《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第一話 ロルフ・アルセイド

リンは、聲に導かれるように教會のような建の中を進む。

教會のような建の中は禮拝堂の様になっていてなにかの儀式に使われるような部屋だ。

聲は、そこで終わらずにリンを”マヤが大人になったような像”の橫の扉から奧に行くように指示を伝える。

リンは、導かれるように奧にっていく、実際に聲の指示に従うしか選択肢がないのだ。

廊下のような通路を歩いていると正面に豪華な扉が見えてきた。

”扉に魔力を流してください”

言われた通りに扉にれながら魔力を流す。

”魔力を検知・・・・適合”

扉が靜かに開いた。

「ここは?」

”神殿の心臓部。マヤ様がお眠りになっている場所だ”

「マヤ!マヤは無事なのか?」

”マヤ様は不滅。損傷が激しく人の形が保てなくなっている”

「そうか・・・。それで、俺はどうしたらいい?」

”貴殿では、マヤ様の依代になれない。魔力も適合しなかった”

「依代?」

”マヤ様のだ。貴殿と同時に落ちてきた人族の娘だった二人も依代には不適格だった。魔力も適合しない”

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「魔力の適合があるとどうなる?」

”マヤ様に魔力を流し込む事で、回復が早まる”

「簡単に言えば、依代となる人間を探してくるか、マヤに適合する魔力を持った人間を探せばいいのか?」

”そうです”

「依代は死んでいる必要があるのか?」

”活が停止し神が無い方がましいのです。生きているとマヤ様の復活の為に、許可や侵食が必要です”

リンは、説明を聞いても何もできないと考えるしかなかった。

まずリンが殺しても良いと思える人間が、マヤの依代になるのは気分的にも神的にも耐えられそうにない。

魔力にしても同様なのだ。

それではどうしたらいいのだろう?それが全く思いつかない。だから余計に苛ついてしまいそうになっているのだ。なんとか、気持ちを落ち著かせようと思っても、村長の裏切りだけではなく、サラナが最後に言った言葉が気になってしまっている。

そのために、自分がなぜ無傷であの部屋に居たのかという最初に聞かなければならない事を聞き忘れてしまっていた。

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「そうだ。落ちてきた二人は損傷が激しいと言っていたけど、どんな狀況なのだ?」

”神殿を汚すわけにはいかないので、外部の部屋に安置しております”

「案してくれ、俺が知っている二人なのか確認したい」

”わかりました。え?あっ・・・。わかりました・・・。そう致します”

「どうした」

し待ってください”

