《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第十七話 約
「ミル。実験に付き合ってしいけど時間大丈夫か?なにか、約束があるのなら、言ってね」
「大丈夫。リンの方が大事」
「うっうん。ありがとう」
僕の両親の話しがあるとはいえ、ここまでしてくれる理由がわからない。
でも、いつもなら、怒り出しても不思議じゃない、マヤが今日は靜かにしているし、わからないけど、ミルに寄り添っているようにさえ思える。
機嫌悪くなるよりもいいのだろうな。
「ミルの真命を変えるのと、鑑定でも見えないように、隠蔽してみよう。あと、ジョブも変えよう」
「え?やってくれるの?」
「うん。実際には、僕は手助けするだけなのだけど、ミルが隠蔽を持っているから、マヤと同じにできるかわからないからね。だから、実験だと思ってよ。何回か、試す事になるかも知れないからね」
「わかった。どうやるの?」
手順を説明する。
マヤの時には、抱きしめるようなじでやったが、手を握っているで大丈夫だと思う。
「抱きしめてくれてもいいけど・・・」
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ミルは、ちらっとマヤの方を見る。僕の方ではなく?
「ねぇリン。最初は、確実にできる方法で試してみて、徐々に試してみるのがいいよね?ミルもそれでいい?」
「は?」
「うん!」
なんでこうなったかわからないけど、僕は、今、ミルを抱きしめている。
耳まで真っ赤にして、うつむいている同級生・・・転生先でよかった・・・を腕の中に収めて、耳元で説明をしている。
『ねぇリン。1つ相談があるけどいい?』
『なに?』
マヤからの念話だ。
『僕から説得するけど、ミルを彼にしない?』
「はぁぁぁ?!あっごめん」
ミルが、びっくりして僕の顔を見上げる。確かに、人で、すごく可いのは認める。
「リン。びっくりしすぎだよ?」
「マヤこそなんでだよ?」
「そんなに?」
「うん。そりゃぁミルは可いよ。すごく可いと思うよ。でも、ミルが僕の事を、そんな風に考えるわけないよ!」
「・・・」「・・・」
「あっ」
やってしまった。
「あのね。リン。僕は、対外的には、リンの妹なんだよ。殘念だけどね。僕では、害蟲避けにはならない。でも、ミルなら、害蟲避けになってくれるし、僕の事も拒否しない。そうだよね?」
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抱きしめたままの、ミルの方を見てしまった。
僕と目線があって、慌ててそらした。
「僕でお役に立てるのなら喜んでやるよ」
「マヤ。ミル。その話しは今度ゆっくり聞く。まずは、隠蔽をやろう」
「えぇぇ!!」「うん」
マヤを無視して話を進める。
ミルに、マヤにした通りの説明を行う。
真命の変更。ジョブの変更はできた。抱きしめていなくても、手を握っているだけでも大丈夫なようだ。離れるときに、し殘念な気がしたのは黙っておこう。話がややこしくなるのがわかりきっている。
「次に、スキルの隠蔽だけど、どうする。最初は、抱きしめてやってみる?」
「うん!」
し食い気味なのにはびっくりしたが、なぜか、後ろからではなく、前から抱きしめてやってみる事になった。
同じように、ミルがやってみてもダメだ。マヤが鑑定で見ているから間違いはない。
「ねぇ僕の時には、僕が隠蔽を持っていないから、僕が隠蔽したいスキルを考えたけど、ミルは隠蔽を持っているから、リンが直接やらないとダメなんじゃないの?」
「どうやって?」
「うーん。もっと深いつながりを作るとか?」
「だから、どうやって?」
「例えば、キスしながらやってみるとか?」
「はぁ?マヤ。お前、何言っているのだ?」
同意を求めるために、ミルを見てみるが。何も言わない。むしろ、やってみようというじにさえ思える。
「僕は、大丈夫」
「なっミル。ミトナルさん。自分で何を言っているのかわかっているの?キスだよ。好きでもない男とキスできるの?」
「ん?僕、リンの事も、凜くんの事も好きだよ?」
何を今さらってじで言われても、そんな事知らないよ。
首をかしげて見ても、知らないは知らない。マヤも、なんでそんな當然のような顔をしている。
「ほら、リン。試して見てよ!ミルもいいよね?」
「うん!リンは、僕のファーストキスでは不満?」
「いや、不満なんて、ミルは可いと思うし、人だと思うよ」
「なら大丈夫。マヤの許可があるのなら、僕は斷らない。むしろ嬉しい!」
覚悟を決めるか、なにかで読んだけど、の子が覚悟を決めているのに、男が逃げるのはダメだと・・・恥をかかせることになる。
これは、実験のためにやっている。実験のために必要な事。
「ミル。いいね?」
「うん」
ミルを抱きしめる。好きな妹の前で、他のの子とキスをするというシチュエーションが奇妙に思えてしまう。
が震えている。でも、ここでやめたら、何もならない。ミルのにれる。マヤとは匂いもも違う。そんな事を考えていたら、ミルの方から、腕を絡めてきて、舌をれてきた。
