《異世界でもプログラム》第九話 避難訓練

カルラとアルバンとエイダは、俺が出した條件をクリアした。

ギリギリだったようだが、クリアしたのだから、共和國に一緒に行く。

「カルラ。移手段の準備は?」

「はい。馬車の手配をしています」

「解った。ダンジョンの設定を変えられる魔法プログラムを作るから、1週間くらいは自由にしてくれ」

「かしこまりました。アルバンは?」

「おいら?」

「そうだな。エイダにウーレンフートの街を案してやってくれ、エイダはアルと一緒に街に出て、ダンジョンの外での活を確認してくれ」

「うん!」「わかりました」

「俺は、奧制室に居るから、なにか用事ができたら、いつもの方法で呼んでくれ」

カルラが、思い出したかのように下げていた頭を上げて、話しかけてきた。

「あっ・・・。マナベ様。お食事は?」

「うーん。何か適當に食べるからいいよ」

倉橋さんの生活していた部屋には廚房も備え付けられている。食材は、カルラたちが持ってきているからなんとかなるだろう。スープでも作っておけば、簡単に食べられる。どうせかないのだから、簡単に食べられるで十分だ。

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さて、遠隔監視は作ったけど、遠隔での設定変更が行えない。

リモート接続を行って・・・・。あ!違う、発想を変えよう。エイダがやっていたことを、複數のヒューマノイドにやらせればいい。

そうなると、機械學習のっていないタイプを作して、それぞれに役割を與えればいい。

ログをチェックするような役割だ。アラートはすでに組み込んでいるけど、アラートに連して制を行う部分は組み込んでいない。トレインなすりつけ行為が行えないように、魔たちのルーチンは変更した。倉橋さんのルーチンでは、近い者やヘイトを稼いだ者をターゲットにしてしまう。トレイン行為ができてしまう。

に負荷がかかるが、使う魔力とルーチン用のサーバを増強してからは、負荷による問題は出ていない。

もうしサーバを増強しておくか・・・。

リソースメータを見ると、各サーバの負荷率が3割り程度になっている。できれば、1割五分から2割り程度に落ち著かせたい。

控えていたヒューマノイドゴブリンに、在庫ナンバーを伝えて、3臺のラックサーバを持ってきてもらった。設置を手伝ってもらって、接続を行う。

魔素の使用量は上がるが、サーバの負荷が下がったことを確認できた。

さて、一組、同じを作っておくか・・・。

コールドスタンバイ狀態にしておこう。そっちは、負荷率を5割り程度に抑えるようにしておけばいい。コールドスタンバイは使われないシステムになるのが一番いい。

系のサーバを切斷すると、ダンジョンに居る魔が暴走の狀態になってしまうのが解っている。制を戻せば、順番にタスクに割り當てられていく、ゾンビタスクとして殘る場合があるので、制を取り戻せなかった魔は暴走の狀態で放置されてしまう。ゾンビタスクとして殘ってしまった魔は、討伐する方法しかないので、ゾンビタスクの近くに確実に討伐出來る魔を配置して討伐させる方法を採った。

コールドスタンバイの環境が作り終えて、避難訓練作確認も行った。

やはり、全ての魔の制を取り戻すのは無理で、ゾンビタスクが発生してしまった。ダンジョンに潛っていた者たちは、タグ付けがされていて、タグの報は別になっているので、問題にはならない。データの保存用のサーバは二重化している。

ヒューマノイドゴブリンに、新しいヒューマノイドの作を命じた。

全部で5だ。

ネットワークのリソースを監視するヒューマノイド。

サーバのリソースを監視するヒューマノイド。

データ領域を監視するヒューマノイド。

全ての監視が出來る予備のヒューマノイド。

ヒューマノイドの報をまとめて報告を行うヒューマノイド。

のプログラムを作する。

ベースは、通常のヒューマノイドで十分だ。制系のプログラムは、冗長なくらいにしておこう。ハードウェアに余裕がある狀態だし、人の命に関わる部分だ。問題が発生してからでは遅い。ヒューマノイドは監視がメインになるし、避難訓練も行ったし、問題にはならないと思う。

