《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》幕間 鵜木和葉
/*** 鵜木和葉 Side 研修前 ***/
明日は、學校行事がある。その準備の為に街に出てきた。買を終えて帰ろうとしていたら、和さんから連絡がった。
調査容の報告をしたいとのことだ。和さんの事務所が、し遠い場所のために、行くことは現実的に難しい。和さんが街での用事を終えるまで待ってくれるのなら、その後で時間が取れるとの事だ。
どうせ、部屋に帰っても一人だし、明日からの學校行事に備えて冷蔵庫の中も空っぽになっている。
ファミレスで待っていると和さんに告げると、ファミレスだと話が聞かれてしまう可能があるから、”カラオケ店で待っていて”と、言われた。
確かにカラオケ店なら遮音もあるし、音楽をかけていれば外部に知られる心配はない。
”それほどの事なの?”と、思った。和さんが、カラオケ店の料金を払ってくれるし、待っている間適當にご飯食べたり、カラオケしたりして待ってて、と言われた。
電話が切れる寸前に、土地を含めた産を処分したい旨を伝えられた。間に合えば書類を用意してくれるらしい。
指定された、カラオケ店は、そんなに遠くなかった。和さんから、電話で予約をれておくと言われていたので、店員に告げると、部屋に案された。
カラオケ店に向かう途中に、同級生の中里さんと千葉さんとすれ違ったが、私に気が付かなかったようだ。まだ學校に転校してきてそんなに時間が経っていないし、私も率先して友達を作ろうとも思っていないので、覚えられていなくて當然なのだろう。
前回の報告書は、読して暗してしまった。私に何が出來るのか考えているが、答えが出ない。私の命程度で、神崎くんが許してくれるのなら、喜んで差し出す。學校でも、考え事をしていると、知らない間に、神崎君を目で追ってしまっている。
同じように重久さんが姿を目で追っている。時々、重久さんと目線がぶつかるのが解ってしまう。
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彼はけしてモテるタイプではない。靜かというか、何もかも諦めた目をしている。立花と言われる同級生のから、”いじめ”に思える行為も、淡々と接している。
そんな彼の事を、馴染の靜川さんは、気にかけている。本人は、友達から聞かれたら『先生に頼まれたから』や、『家が近所で腐れ縁』や、『タイプじゃない』なんて話しているが、その表を見ればわかる、彼も神崎君の事が好きだ。
彼は、人を惹きつける魅力があるのだろうか?
私は、彼に助けられた。彼が居なかったら、私は自殺していたか、反対に誰かを傷つけていたかもしれない。
彼達は?
何があったの?
すごく聞きたいが聞くには、私の事を彼達に話さなければならない。彼の両親を殺したのが私の両親だと言う事を・・・。
そんな私が、彼を好きになって良いの?
彼を想っていいの?
カラオケの個室のドアが開いた。
「あれぇ和葉さん。何にも食べなかったの?遠慮しなくてよかったのに、食べてきた?」
「あっ和さんこんにちは。いえ・・・考え事をしていて、注文するのを忘れてました」
「そうなんだぁ私もし食べたいから、何か注文しよ」
そう言ってメニューを広げた。
私は、飲みとサンドウィッチを頼んだ。和さんは、ピラフと飲みを頼んで、何かつまめるものがあるといいねと言って、フライドポテトとソーセージの詰め合わせを頼んでいた。
「何か唄う?」
「いえ・・・」
「そう、し立て込んだ話になるし、愉快なだけの話じゃないからね。食べてから話をしようね。それに店員に聞かれたくもないからね」
「あっ」
「そんなに深刻にならないで、大丈夫だよ」
「はい」
和さんが端末を作して何か歌をれている。
イントロが流れ出した時に、店員が食べと飲みを持ってってきた。絶妙なタイミングだ。
料理を食べながらになるが
「先に、簡単な話を先にするね」
「・・・?」
「調査費用の事なんだけどね、鵜木さん達から預かったお金がまだあります。どうしますか?」
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「・・・?」
