《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第十五話 緒話

/*** ??? Side ***/

「どうだ?」

「はい。例年通りです」

「そうか?宰相派閥の貴族がパシリカに來たら、別室に通せよ」

「心得ております」

「まぁそうしないでも、奴らは、”特別”を求めるだろうからな」

「はい。嘆かわしい事です」

1人は、法を著ている事から、教會関係者である事がわかる。

もうひとりは、法を著ていない。貴族なのだろう。小奇麗な格好をしている。

もうひとり、黙って、二人の話を聞いている人が口を開いた

「今年、問題になりそう者は?」

「はっアゾレム男爵の跡継ぎがパシリカをける年齢です」

「そうか、アゾレムか・・・それは、また厄介だな」

3人の間に微妙な風が通り抜ける。

「そう言えば、コンラートの所も今年だったな?」

「はっ娘のフレットが今年、パシリカです。當日は混み合いますので、明日、パシリカをけさせます」

「そうか、特別室か?」

「陛下。怒りますよ。娘とは言え、無です。並ばせてけさせます。娘にも言い聞かせてあります」

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「そうだったな。戯れじゃ許せ」

陛下と呼ばれた者が、もうひとりの貴族ぜんとした者に話しかける。

「そう言えば、ミヤナック。そなたの所も今年じゃったな」

「はい。娘は、本日けさせて、そのまま、一般の參列者と共に數日過ごすように言ってあります」

コンラートと呼ばれた法を著た男が、ミヤナックと呼ばれた男の方を向いて、笑いかけるように話しかける。

「そうだったのか?それなら、フレットも、一緒にけさせればよかったな」

「コンラート!教會関係者と貴族のそれも、ローザス殿下に近い家の者が一緒に居る所を・・・」

「違うだろう。ミヤナック。お主の所の、跡継殿が、可い妹と一緒に居る時間を作りたかっただけなのだろう?」

「違うといいたいが、概ねそうだ。でも、それを悟った、ルアリーナが侍を連れて、隠し通路を通って出てしまってな。晝過ぎから大騒ぎだったぞ」

「それはさぞ騒がしかっただろうな」

陛下と呼ばれた男と、ミヤナックと呼ばれた貴族は、コンラートと呼ばれた法を著た男から、今年パシリカをける、問題を起こしそうな者たちの名前を説明していった。

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要注意・・・親を含めて注意が必要な人として、

・ウォルシャタ・フォン・アゾレム

・クンジナ=ユルワーフ・フォン・ドワイト

・ロラ・ゴーチエ

・フィリッチ・ボルダボ

の名前をあげている。

それ以外に、注意人として、數十人の名前をあげて説明していた。

全部を聞き終えてから、ミヤナックと呼ばれた貴族の男が話し始める。

「ふぅ問題は、アゾレムとゴーチエとボルダボだな。ドワイトは、父親と跡継はしっかりしているのだろう?」

「どうだろうか?貴族には、貴族の”理”があるのだろう。教會には、そういう報はってこない」

「そうか、ドワイトは、男爵家だが、領民をしっかり守っているという話だぞ、長男はは多悪いが問題は無いだろう。次男の今年パシリカをける者は、素行が悪いと聞いている程度だからな。領地が、アゾレムの隣というのが気になると言えば気になる程度だな」