”マスター”

「ん?」

ヒューマノイドゴブリンが話しかけてきた。

”最後に、お食事を摂ってから、19時間が経過しております”

「え?そんなに・・・。そうか、パンは殘っていたよな?」

”はい”

「ありがとう。食事にするよ」

”かしこまりました”

パンに、ハムのようなを載せて食べる。

冷えたエールで流し込む。”食べた”という事実を殘すだけの食事だ。

作業に戻る前に、カルラから連絡がった。

室を出て、打ち合わせが出來る場所に移した。執務室のように使っている部屋だ。

「マナベ様」

「どうした?なにか、報告があると連絡をもらったが?」

「はい。クリスティーネ様からの報を併せましてのご報告です」

「そうか・・・。カルラには悪いけど、しだけ待ってくれ」

「はい。大丈夫です」

報告をけ始めると、數時間は拘束される。

クリスへの連絡をしなければならないだろう。避難訓練をしっかりと完遂させておきたい。

カルラには、執務室に殘ってもらって、制室に戻る。

ヒューマノイドたちは問題なく作している。アラート部分の作り込みが甘いのは解っているので、正常ケース以外は割り込みを排除しておく、その上でアラートに余裕をもたせる數値設定を行う。

問題は、アラートではなく、一部のシステムが落ちた場合のバックアップが作出來るかだが、ヒューマノイドのきの確認を含めて、いくつかのパターンを定義した。

所謂テストケースだ。実際に全部の制システムがシャットダウンしてしまった狀態では、ダンジョンのセーフティーネットが働かなくなる。安全裝置が効かなくなるので、魔の出現率の調整や強さの調整が行えなくなってしまう。その結果、低階層でいきなり強い魔が出現してしまったりする。

ホームに、連絡できる方法を作っておいたほうがいいだろう。

セーフティーネットがなくなった狀態で、ダンジョンを放置しておくと、スタンピードが発生してしまう可能がある。ホームに連絡がって、スタンピードに備えさせる方がいいかもしれない。ホームの上層部にだけでも、伝えられる方法を考えておこう。

テストケースを書いていくと、ダンジョン・システムの問題點が解ってくる。

ウーレンフートのダンジョンでできそうなことはやり盡くしたが、危険を完全に排除できていない。他のダンジョンと繋いで、バックアップのシステムとして他のダンジョンのシステムを流用出來るようにした方がいい。システムが両方とも落ちてしまう危険度は、かなり極小だろう。

”監視の監視は誰がやる”狀態になってしまうが、複數の離れた場所にあるシステムで監視を行うようにしよう。

ネットワークが簡単に構築できるのは嬉しい。問題は、ダンジョンの制室を作ることが出來るのかだが、倉橋さんにできたのだから、なにか方法があるのだろう。ダンジョンを攻略してみればわかるかもしれない。

テストケースで作った、正常なシステムの異常系をチェックしていく、システムの一部を無理やり切り離したり、負荷を増大させたり、ネットワークの切斷や機材の故障を擬似的に起こさせる。

閾値を低く設定してのテストなどを行って、問題が発生した場合での対処を確認していく、ダンジョンの制を行うプログラムの問題がないことを確認する。ハードウェアの問題が數箇所見つかったが、避難訓練で見つかってくれてよかった。

さらにテストケースを作り込んでいく、新しくダンジョン・システムを作ったときにも參考になるだろう。

の異常な配置を行ってシステムが正常に”異常だと判斷”するか確認していく、やはり一度システムが落ちて、切り替わったシステムで魔を把握していくと、きが止まってしまうが、しょうがないと諦めよう。システムが完全に落ちたあとにスタンピードの最中に、システムが再稼働するパターンを考えると、きが止まる方が良いように思える。

モンキーテストをヒューマノイドにまかせて、避難訓練を終えて、制室を出た。

執務室に向かった。

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