「あぁそうだよね。説明が足りなかったね」
そう言って一枚の紙を見せてもらった。
そこには、今まで預かっているお金の合計と、調査で使った費用と、報酬金額が書かれていた。
引き算してもまだ數百萬殘っている。今日の報告で、一通りの調査は終了となる。
報告を聞いてから、私がどうするのかにも関わってくるが、殘金を返金するか、このままにして置くのかを決めてしいと言う事だ。高校生と言っても未年の小娘には違いないし、祖父達が殘した財産のこともある。”弁護士として、今後も相談には乗れますよ?”と、言うことらしい。
正直ありがたい話だ、和さんは商売としてやっているのは解っているが、小娘一人騙すくらい簡単だろうに、”私が大學卒業まで相談に乗ってくれる”と、言うことだ。その時點で殘ったお金を清算してもいいですよと言ってくれた。
私は、”お願いします”と、和さんに伝えた。
「あっ和さん。話の流れで申し訳ないのですが?」
「なんでしょう?」
「おじいちゃんが殘してくれたの処分もお願いしたいのですが大丈夫ですか?」
「準備はできていますが、本當にいいの?」
迷いはあったが、私が持っていてもしょうがないものばかりだった。
「・・・はい」
和さんは、ニッコリと笑ってくれた。
「そういえば、和葉さんは、子供の頃。保育園の先生になりたかったんですよね?」
「えっ・・・・はい。恥ずかしいな。おじいちゃんそんな事まで話しているんですか?」
「えぇそりゃぁ好々爺ぜんとして、孫馬鹿を全開にして・・・あっと失禮」
ペロっと舌を出す姿がすごく可かった。
「・・・そうなんですね」
「えぇ和葉さんさえよかったら、保育園でも作りますか?」
「えっ?」
「いやぁ私の知り合いに、不良刑事が居るんですけどね。此奴に頼まれてしまってね。なんでも、私やその刑事が卒園した保育園が、潰れそうなんですよ。なんとかしろって命令されてしまってね」
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「はぁ」
「法律的な事はなんとでもできるけど、経営とかになると話が違ってきてしまうんですよね」
「・・・」
「お金になる話ではないし、赤字を垂れ流す事になることは確定しているのですが、その地區にあるのが、その保育園だけなのですよね」
「・・・」
「っておもうのですけど、どうですか?」
「どうですか?って言われても、私なんかが運営なんて出來ないですよ」
「そのあたりはおまかせ下さい。何とでもします」
「・・・。そうですね。何か一つ位善行を積んでいれば、神崎君に向き合えるかもしれないですね」
「・・・っ。そんなつもりじゃないですよ」
「えぇ解っています。でも、私の気持ちの問題ですからね。それに、祖父の産ですからね。その話を祖父が聞いたら、協力を申し出たでしょう」
「・・・。そうですね。鵜木さんなら」
「和さん。協力させて下さい。私は何も出來ないのですが、祖父の産を使って、保育園を立て直して下さい」
「ありがとうございます。保育園の名前は、”和葉稚園”でいいですよね?」
「??え?えぇぇぇ!!」
話の流れで承諾してしまったが、元々産を処分して、処分したお金は全額寄付してしまおうと考えていたから丁度良かったのかもしれない。
うるさく言ってくている、叔父や伯母への牽制にもなりそうだ。その辺りの対応も、和さんが全面的に引きけてくれる事になった。すごく気持ち的にはスッキリした。
食事を済ませて、ドリンクの追加をお願いした。
店員が、ドリンクを持ってくるまで、他もない話をした。
和さんが、姿勢を正して、私をまっすぐに見てきた。
「和葉さん。本題にります。書類でのご報告は、後日ご自宅にお送り致します。まずは、私のパソコンになってしまいますが、見ていただけますか?」
「もちろんです。書類を送られても、普段は學校ですので、前回の調査報告と併せて、USBかSDカードでいただけませんか?」
「別に構いませんよ。どうしてですか?」
「常に持っていたいのです。小さいなら常に持っていられます」