「儂としては、ボルダボの小僧の方を殺したいのだがな」

「お主にしては珍しいな」

「小僧は、フレットを嫁によこせと言ってきた!もちろん、破り捨てた上に、絶縁狀を叩きつけたがな」

「ほぉ小僧がいい出したのか?」

「わからん。わからんが、小僧とフレットは顔なじみだからな。教會の行事で何度か會っている。それよりも、ボルダボ家の方が問題じゃよ」

「どうした?」

「まだ確証がないが・・・な。あやつら、パシリカのときに、ステータスを盜み見て、記憶して、宰相に流しているらしい。見返りは・・・」

「本當か?」

「かなり、黒に近いが、噂だ」

「なに?今日のパシリカは大丈夫だったのだな?」

「あぁ特別室以外は、儂が手配した神を配置した。信頼もできるし、元も確かな者たちだけだ」

「そうか、宰相は、貴族以外には豪商や自分に利益がある者しか興味がないからな」

陛下と呼ばれた男が、手を叩いた。

「よし、コンラートよ、それを調べてくれ、くれぐれもバレぬようにな」

「はっ」

「宰相の首を取る、絶好のチャンスかもしれん」

テーブルに置かれていた羊皮紙を丸めて、近くの暖爐にれて、燃やした。

燃え盡きるのをまって、3人は、別々のドアから立ち去った。

/*** リン=フリークス・マノーラ Side ***/

僕は、今、危機に直面している。

昨日の夜。和葉を名乗る人から手紙を貰った。そして、それを確認しながら、いろいろ考えていて、マヤが眠るベッドの橫になり、暖かさに眠くなって、寢てしまった。

何がいいたいかというと、僕よりも、早く起きたマヤが”日本語”で書かれた手紙を見てしまった。

 そして、文字が読めなかった事を不審に思って、鑑定で見た。

鑑定は優秀ですね。”ミトナル=セラミレラ・アカマース”という名前を表示しやがった。失禮、してくれた。

「リン!」

「はい」

「それで、この、ミトナルって誰?僕が知っている人?」

「見たことはあると思う程度かな?」

「どういうこと?はっきり教えて?誰なの?」

どう説明していいのかわからない。

”助けてドラ○もん”とんでも、貓型ロボットが助けに來てくれない。

「昨日、フェムと一緒に居た中の1人だと思う」

「なんで、そんな人が、リンに手紙を出すの?それも、こんななんて書いてあるかわからなで?」

ん?読めない?

「マヤ?」

「なに?リン。僕の質問に答えてよね」

「あっうん。本當に、僕にもわからない」

「でも、リンには、これがわかるのだよね?”わからない”という事がわかるのだよね?」

本當に、こういう所はすごくがいい。

「マヤ。今からいうことは、本當に突拍子もない事で、信じられないかも知れない。それでも聞いてくれる?」

「え?あっうん。リンが僕の事を騙そうとしない限り、信じるよ」

「どうしたら信じてくれる?」

「・・・・・・ス」

「ん?」

「キスして!」

マヤの頭をグリグリとで回す。

「大好きだよ。マヤ。噓なんて言わないよ」

マヤを抱き寄せて、キスをした。昨日のキスとは違って、舌を絡めるような深いキスをした。

「リン。ごめん。でも、教えて、僕に何ができるかわからないけど、リンの役に立ちたい」

マヤを後ろから抱きしめる格好になって、の間に座らせる。顔を見ながら話せる自信がない。

マヤは、僕の話す事を、しっかりと聞いてくれた。

”生まれ変わり”である事。こことは違う世界で産まれて、育った事。そして、和葉を始め、20人がこの世界にうまれかわっている事。

そして大事なこととして、神を名乗る子供に、21人で競わされている事。勝たないと、殺されてしまう可能があることなどを説明した。端折った事はあるが、概ね間違っては居ないだろう。

「よくわからないけど、リンは、リンなんだよね?」

「そうだよ」

「居なくならないのだよね?」

「うん。そうならないためにも、何をしなっくちゃならないか考える必要がある」

「そう・・・それで、さっきのミトナルさんが、21人の中の1人なの?」

「うん。多分、僕の味方だと・・・思う」

「それじゃ會いに行かないとだね!」

「え?」

「え?行かないの?」

沈黙が流れる。

マヤが立ち上がって、僕の目線に合わせるように中腰になる。

「今のリンは、真命が書き換わっているのだよね?ミトナルさんが、なんで、リンの事がわかったのか、確かめないと、どうしたらいいのかわからないよね?」

「あぁぁ」

「それに、味方の可能が高いのなら、話を聞くだけでもいいと思うよ。僕に聞かれたくないのなら、寂しいけど、席を外すよ」

「・・・そうだな。會いに行くか?マヤと二人なら、”いざ”となったら、逃げられるだろうし、二人なら怖くないよな?」

「うん。そうだよ!あっでも、そうだ!リン。さっきの手紙に、リンの”ちきゅう”?での名前書いて!」

「え?なんで?」

「いいから!」

マヤに言われるままに、”神崎凜”と書いた。

「へぇこれが、リンの真命なんだね?」

「そうだ!マヤ。真命で思い出した。ちょっと、僕を鑑定して、真命を見てみて」

「え?うん。いいよ」

戻さない狀態で、真命を鑑定してもらった。

「リン=フリークス・マノーラって出ているよ」

「そうか、それじゃ、真命を元に戻すな。これで、鑑定してみて」

「うん!」

さて、どうなる?読めるのか?