「あぁわかった」

聲の主が、リン以外と話をしてなにか命令されたようなじをけた。

5分位待っているとリンの目の前に魔法陣が出現した。

1分ほどを放ってから集束し始めた。

「!?」

リンの前で、頭を下げる。”貓”が居た。

形は貓で間違い無いのだが、大きさは小型のライオン程度はある。見事な茶トラの大型の貓?が目の前に現れたら驚かない人間は居ないだろう。

リンは目の前の貓を観察していた。そして、かなり失禮な事を考えていた。

騎獣にするには小さすぎる。連れて歩くには大きすぎる。中途半端な大きさだなと思っていた。

「おまたせしました(マスター)」

「ん?え?なに?」

「マノーラ様からのご命令です。貴殿をサポートします」

「ん?サポート?聲はさっきの聲と似ているな?神殿のサポートをしていた霊だよな?マヤは大丈夫なのか?」

「マヤ様は、マノーラ様が保護されています」

「いろいろ聞きたいけど、まずは君の名前を教えてほしいのだけど?」

「貴殿が決めてください」

いきなり出てきて、名前を決めてくれと言ってきた貓をリンは見ている。

観察はすでにしているのだが、それ以上にどうやって喋っているのか気になってしまっている。

そして、話の途中で出てきた、”マノーラ様”も気になっている。

「名前か・・・。”ロルフ・アルセイド”では問題あるのか?」

リンから目の前に座る貓に魔力が流れた。そして、貓のった。

「え?あっ・・・」

何やら貓が驚いているのだが、遠くを見て誰かと話しているようだ。

そして、が収まって、憮然とした表を見せる貓型霊ロルフ・アルセイドがリンの方をしっかりと見て話しかける。

「問題ありません」

リンは、何が起こったのか聞こうとしたが、ロルフは教えてくれるような雰囲気ではないので、別のことを聞くことにした。

「問題が無いのならいいぞ?それで、サポートは神殿の中だけなのか?」

「いえ、殘念な事に、本當に、すごく殘念な事に、これから、マスターのサポートをします。よろしくお願いします」

「支配魔獣というじでいいの?」

「そう思ってください」

なんとなく、釈然としない顔をしてリンはロルフと名付けた貓型霊を見ている。

ロルフ自も、今の狀況は不本意だった。自分は、マヤに仕えるのだと思っていたからだ。それだけではなく、姿を現してリンを案するように言われて名前をもらいなさいと言われ”マノーラ神”から”必ず、リンから名前をもらう事”と言われてその通りにしたら自分が”リンの眷屬”になってしまったのだ。

を従える方法はいくつかある。

一般的に言われている方法は”隷屬”だ。

隷屬は魔を屈服させて隷屬の魔法で縛る行為で殆どの場合がこの隷屬だ。

隷屬の上位互換となるのが、”支配魔法”になる。隷屬と違って屈服させる必要はなく、支配魔法がレジストされない限りは支配できる。隷屬の場合には、ステータスには”隷屬”と表示され、支配魔法の場合には”支配”と表示される。

隷屬も支配も、魔力を持っている者が対象になるのだが、真命を持っている場合には、真命での契約になりレジストされやすい。その為に人に使う事は難しいとされている。鑑定があり真命がわかっている場合でも、隷屬や支配される者の能力が高いとレジストされてしまう。

眷屬は、隷屬と支配とは違って、魔と會話をして”名”を與える事でり立つのだが、単純に名前を與えるだけではり立たない。

側が了承しないとダメなのだ。それを強制的にやってしまったのが、今のリンが行った行為なのだ。だから、ロルフは驚いてマノーラ神に問いかけたのだ。しかし、マノーラ神の回答はロルフがんだではなかった。

そして通常は名をもらうと”従魔”になる。リンがロルフに行った結果は”眷屬”である。

「マスター。それで、落ちてきた人間を確認に行くのですよね?」

「頼めるか?」

「はい」

「それで、ロルフは、このサイズがデフォルトなのか?戦闘も大丈夫なのか?」

「おっしゃっている意味がわかりませんが、大きさは自由にできます、戦闘はマスターを守れる位には強いです。鑑定があるのですから、鑑定していただければ解ると思います」

リンは、言われて鑑定を使っていなかった事を思い出したが、別に問題ないと思っている。

自分のステータスを確認した時に

// 眷屬:ロルフ・アルセイド

となっていたので、ロルフが自分の眷屬になった事や従魔扱いで問題ないと簡単に考えていたのだ。

しかし従魔と眷屬には大きな違いがある。

従魔は、主人に従う魔という意味だ。命令を聞くも聞かないも魔側の判斷になる。これは、眷屬も同じだ。隷屬や支配の場合には、命令に逆らえないようになっている為に十全の力を発揮するのは難しい。長い年月ともに行して、隷屬や支配された魔が主人として認めて自らの力を解放して初めて本來の力が発揮できるのだ。従魔や眷屬の場合には最初から十全の力を使える狀態なのだが、力を使うかどうかは魔側がトリガーを持っている。

そして、隷屬や支配や従魔と違って、眷屬には大きなメリットが存在している。眷屬側の力権能が主人に流れ込むのだ。眷屬が使えるスキルや魔法は、主人が使う事ができるのだ。條件としては眷屬が側に居る必要はあるのだが制限を上回るメリットになっている。そして、ステータスも數%だが主人にプラス補正される。眷屬が増えれば増えるほどに強くなっていく、リンは同級生の中で一番制が難しいが最も優秀なチートを持っていたのだ。

そして、眷屬のちからが使えるようになっている事やステータスの底上げも、ステータスにも表示されない為にリンは気がついていないのだ。

リンがロルフの力権能を取り込んだ形になるのだが、表示されない上に、ロルフもマノーラ神もリンに教えるような事はなかった。

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