことを、セバスとツアレが資料にまとめてくれたので、冒険者ギルドと商業ギルドにプレゼンを行った。
王都から來た數名と各ギルドの幹部で主だった者たちが勢揃いしている。両方のギルドから合計10名が俺たちのプレゼンを聞いている。
もともとは、グスタフだけに見せたのだが、グスタフが大きな仕事になるので、冒険者ギルド主で商業ギルドを巻き込んで実行したいと言い出したのだ。
【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔物なら、僕が食べ盡くしましたよ?~
「無駄飯ぐらいの役立たずが! おまえにはこの家から出て行ってもらう!!」 神官を買収した兄のせいで、加護なしだと認定されたディオは、體裁を取り繕うことしか頭にない父によって実家を追放されてしまう。 ところが、工作がばれることを恐れた兄に突き落とされたダンジョンの底で、最強の加護が覚醒する。 SSランクの魔物の能力を100體分手に入れ、難なく地上に戻ってこられたので、とりあえず実家に戻って兄の顔でも見てみようか? 僕の追放を撤回し、今度は兄を追い出そうとする父。 泣きながら縋り付いてくる兄。 しかし、親子そろってゴマをすってきてももう遅い。 「哀れだな、兄さん。それから父さん、出ていくのはあなたもですよ」 「へ?」 これは、全てを失い奈落の底まで落とされた少年が、最強の力で成り上がっていく物語。 【※ハイファンランキング日間1位、週間1位ありがとうございます!】
8 107【第二部連載中】無職マンのゾンビサバイバル生活。【第一部完】
とある地方都市に住む主人公。 彼はいろいろあった結果無職になり、実家に身を寄せていた。 持ち前の能天気さと外面のよさにより、無職を満喫していたが、家族が海外旅行に出かけた後、ふと気が付いたら町はゾンビまみれになっていた! ゾンビ化の原因を探る? 治療法を見つけて世界を救う? そんな壯大な目標とは無縁の、30代無職マンのサバイバル生活。 煙草と食料とそれなりに便利な生活のため、彼は今日も町の片隅をさまようのだ! え?生存者? ・・・気が向いたら助けまぁす! ※淡々とした探索生活がメインです。 ※殘酷な描寫があります。 ※美少女はわかりませんがハーレム要素はおそらくありません。 ※主人公は正義の味方ではありません、思いついたまま好きなように行動しますし、敵対者は容赦なくボコボコにします。
8 183嫌われ者金田
こんな人いたら嫌だって人を書きます! これ実話です!というか現在進行形です! 是非共感してください! なろうとアルファポリスでも投稿してます! 是非読みに來てください
8 133フェンリル
2037年、世界はこれまで保っていた平和を突然失った。 世界中で紛爭が起こり、ヨーロッパはテロにより壊滅的打撃を受けた。 この影響は日本にも広がり、日本拡大を目指す『戦爭派』と國を守る『國防派』に別れていった。 19歳の青年、雪風志禮は元々死刑囚だったが、政府の政策で、國防軍の軍人となることを條件に釈放された。 既に人間らしさを欠いてしまっていた志禮は仲間や出會った少女の時雨と迫る敵を押しのけながら感情を取り戻してゆく。
8 110mob少年は異世界で無雙する⁉︎(仮)
ある雨の日、佐倉 悠二は下校中どこからか落ちてきた酒瓶に當たり死んでしまった… 目が覚めた時、目の前には神様がいた。 そこで悠二は異世界に行くか天國に行くか問われる。 悠二の選ぶ決斷は…
8 104最強になって異世界を楽しむ!
現代高校生の近衛渡は、少女を庇って死んでしまった。 その渡の死は女神にとっても想定外だったようで、現実世界へと戻そうとするが、渡は1つの願いを女神へと伝える。 「剣や魔法が使える異世界に行きたい」 その願いを、少女を庇うという勇気ある行動を取った渡への褒美として女神は葉えることにする。 が、チート能力など一切無し、貰ったのは決して壊れないという剣と盾とお金のみ。 さらに渡には、人の輪に入るのが怖いという欠點があり、前途多難な異世界生活が始まる。 基本的に不定期更新です。 失蹤しないように頑張ります。 いいねやコメントを貰えると勵みになります。
8 125