「解りました。後で電子データをお渡ししますね。そういうのに、うるさい知り合いが居ますので、暗號化してお渡しいたします。それから、USBやSDカードですと、データが消えてしまう可能がありますので、SDカードとは別に、うるさい知り合いの所に保管して和葉さんが取り出せるようにしたいと思います」
「わかりました。お任せいたします」
和さんがパソコンを持って、私の橫に移してきてくれた。
可らしいデスクトップの上にあるファイルをクリックした。
ファイルが読み込まれて表示されてきた。前半部分は前回の報告と同じようになっているようだ。
「調査報告として、小難しく書いてあるから、難しかったら読み飛ばして、あとでゆっくり読んでね。最後の3ページが多分和葉さんが知りたいことをまとめてあります」
そう言われて、前半部分を読み飛ばしていた。
最後から4ページになった所で、急に、和さんが私の手を握った。
「和葉さん。私はこの報告書を、貴に見せるのを、今でも躊躇している。ギリギリの手段を使って調べたってこともある。証拠も揃っていないことも書かれている。何よりも和葉さんの”心”が心配になっている」
和さんの心痛な聲で忠告された。
私は大丈夫だと思いたい。証拠って何とかいろいろ考えたが、和さんに向き直って
「和さん。ありがとう。でも大丈夫。読み終わった後で、私がおかしな事を言ったりしたら遠慮なく、ひっぱたいてください」
「解った。ゴメンね邪魔しちゃって」
「いえ」
和さんが手をどけて、パソコンを私の方に向けてくれた。
前回は手書きだったのに、今回はパソコンで清書したんだと関係ない事を考えながら読み進めた
警察部の人の話として、先程出てきた刑事の名前がかかれていた。
『森下桜』と言うらしい。
その人の話として書かれていたのは、警察部の不正に近い話だ。
もし、告発するのなら、『森下桜』さんも協力してくれると書かれていた。
まず、事故が発生した時の初は所轄警察が行った。そのときには、事故にしては不自然だと言う報告書が書かれて、車や族を調べる事になった、當初はからもアルコール臭がなく酔っ払い運転での事故とは考えられていなかった。報告書が作され、捜査が進む過程で県警が出てきて、調査にも行かないで、新しい報告書として車からアルコール臭がしていたと書き換えられ、その後、続々とアルコールを摂取したという狀況証拠が出てきた。
そして、アルコール摂取による巻き込み事故で、運転していた側に責任があると言う結論になった。
その報を、県警は意図して、一部のマスコミに流出させる事で、”飲酒による事故”が、真実のように世間が知る事となった。
刑事の話は続いていた。擔當した警察の話として、現場に出ていた警の話として、”被害者側の車のこと”が、わからないと書かれていた。
事故現場の寫真が出ていたが、何度も見て記憶している。なだらかな下り坂の山道だ、両親の車は、山頂から下っていたと思われる。被害者夫婦の車は、山道を登ってきた事になる。
事故現場からどちらのブレーキ痕も見つけられない事や、衝撃のけ方や、車の破損狀況から、被害者の車は”止・ま・っ・て・い・た・”と、思われた。
不可解なのはそれだけではない。蛇行運転していたはずの加害者車両が、まっすぐに被害者車両にぶつかっている。そのまま4人全員が死亡という事故になっている。いている車なら橫から當てられても、エアバッグが作するが、そのまま押されるようにガードレールを突き破って崖下に落ちている。緩やかなカーブで、上り車線は山側になっている車の左側面を、垂直に近い角度で押されて、ガードレールを破って落とす事が出來るとは思えない。
和さんの調査では、この件に関して警察発表では説明されていない。またこれらの事を報道したマスコミも存在しない。アルコールの上の事故と処理されている。
ここまで読んで、和さんが言っていた事が解った。警察不審になりそうだ。同じくマスコミが嫌いになりそうだ。
ここからは、和さんと協力者が調べた事となっていた。
調査報告書には書かれていない事として、和さんや協力者の私見がっていると書かれていた。
まずは、當日に両親が飲んだと思われている店を調べたと書かれている。
結論としては、確実にここで飲んだという報はなかった。
