《異世界でもプログラム》第七十二話 最下層

30階層の階層主を倒して、ユリウスとクリスとギルと別れた。

これからは、一人での戦いになる。

気を引き締めて、階段を降りる。

後ろでっていた、魔法陣のが消えた。3人が地上に戻ったのだろう。

「・・・」

階段を降りると、そこは草原になっていた。

草原はセーフエリアが存在しない。一人で単獨踏破は骨が折れる。

「聞いていた話と違う。31階層は、まだ窟のはずだ。変異したのか?」

獨り言になってしまっているが、不安な気持ちは誤魔化せない。

立っていても何もならない。

進んでみるか・・・。

---

出てくる魔は、十分、対処が可能だ。

魔法を使わなくても、余裕を持って倒せる。素材は、何が使えるのかわからないから、全部確保していく。

そのために、魔力を大量に注ぎ込んだマジックポーチを作した。

容量は無制限にはならなかったが、クリスから渡された袋を全部使えばかなりの量が持てるだろう。袋も、200枚くらいは有ったはずだ。

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広大な階層ではないが、階段を探すのが大変だ。

眷屬でも居れば話は違うだろうけど、魔法で作った龍たちでは階段を探すのに使えない。

余り時間をかけたくないな。

襲ってくる魔を倒しながら、探索の範囲を広げていく、報で脳が沸騰しそうだ。

あった!

場所をマーキングする。

探索を解除すれば、脳が落ち著いてくるのが解る。

別の方法を考えないと駄目だな。魔に襲われなかったから良かったけど、襲われていたら、やばかった。この階層なら大丈夫だろうけど、これより下の階層では対処が難しくなる可能がある。

これじゃぁ駄目だ。

もっと効率よく下層に降りていかなければ、奴に屆かない。

マーキングした階段に向かう。襲ってくる魔を倒しながらの移だ。

探索で見つけた階段は、下層に降りる階段で間違っていなかった。

32階層も同じような草原だ。

今度は、探索の魔法に指向を持たせるようにしてみる。全方位に広げるのは処理が追いつかない。それなら、探索範囲を狹めればいい。

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見つかったや魔を除外していく、例外が長くなってしまうがしょうがない。魔法を開発するためのエディタがしい。間違わないで詠唱していくのが大変になってきた。セットしておけば、追加するだけで終わるけど、魔核が無駄になってしまう。

32階層は、指向をもたせた探索がうまくできた。

まだ脳への負擔はあるが、31階層での探索よりは楽になった。必要な魔力もない。多用は、無理だけど、階段を探せる狀況にはなってきた。

33階層も同じだが、そろそろ疲れが溜まってきた。どのくらい魔を倒したのかわからない。

階段は安全地帯と思っていいだろうが、木龍でり口を閉鎖する。ここまで降りてきた奴が居たら、攻撃されてしまう可能もあるが、ホームの報では大丈夫だと判斷されている。俺の周りも、木龍に命令してを覆ってもらう。空間を作ってもらえば、を曬しながら寢るよりはいいだろう。