舌をけれながら、隠蔽を発させる。ミルのステータスが表示されている。そこには、隠蔽すべきスキルが表示されていない。魔法の隠蔽を行う。表示が消える。そうか、鑑定からの隠蔽では、スキルの上からスキルをかけるようなだ。ステータス表示はスキルではない。だから、僕のスキルが作用する事になる。
考えながら、ミルの舌のを確かめる。
これ以上確かめていると、大きくなってはダメな所が、大きくなりそうだ。ミルの舌を追い出して、を離す。
「・・・リン。嬉しい」
ミルは、マヤから見えないように、僕の大きくなりそうな所をってからを離した。
「マヤ。どう?」
「うん。スキルは変わらないけど、魔法の項目が消えたよ」
「やっぱりだな」
「どういう事?」「わかったのなら良かった」
マヤが何故か嬉しそうだ。
解った事を説明した。れていないとダメな事には違いはないが、握手でよさそうな事も話した。なぜか、ミルとマヤが殘念そうな顔をしていたのは、スルーさせてもらった。
それから、ミルに一度隠蔽を解除してもらって、握手をしながら、ステータスの隠蔽を行う。
魔法は、ミルの指定通りに、黒以外を隠蔽する。ジョブを見ると、黒魔法師となっている。それに合わせる格好だ。スキルも、全部隠蔽する事にした。真命を確認した。
「ミル!」
「なに?」
「お前の真命」
「うん。いいでしょ?」
真命:ミトナル=アカマース・マノーラ
ジョブ:黒魔法師
力:240
魔力:320
腕力:180
敏捷:190
魅力:100
魔法:黒(2)
「なんで、マノーラにしている?それに、その真命の付け方だと」
「付け方だと?」
「あぁぁもういいよ」
「うん。ありがとう」「優しいね。リン」
この付け方だと、結婚した時、または婚約狀態になる事を示している。
マヤが何故か認めているのが気になる。が、聞いても、教えてくれないだろうな。
「それで、リン。みんなに會ってくれるの?」
それが問題だけど、重久がギルドを立ち上げるのなら、支援したい。そのためにも、僕のチートスキルを使って、安全に進行できる狀況にするのは、いい考えだと思う。でも、僕が”神崎凜”だと示すのは、まだ抵抗がある。和葉には、白い部屋での事もあるから、會って話を聞きたかったが、ひとみには、顔を合わせにくい。
僕が考えていると、ミルが妥協案を出してくれた。
「ねぇリン。2つの事を約束してくれたら、妥協案を提供できる」
「ん?なに?」
「簡単な事。もう一度、キスしながら、僕の真命を変更する。そして、フェムたちとの話が終わったら、もう一度キスしながら真命を変更する。ただそれだけ。マヤも、私のわがままだけどいい?」
「僕は、それでいいよ。僕は、寢る時に、リンに沢山キスしてもらうから」
「あの?僕の・・あっはい。大丈夫です」
二人のに凄まれたら、イヤとは言えない。
それから、ミルの妥協案を聞いた。
要約すると、ミルが町の中で絡まれていた所を、マヤに助けられる。スキルを盜み見た集団が、ミルを攫おうとしたのが原因だという事にする。それを聞いた、マヤが、僕(リン)のスキルは、真命の変更や、ジョブの変更や、スキルの完全隠蔽ができる事を教えられて、実際にやってもらったことにして、皆にも同じ事ができるように渉してあると説明する。
その後、皆が同意したら、僕が行って隠蔽を行う。その後、重久の”ギルド”の話を聞いて、興味があるから協力するという流れに持っていく。
ミルの提案は、理想的だと言える。
僕の事を隠せるだけ隠した狀態で、サポートができるのだ。二回のキスと、沢山のキスで得られる狀況としては、最高のものだろう。
それを僕は承諾する。
ミルは早速、真命を修正するようだ。名前と真命を同じにすると言っている。
僕は、ここでミスを犯していた。キスで行う必要はなく、真命の変更は、ミルが主導権を握る。なにがいいたいのかというと、キスを僕から辭める事ができないという事だ。イヤじゃないから、また質が悪い。
抱きしめて、を合わせると、舌がってきた。
けれないという選択肢はなかった。マヤが、なにかをしているのだろう。
「リン。ミル。僕、飲み片付けてくるね」
そう言って、部屋から出ていった。
『リン。キスだけだよ、今許すのは!』
念話でそれだけ言って部屋から出ていった。だったら、部屋から出ていくなよと思ったが、後の祭りだ。
ミルは、舌をかしている。をピッタリと著させてくる。膨らみ始めている部分がわかるように押し付けているのは間違いない。どのくらいそうしていたのだろう。
やっと、舌を引っ込めた。
「ありがとう。変更できた」
ミルはそうやってにこやかに笑うが、すぐに変更されているのは、ステータスを確認しているからわかっている。
一度、顔を離してから、先程以上に腕に力を込められて、抱きつかれる。
耳元で、
「僕のは自由にしていいよ。全部、リンのだよ」
それだけ言って離れた。
丁度、マヤが帰ってきた。これからの事を相談した。基本的には、僕とマヤは、宿屋で待機している事になる。
/*** マヤ・アルセイド Side パシリカの後 ***/
『クスクス』
「だれ?」
『僕だよ?わからない?』
「リン?」
『殘念。凜兄じゃないよ』
「え?リン兄?」
なにこれ?