警察の調書にあった目撃者を調べる事にした。
運送會社の社員は既に辭めている。あの事故の後、マスコミやら雑誌社などに話をした事で、金回りがよくなって借金を一気に返して、東京に出ていった。
ただ、數百萬あった借金を返すのに、マスコミからの謝禮だけで返せるとは思えないと書かれている。
繁華街で両親の車を見たと証言している人にも接をはかったが、一人として見つける事が出來なかった。
両親の事故のときには、繁華街で見たと言う10名以上の証言者が居たと書かれていた。それらの人で1人を除いて、所在を確認できないと、いう不思議な現象になっている。
唯一所在確認が取れたのが、はっきりとした証言をしていた人だ。そこには、叔父の名前が書かれていた。
叔父が証言していたとは聞いていない。事故後にも何度も有っているが、そんな話は聞いていない。
プチ・パニックになっていると、
「し休んでこれ飲んで」
と、和さんがジュースを渡してくれた。
いつの間にか、部屋を出てジュースを持ってきてくれていた。
お禮を言ってジュースを口に含んで、モヤモヤした気持ちと一緒に飲み込んだ。
続きを読み進める。
証言者の共通點がないかを調べてくれていた。
叔父を除く全員が”YAMAZAKI”で、働いていた従業員だと言う事だ。”YAMAZAKI”は、地元では一番有名な企業だ。工場を幾つか持っている。貸倉庫や不産まで手を出していて、最近ではインターネット事業や電気事業を行っている。CMが下品だからあまり好きな企業ではないが、大きな會社なのは間違いない。その會社は一族経営だ。あまりそういうのに興味がないが、定期的に地元のTVで取り上げられているから知ってしまっている。
確かに、大企業だから社員數も多い。でも、1人を除いた全員が、その”YAMAZAKI”の社員だと言うのは出來すぎている。そして、蛇行運転を証言をしている。運送會社は、”YAMAZAKI”の関連會社だが、社長は、立花議員の弟が社長をしている企業だ。なぜここで立花議員の名前が出てくるのかわからなかったが、協力者の推理だと書かれている事だが、”YAMAZAKI”は確かに大企業で、地元や県にとっては大切な存在だが、警察のそれも県警をかして、事故をもみ消すことは難しいだろう。でも、立花國會議員なら話は違ってくる。お願いするレベルで潰そうとく警察関係者は居るだろうと言う事だ。
そして、協力者がそう考えた理由として幾つかの事が書かれていた。
加害者側に問題が有ったのではなく、被・害・者・側・に・被・害・に・合・わ・な・け・れ・ば・な・ら・な・い・理・由・が、あったのではないか?
協力者は被害者を調べてくれた。
被害者は、神崎進・神崎鈴。これは、前回の報告書で書かれている、神崎君の両親だ。父親は、今でこそ地元新聞の記者をしているが、昔は大手新聞社の記者をしていた。母親も同じく、記者をしていて、結婚して地元のタウン誌に記事を書く仕事を始めた。神崎進氏の略歴が載っていた。
大手新聞社を依願退職しているが、その理由が國會議員の獻金疑を追っていたからだ。それで議員側の圧力に屈した大手新聞社は、神埼氏を退職させて、地元に帰らせた。母親の鈴氏もタウン誌で、地元選出の國會議員が、地元の保育園を潰してマンションに建て替える業者から獻金を貰っている事や、ごみ処理施設の不正なんかを取り上げていた。
その不正の中心に居たのが”立花議員”だ。大手新聞社は、圧力に屈したふりをして神崎氏を地元に帰らせると言う手段で、”立花議員”の不正を追わせていた(らしい)。
幾つかの不正が、地元新聞ではなく大手新聞社で大きく取り上げられている。その事実から、神埼氏は継続して不正を追っていると考えられる。母親は、立花議員は勿論だが、地元企業として有名な”YAMAZAKI”の不正を度々記事にしている。そして、立花議員の後援會長が”YAMAZAKI”の現會長の山崎俊博。
神埼夫妻が、ここまで立花・山崎両氏を追いかけるには理由があった。
夫妻には、二人の子供がいた。”凜”と”悠”だ。悠は、小學5年生の時にプールの事故でなくなっている。その事故の第一発見者が”山崎徹”で、”山崎俊博”の孫にあたる。