34階層。35階層と徐々に探索ペースが落ちている。

草原がまだ続いている。途中で休む必要はまだ無いのだが、抜本的な変革が必要になりそうだ。

35階層では、階段ではなく階層主が居るだろう建が見つかった。

探索も一度では探せなくなってきている。場所を移しながら探索を行う必要があり、効率が悪い。指向を持った探索を行っているが、360度の探索では効率が悪かった。

35階層の階層主が居るだろう建には、セーフエリアが設定されていた。

しっかりと休んでから、階層主に當たろう。魔法の整理もしたいし、要らない荷は捨てていきたい。

久しぶりに睡をして、準備を行う。朝なのか、晝なのか、夜なのか、覚がない。

準備を行ってから、階層主に挑む。

出てきたのは、所謂キマイラだ。一だからと言って油斷をしていい魔ではない。

刀を抜いて、尾を切り落とす。厄介なのは、尾の攻撃だけだ。後は、素早い獣を相手にするのと変わらない。

キマイラがの粒子になって消えるまで30分の時間が必要だった。

魔法を使えば、もうしだけ早く倒せたかもしれないが、魔法は封印して戦った。

36階層からは、スタンダードなダンジョンに戻った。

ただ、徘徊している魔がアンデット系だけになっている。

きは鈍いが、倒すには核になっている魔核を砕かなければならない。しかし、魔核を砕いてしまうと、アンデットにはドロップアイテムといえるは存在しない。

したがって、素材にならないのだ。スケルトンは、剣や防を持っているが、錆びついていたり、折れていたり、素材としての価値は低い。骨も素材には違いはないが、上位種でも無い限り、獣の骨のほうがいい素材になる。

そして、いやらしいことに數が多い。

窟型になっているので、弓矢での攻撃はないので、各個撃破に近いかたちでの戦闘が行えるので、戦闘は楽だ。

36階層、37階層、38階層、39階層、40階層と、徐々に強くはなるが、通路が狹いから、複數を相手にする必要がない。セーフエリアも點在しているので、攻略は草原ステージに比べると楽だ。モンスターハウスも有ったが、魔法で作った龍で一掃した。モンスターハウス以外は、刀で対処した。

40階層の階層主は、アンデットの大群だ。上位種や変異種が居る。エルダースケルトンがボスのようだ。魔法が通じない相手だ。魔法で倒せる者を倒してから、ボスクラスに対応する。魔法しか効かないアンデットも存在していた。

エルダースケルトンは、剣技のスキルを持っているようだ。

すでに、30分もお互いに決定打がない狀態で、打ち合っている。魔法は、キャンセルされたり、打ち消されたり、當たっても軽微なダメージしか與えられていない。

カウラなら、敏捷をアップして戦う。カウラに出來るのなら、俺にも出來る。カウラに、けないところを見せたくない。

魔力を練り上げる。足だけではバランスが崩れる。腰や背中にも魔力を浸させる。

を魔力で強化するイメージだ。

”敏捷強化”

”思考加速”

二つの魔法を発する。

1.5倍くらいの速度になった。スローモーションとまではいかないが、十分だ。魔力が持つ限り、このまま戦い続ける。その間に倒せなければ、俺の負けだ。やり直しはない。ゲームではないからロードなんて存在しない。

5分後。俺の前で、エルダースケルトンがの粒子となった。

魔法を解除する。魔力の殘量を考えれば、1-2分で切れただろう。ギリギリの戦いだった。

41階層に向かう部屋に行くと、二つの魔法陣があった。

中央に、1と書かれている魔法陣は1階層に戻るのだろう。もうひとつは41と書かれている。

セーフエリアのようなので、休憩する。

魔力の回復を行う必要がある。それに、疲れた。カウラの戦い方を思い出して、俺は命を救われた。誰が否定しても、俺はカウラのおかげだと考えている。

魔力の回復と気力の回復を確認してから、41と書かれた魔法陣に乗る。

41階層から45階層は、一本道が続いている。

正面からくる魔を倒していけばいいだけだ。ただ、かなりの距離がある。橫からや上からや後ろからや下からの攻撃がない。罠もないので、神的には、玉ねぎの皮を剝いているような印象をける。繰り返しているのではないかと思って戻ってみたが、ただ魔が出ない通路を歩いただけだった。

45階層には階層主は居なかった。

正確には、居たのかもしれないがわからなかった。セーフエリアに46階層に向かう階段が存在していた。

46階層からも同じようになっていた。違うのは、通路の一部が広くなって、そこに今までの階層主がランダムで出現してくるようになっている。

直前にセーフエリアがあるので、階層主との連戦にはならないが、一人で戦うには面倒な狀況になっている。

50階層は、今までと違って、階段を降りたら、すぐにセーフエリアが現れた。

「ここが最下層か?」

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