頭の中に聲が聞こえてくる。
『これは、念話というスキルだよ』
スキルに、念話とある。
「それで、誰?」
『ごめん。それはまだ言えない。でも、マヤ。キミに伝えたい事がある』
「え?なに?」
『マヤは、リンと義理の兄妹だって事は知っているよね?』
「うん。でも・・・」
『ううん。その事ではなくてね。キミの種族に関してと、これからの事に対する、しのお節介かな』
「種族?」
『マヤ。キミ。いろいろ不思議に思っているでしょ?』
「・・・」
答えられない。
そう、僕は怪我をしても、すぐに治ってしまったり、皆には見えない者が見えたりする。多分、霊なのだろう。パシリカの前にも、いろいろ見えていた。
『それは肯定と同じだよ。それから、キミ、リンに噓ついたよね?』
「え?」
『エクストラスキルのことだよ』
「・・・」
『怖かった?』
「うん」
リンには、エクストラスキルなんてないと答えたけど、僕にはわからないスキルが1つある。とっさに、リンに噓を、隠してしまった。
『それが目覚めるときに、キミは本當の種族に生まれ変わるよ』
「生まれ変わる?」
『そう』
「え・・・それじゃ、リンと一緒に居られないの?」
『表現が難しいな。則事項みたいで教えられない。けど、一緒にいられるよ。でも、それは、マヤ。キミがんでいるのとは違うかもしれない。一緒にはなれない。けど、一緒にはいられるよ』
「・・・そう・・・リンは、僕を選ばないの?」
『それも違うよ。それは、時期が來ればわかることだよ』
「わかった。わからない事が解った。でも、一緒にはいられるのだよね?」
『うん。それは、僕が、マノーラの名前にかけて保証するよ』
「マノーラ?」
『おっ時間が迫ってきているよ』
「時間?」
『最後に1つ、マヤ。キミと波長があう娘が1人居るはずだよ。その娘は、リンの事を、マヤの事を、絶対に裏切らないよ。そして、マヤとリンの側にいてくれる娘だよ』
「波長?どうやって?」
『握手したり、ってみればわかるよ』
「わからないけど、わかった。探してみる!」
『うんうん。そんなに難しくないから大丈夫だよ。それじゃまたね!』
あっ
結局誰だったの?
すごく疲れた・・・眠くなってきちゃった。
あっリンは何を・・・眠いよ
最果ての世界で見る景色
西暦xxxx年。 人類は地球全體を巻き込んだ、「終焉戦爭」によって荒廃した………。 地上からは、ありとあらゆる生命が根絶したが、 それでも、人類はごく少數ながら生き殘ることが出來た。 生き殘った人達は、それぞれが得意とするコミュニティーを設立。 その後、三つの國家ができた。 自身の體を強化する、強化人間技術を持つ「ティファレト」 生物を培養・使役する「ケテル」 自立無人兵器を量産・行使する「マルクト」 三國家が獨自の技術、生産數、実用性に及ばせるまでの 數百年の間、世界は平和だった………。 そう、資源があるうちは………。 資源の枯渇を目の當たりにした三國家は、 それぞれが、僅かな資源を奪い合う形で小競り合いを始める。 このままでは、「終焉戦爭」の再來になると、 嘆いた各國家の科學者たちは 有志を募り、第四の國家「ダアト」を設立。 ダアトの科學者たちが、技術の粋を集め作られた 戦闘用外骨格………、「EXOスーツ」と、 戦闘に特化した人間の「脳」を取り出し、 移植させた人工生命體「アンドロイド」 これは、そんな彼ら彼女らが世界をどのように導くかの物語である………。
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