”悠”がプールで溺れているのを見て一番に駆けつけて助けようとしたと、言われているのが”立花肇”で”立花議員の息子”だ。プールの事故は當時の新聞記事や週刊誌に詳細にかかれている。
立花年と山崎年を含めた友達9人はプールに遊びに來ていた。
小學生5年の”悠年は背が低く深いプールでは足がつかなそうだ”。悠年が監視員から見えない場所から深いプールに飛び込んだ。暫く泳いでいたらしいが、足がつったかのように、溺れだした。監視員は、淺いプールでふざけていた年を注意していて気がついていないようだ。立花年は走り出して悠年を深いプールから助け出そうとした。その騒ぎに監視員が気がついて慌てて、助けにったが、そのときには、悠年はぐったりしてかなかったらしい。この一部始終を見ていた山崎年や友達の証言だけではなく、近くにいた二人のもそう証言していた。
しかし、一つの週刊誌だけは違う記事が書かれていた。
このプールの事故は、警察が発表したような流れではなく、立花・山崎両名が、泳げない”悠”をプールに突き落としたとしていた。
”悠”は、泳げないわけではないが得意ではない。事実この日は、プールで行われる水泳教室に參加する予定だった。
”悠”は水著で溺れたわけではなく、ブリーフ姿で溺れていた。警察はこの時期の子供によくある行だと結論づけていた。
”悠”が溺れた所やプールに近づいた所を、立花と友達9名と二人の以外は誰も見ていない事。
そして、”悠”の顔に毆られた後や、鼻の後があった事が書かれていた。
和さんの協力者が、二人のを探し出してなんとか話をしてくれないかと頼み込んだ。
事実何度か斷られたらしい。昔の事で忘れたいからと言う事だった。二人のうち一人はまだ地元に居たが、もう一人は親の転勤の関係で、地元に居なかった。引越し先の神奈川県にまで足を運んでくれていた。そこで、もう一人のと母親に會うことが出來た。
が語ったのは....
その(當時:15歳の中學三年生)は、友人と二人でプールに遊びに行っていた。
更室から出て、プールに向かおうとしていたら、中學生らしき男の子たち8人に囲まれて、そのままひとけのない場所に連れて行かれた。そこには二人の男の子が居て、二人を囲んで暴しようとした。水著の上に來ていたパーカを破かれて、を暴にられて怖くて座り込んで泣き出すしかなかったと、當時を思い出して語ってくれた。
ボスらしき年がナイフで水著を破ろうとしていた時に、”悠”年が近くを通って助けてくれた、という事だった。実際には、助けたと言うよりは”の子が泣いている”と、言っただけのようだ。達は、”悠”年に向かって「助けて。誰か呼んできて」と助けを求めたらしい。このは今でもそんな事を言った事を後悔しているようだ。年たちは、走ろうとする”悠”年を捕まえて何度も毆ってぐったりした狀態になったのを見て、ボスらしき年が「溺れた事にしよう。後はオヤジが今まで通りにうまくしてくれる」と言い出して、年を囲むようにして連れて行った。
達には、年が「今の事を話したら、お前の家族がこの街に住めなくするからな。お前もにして恥ずかしい事を沢山してやるからな」と脅してきた「今までののように犯していれば気持ちよくなってくるだろうからお前も同じにしてやるよ。それが嫌なら黙って俺の言うことを聞け」と言われて従ったと証言した。
この年のボスが”立花肇”でもう一人が”山崎徹”であるとは証言した。
記事には、助けにった10人の名前も書かれていた。
・立花肇・山崎徹・西沢祐太・冴木武夫・川島茂・橋本芳雄・加藤恵一・三塚浩市・細田博行・森中定和
そして、このは以前にも探偵を名乗る人が、同じ事を聞きに來た。その探偵は、その時に死んだ年の関係者と名乗ったらしい。贖罪の意味もあって。自分が知っている事を全部話したら”ありがとう”と、お禮を言われた。も心のトゲが抜けたのだろう。その探偵に犠牲になった年の話を聞いて、お墓を教えてもらって、二人で墓參りをしてきたと言っていた。
神崎夫婦はこの事件を追っていたのかもしれない。
そして、この事件をみ消した事実を摑んでいたのかもしれない。
被害者側に原因があって、加害者側は選ばれただけなのかもしれないと書かれていた。
