《魔王様は學校にいきたい!》演説

ロームルス學園、講堂。

広い空間にズラリと並ぶ、黒いローブの教師達と白い制服の生徒達。

壇上に並んで立つのは、ラヴレス副學長とハインリヒ生徒會長だ。

集められた教師、生徒に向かって、ラヴレス副學長は事態の説明をする。

「──狀況は説明した通りです。明日にはロームルス學園で、魔との戦いが起こるでしょう」

靜かな講堂に、ラヴレス副學長の聲が響き渡る。

「この事態をけてゼノン王は、我々ロームルス學園と王國騎士団で合同作戦を組むように命令を下しました」

「合同作戦……果たしてそれでいいのだろうか?」

疑問の聲をあげたのはハインリヒだ。

「ここはロームルス學園だ! 私達の學び舎だ! ならば私達の手でこそ守るべきではないのか!!」

熱のこもった言葉で、力強く訴えかけるハインリヒ。

一方のラヴレス副學長は、冷靜に言葉を続ける。

「ここに集まった教師諸君は、特に秀でた能力を持つ、魔法や武の実力者です。そして白き制服の諸君は、上級クラスから選び抜いた若き才能、真に実力ある生徒なのです」

教師も生徒も、ラヴレス副學長とハインリヒの話に聞きっている。

「戦場となるのは、ロームルス學園の敷地とパラテノ森林でしょう。いずれも我々にとって見知った土地です」

大きく手を広げるラヴレス副學長。

力強い目で、教師一人一人に、生徒一人一人に視線を送る。

「地の利は十分にあります。そして私の目の前には、あなた方がいます。騎士団にも決して引けをとらない大戦力です。さて、我々は魔を恐れる必要はありますでしょうか?」

「いいやない!」

ダンッと足を踏み鳴らし、大手を振るハインリヒ。

「私達が魔を恐れる道理など、欠片ほどもありはしない! 私達の力をもってすれば、魔など容易く撃退出來ると確信している!!」

大きく右手をかかげるラヴレス副學長。

「諸君に問いましょう。この中に、魔の襲來を恐れている者はいますか? 敗北を恐れている臆病者はいますでしょうか?」

講堂は靜寂に包まれる。

それを見て、大きく左手をかかげるハインリヒ。

「では諸君に問おう! 私達の學園を! 名譽を! 誇りを! 自らの手で守ることに燃えている者はいるか!!」

「「「「「うおおぉ~!!」」」」」

湧きあがる聲に、講堂の空気はビリビリと振する。

ラヴレス副學長とハインリヒは、視線をわしてニヤリと笑う。

「そうだ! 王國騎士団に頼る必要はない! 今こそ私達の力を見せつける時だ!!」

「勝利は我々の手にあります、我々の手でロームルス學園を守りましょう!」

「「「「「おおぉぉ~っ!!」」」」」

こうして、ロームルス學園勢力は、戦いに向けて熱をあげていくのだった。

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