《魔王様は學校にいきたい!》ウルリカ様、ピンチ!?

場所は移って、ここはロームルス城の中庭テラス。

らかな日差しが差し込む中、豪華なティーテーブルに座るウルリカ様。

そばにはメイド服を著たが立っている。

「初めまして! 本日からウルリカ様のお世話係を任されました、オリヴィアと申します。今年で十四歳です。一生懸命頑張ります、よろしくお願いします!」

元気いっぱいに挨拶をする、お世話係のオリヴィア。

の瞳と髪がよく似合う、可らしいの子だ。

「ウルリカ・デモニカ・ヴァニラクロスじゃ。ゼノンの友達で魔王でもある、よろしくの!」

「魔王ですか……國王陛下のおっしゃっていたことは本當なのですね……」

「ん? どうかしたのか?」

「いえ、なんでもありません。お茶を用意するので々お待ちくださいね」

手際よく準備をするオリヴィア。

すぐに湯気のたつティーカップと、とりどりのお茶菓子が運ばれてくる。

「おお! 味しそうじゃ!」

「ハーブティーとクッキーです、お口に合えばよいのですが……」

「早速いただくのじゃ!」

ポリポリ……ポリポリ……。

味しいのじゃ! オリヴィア……はし長いの。リヴィはお菓子選びのセンスがあるのう!」

「ありがとうございます! ちなみにそのクッキーは選んだのではなく、私が焼いたんですよ」

「ほお! 素晴らしい腕なのじゃ、これは才能じゃな」

足をパタパタとさせながらクッキーをほおばるウルリカ様。

クッキーを飲み込み、ハーブティを飲んだところでオリヴィアに質問をする。

「ところでゼノンから聞いたが、リヴィは學校に詳しいそうじゃな?」

「そうですね、私も以前は學園に通っていましたから」

「そうなのか! 學校はどんな場所なのじゃ? 詳しく教えてほしいのじゃ」

「はい、ウルリカ様が學校と呼んでいる場所は、正しくはロームルス學園という名前です。五百年前から続く、ロムルス王國で最も歴史のある學園です」

「ふむふむ……ポリポリ……」

「生徒の年齢は十歳から十五歳で、學年は一學年から三學年まで。沢山の生徒が、歴史や教養、剣、魔法と幅広く學んでおります」

「ほうほう……ポリポリ……」

「生徒のほとんどは貴族や商人、司祭様などの有力者のお子様で、將來ロムルス王國を擔うであろう方々です。そういった方々が學生の間から流を深める、學園は社の場でもあります」

「つまり、々な學生がおって楽しく過ごしているというわけじゃな。リヴィのおかげでよく分かったのじゃ! 早く學校にいきたいのう、楽しみじゃのう!!」

オリヴィアの説明を聞いて、嬉しそうにはしゃぐウルリカ様。

そんなウルリカ様の様子を見て、オリヴィアも嬉しそうに笑顔を浮かべる。

穏やかな空気に包まれる中庭テラス。

パクパクとクッキーを食べていたウルリカ様だったが、ふいに中庭の先へと目を向ける。

「おや? 誰かこっちに來るのじゃ」

「あれは……シャルロット王様……」

中庭の反対側から、豪華な裝にを包んだ集団がウルリカ様に近付いてくる。

よく見ると皆、オリヴィアと同じ歳くらいの若い子達だ。

あっという間にウルリカ様とオリヴィアを囲む子の集団。

キョトンとするウルリカ様の前に、ピンクのドレスを著たしいが歩み出る。

「へえ……これがうわさの魔王様? ずいぶん可らしい魔王様ね」

ポリポリ……ポリポリ……。

「興味本位で見にきてみたけど、ただの小さな子供じゃない」

ポリポリ……ポリポリ……。

「ずっとクッキーを食べているわね……まあいいわ、立ちなさい」

「なぜじゃ?」

「なぜって……第三王であるワタクシを前に、座ったままでいいと思っているのかしら?」

「そう言われてものう……お主のことなど知らぬからのう……ポリポリ……」

「なっ!? ワタクシのことを知らない? 第三王であるこのワタクシを?」

「うむ、全く知らぬ!」

きっぱりと言い切ったウルリカ様。

次の瞬間、取り囲んでいた子達が一斉に剣や杖を取り出す。

「ひいぃっ!? ウルリカ様~」

「おぉ! 妾に勝負を挑む気かの?」

殺気と共に突きつけられる剣や杖。

ウルリカ様、ピンチ!?

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