加害者側の問題として、この事故の後叔父がやっていた會社が”YAMAZAKI”から融資をけて、會社が立て直された事や、叔父個人がギャンブルや、遊興費で作った借金も綺麗に返済している。叔父がよく行くスナックで、事故の數日前にママに近々金がるから、そうしたらツケを全額払うからと大きな事を言っていたらしい。
協力者の考えでは、立花議員や山崎會長/社長が、叔父に金を渡す事で、事故を仕組んだのではないかと、もっと言えば、被害者にぶつけるように、仕組まれたのではないかと言う事だ。
だが、何も証拠はない。証言が有るのは、5年前のプールの事件だけで、それも証言だけだから立件するのは難しい。今回の事故も既に処理されてしまっている。狀況証拠の積み重ねにしかなっていない。
すべて読み終わった。
「和さん」
「・・・・」
「これって本當の事ですか?」
「私の立場で言えば、解らないというしかないです。何の証拠もないですからね」
「そうですよね」
「でも、私人として言えば、かなり黒に近いです。協力者の話では、『奴等ならやりかねない』と言う事です」
「・・・・この書類はどうしたら良いのですか?」
「・・・・私にはわかりません。和葉さんの気持ち次第だと思っています」
「??」
「公表してほしいのなら、公表します。狀況証拠ではなく、確実な証拠を探して、裁判を起こすと言うのなら調査を続行して証拠を見つけます」
「・・・・」
「何もしないで忘れると言う選択肢もあります。和葉さんの指示に従います」
「・・・・。和さん。もしかして、保育園の事を先に言ったのはそのためですか?」
「!!」
「和さん。和さんは、私に借りがありますよね」
「えぇ確かに保育園は和葉さんには関係ない事で、私がやりたい事です」
「そうですよね。それは借りですよね」
「はい。そう考えています」
「その借りを返して下さい」
「了解いたしました。どうしましょうか?」
「この件に関する調査を続行して下さい。もしかしたら、和さんやその協力者という森下さんにも迷が掛かるかもしれませんがお願い出來ますか?」
「・・・・はい。解りました。誠心誠意調査を続けます」
「よろしくお願いします。費用は、祖父が殘したを使って下さい」
「解りました。桜君と協力して調査致します。期間は何時までにしますか?」
「そうですね。裁判に足り得る証拠が揃うまでか、私が死ぬまでか、費用がなくなるまででお願いします」
「・・・。費用は安心してください。計算しても200年位は調査出來ます」
そう言って可く笑ってくれた。森下桜さんがどういう人なのか知らないし、和さんの彼氏なのかもしれない。二人の関係は聞いちゃダメな雰囲気がしていたので、聞かなかった。
必要な書類にサインをしてカラオケ店を出た。
明日は研修だ。
凜君とは違う班だけど、バスが一緒になっている。それだけで楽しみに思えるなんて私も案外安いなのかもしれない。
【電子書籍化】婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣國へ行きますね
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【Kラノベ ブックス様より1〜2巻発売中】 【コミカライズ、マガポケ様にて好評連載中】 剣、魔法、治癒、支援——それぞれの最強格の四天王に育てられた少年は「無能」と蔑まれていた。 そんなある日、四天王達の教育という名のパワハラに我慢できなくなった彼は『ブリス』と名を変え、ヤツ等と絶縁して冒険者になることにした。 しかしブリスは知らなかった。最弱だと思っていた自分が、常識基準では十分最強だったことに。あらゆる力が最強で萬能だったことを。 彼は徐々に周囲から実力を認められていき、瞬く間に成り上がっていく。 「え? 今のってただのゴブリンじゃなかったんですか?」「ゴブリンキングですわ!」 一方、四天王達は「あの子が家出したってバレたら、魔王様に怒られてしまう!」と超絶焦っていた。
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