《魔王様は學校にいきたい!》最終試験

験生は集合!」

実技の試験が終わり、験生達に集合がかかる。

校庭の端っこ、森へと繋がるり口の前で、列を作る験生達。

ウルリカ様とオリヴィアは列の最後尾に並ぶ。

「これより最後の試験、実地試験を行う!」

集められた験生達は、みな張した様子だ。

「試験の容は魔討伐だ! 指定された地域で魔を討伐し、討伐証明を持ち帰ること!」

説明にあわせて、験生達に紙が配られていく。

「試験場所は“パラテノ森林”、すぐ後ろに見える森だ。討伐対象の魔は配布した紙に記載してある」

「ふむふむ、魔を相手にした試験ということじゃな。実踐的でよいのう」

「パラテノ森林に生息する魔は、いずれも討伐難易度EかFだ。だからといって気を抜くなよ、常に萬が一に備えて試験に臨むように!」

「む? 討伐難易度とはなんのことじゃ?」

「魔ごとに振り分けられた討伐の難しさです、危険の度合いと考えてもよいです。上は難易度Aから下は難易度Fまであります」

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ウルリカ様とオリヴィアは、そろって紙をのぞき込む。

紙には様々な魔の絵が描かれている。オリヴィアがその一つを指差す。

「ほら、ここに書いてある記號が討伐難易度ですよ。この魔は討伐難易度Fということになりますね」

「なかなか面白いのじゃ! 難易度Aの魔はよほど強いのだろうな」

「もちろんですよ! 難易度Aを討伐するためには、軍隊並みの戦力が必要と言われていますから」

討伐難易度について興味津々のウルリカ様。

その間も試験から、試験容の説明が続けられる。

「なお試験はチームで行う! 今から十五分以に各々チームを組むこと、チームを組めなかった者は個人參加とする!」

「ほう? 試験なのにチームを組むのか、なぜじゃろうな?」

「他者との連攜、協調、組織作りなども評価基準だそうなので」

「つまり友達作りじゃな! 楽しそうじゃな!!」

「いえ……そんなに軽いものでは……」

「よぉし、妾もチームを作るかの!」

ウルリカ様は早速近くの験生に話しかける。

「そこのお主!」

「ちょっと、近づかないでよ!」

フイッと離れていってしまう験生の

「うむ? そうか……ではそこのお主、妾とチームを組もうではないか!」

「やめてくれよ、シャルロット姫様に嫌われるだろ」

そっけなく去っていく験生の年。

「むぅ……みんな妾から離れていってしまうのじゃ……なぜなのじゃ……?」

「きっとシャルロット王の仕業です、ウルリカ様とはチームを組まないように命令しているのです」

「なぜそんなことをするのじゃ……妾の邪魔をしても、シャルロットにはなんの得にもならぬだろうに……」

「ウルリカ様が王を怒らせたからですよぉ……」

一人ポツンと取り殘されてしまうウルリカ様。

そこへシャルロット王がやってくる。

「あら? 田舎者の魔王様は一人ぼっちかしら?」

「おお、シャルロット! お主は沢山の友達がおるのう」

「ええ、あなたと違ってね」

シャルロット王の後ろには、多くの験生がついてきている。

最後尾には、ウルリカ様と剣試験を戦ったナターシャの姿もある。

「シャルロットのチームは全部で十人か、ナターシャも一緒なのじゃな!」

「あら? ナターシャを知っているのね。この子は荷持ちでチームにれてあるのよ」

「荷持ち? それはもったいないのう……」

ウルリカ様の一言に、シャルロット王はピクリと反応する。

「もったいない? どういう意味かしら?」

「この中でシャルロットよりも実力が上なのはナターシャだけじゃろ? なのに荷持ちとは、もったいないのじゃ」

「は? ワタクシより実力が上?」

ギロリとナターシャを睨むシャルロット王

「ひぃっ、私なんてシャルロット姫様の足元にも及びませんっ」

「そうですよ、ナターシャはいつも間抜けなんですから」

「シャルロット姫様よりナターシャの実力が上なんて、あり得ない話です」

「そうよね、田舎者の言うことなんて聞くだけムダだったわよね、行くわよみんな!」

その場を去っていくシャルロット王と取り巻きの子達。

ナターシャだけがペコリとお辭儀をして、いそいそとシャルロット王を追いかけていく。

「なんとも歪んだチームじゃのう……心配じゃ……」

「あの……ナターシャ様の実力がシャルロット様より上というのは本當なのですか?」

「間違いないのじゃ、ナターシャの実力は──」

その時、試験から號令がかかる。

「チーム作りはそこまで! 出発の準備に取りかかれ!!」

「なんと! 話しておったら時間がなくなってしまったのじゃ! 妾はまだ一人なのじゃ……」

ションボリと下を向くウルリカ様を見て、オリヴィアは心配そうな表だ。

「まあよいかの、一人でもなんの問題もないしの!」

「そ、そうですか……」

パッと気持ちを切り替えてしまうウルリカ様。

切り替えの早さに、オリヴィアはビックリしてしまう。

「では最後の試験じゃ、頑張るのじゃ!!」

こうして、ウルリカ様の最終試験がはじまるのだった。

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