「リン。これを読めばいいの?」

「あぁ僕の真命はどうなっている?」

「”リン=フリークス・テルメン”になっているよ。名前と一緒だよ」

そうか、うまくできているな。

”転生者”が見た時には、日本語で見えるけど、日本語が読めない人が見た時には、名前がそのままコピーされるのだな。

もう一つ実験をする。これが功したら、和葉たちがなにかをやろうとしているのか、わからないけど助けになるだろう。

「マヤ。もうしやってみたい事有るけどいい?」

「うん。今度はどうするの?」

「できるかわからないけど、マヤの真命を変えられるか試していい?」

「いいよ。変えられたら、僕の真命も、リンと同じにしてしいな!」

「わかった。やってみるね」

まずは、マヤを鑑定して、出てきた真命を隠蔽できるかやってみるがダメだ。

今度は、マヤにれながら、ステータスを表示させた狀態で、真命を隠蔽してみる。できそうにない。

「マヤ。僕が、隠蔽を作させるから、真命の変更を自分でやってみて」

「どうやるの?」

「僕がやっているのは、真命を変えると、念じてから、変えたい真命を考えればできると思うよ」

「わかった!」

「いい。”隠蔽”」

”マヤ=フリークス・マノーラ”に変更できている。このやり方でいいようだ。

「できたみたいだね」

「うん!これで、リンと同じだね!」

「ついでに、鑑定も隠蔽しておこう。あと、魔法の屬も隠蔽しておいたほうがいいだろうな」

「わかった!」

ついでに鑑定で見るけど、しっかり変更されている。つかれる。

自分のステータスを確認した。

真命:リン=フリークス・マノーラ

ジョブ:使い

力:80

魔力:80

腕力:70

敏捷:50

魅力:190(+250)

魔法:外(2)

スキル:隠蔽(4)、言語理解、念話(2)

ユニークスキル:との會話(1)(隠蔽)

エクストラスキル:萬鑑定(3)(隠蔽)

おっ隠蔽のレベルと、念話と、鑑定のレベルが上がっている。

隠蔽を鑑定してみる

// 隠蔽:ステータス/鑑定時に表示される項目の隠蔽及び変更ができるスキル

// レベル1:ジョブを除く項目の隠蔽/変更が可能

// レベル2:他人のジョブを除く項目の隠蔽/変更が可能

// レベル3:自分のジョブ項目の変更が可能

// レベル4:ステータス値の変更が可能

// レベル5:他人のステータス値の変更が可能

レベル5以上はなさそうだな。

それでも使い勝手がかなりいい。とりあえず、ジョブを変更して、ステータス値も変えておこう。

念話も鑑定しておこう

// 念話:頭の中で會話ができる。発聲を持たない者との會話も可能

// レベル1:接狀態で會話ができる

// レベル2:非接狀態で會話ができる

// レベル3:念話を持たない者との會話ができる

// レベル4:これ以降は、レベルアップで會話可能距離がびる

「ねぇリン!すごい。変わっているね」

「あぁそうだ。マヤ。って、ステータスを見る時と、鑑定で見る時で違いがないか見てくれないか?」

「うーん。いいけど、キスしながら、ステータス見ていい?」

「マヤ・・・いいよ。おいで!」

マヤを抱きしめた。

軽くれるようなキスをした。

「リン。あのね」

「なに?」

「なんでもない。もっと、強く抱きしめて!」

「いいよ」

「嬉しい・・・。あっあのね」

マヤは、僕に抱きつきながら、耳元でささやくように話す。

「それでね。”念話”の項目が、鑑定では出るけど、ステータスチェックでは見えなかったよ」

「そう・・ありがと。念話の橫の數字は見える?」

「ごめん。覚えてない。もう一度見ていい?」

「いいよ」

マヤは、自分からを預けて、長めのキスを求めてきた。

「鑑定では、數字が見えるけど、ステータスチェックでは見えなかったよ」

「マヤ。ありがとう。だいぶわかったよ」

ねぇリン。僕のわがまま聞いてくれる?」

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