《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第二話 サラナとウーレン

リンは、ロルフに通常リンが知っているの貓のサイズになってもらって案を頼んだ。

ロルフは、教會のような建を出て隣の建に向かって歩いていって扉の前に座った。

「この中に安置しています。話を聞いて、私は我慢できそうにないので外で待っています」

「それは俺も一緒なのだな。死んでいるから殺さないだけだ。気分は最悪だけど、本人なのか確認をしておきたい」

リンは、扉に手をかけた。

(冷たい)

リンは気溫に関して考えていたのは間違いではない。神殿(教會のような建を含む)の中は一定の溫度で保たれていると考えてよい。神殿全は22度前後に調整されているのだ。

「ロルフ。この部屋は寒くしているのか?」

「そうしたほうが良いと聞いたので、神殿の機能で室溫を下げています。現在は、水が凍る程度の室溫になっていると思います」

「わかったありがとう。寒いからさっさと確かめて出てくる」

「はい。お待ちしております」

(ロルフは、貓型だから寒いのが苦手なのか?)

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「マスター。私は、貓型霊で、貓ではありませんので、寒くても平気です。間違えないでください」

「え?俺、聲に出していた?」

「いえ、なんとなく、マスターが私を貓と同一視しているのではないかと思っただけです」

「あぁ・・・。わかった。ごめん。ごめん。行ってくる」

「はい。わかっていただければ幸いです」

(うん。後で確認するけど、ロルフは雌だな。あの鋭さは、マヤやミルに通じるがある)

リンはそんな関係ないことを考えながら、再度扉に手をおいた。押す様になっているので、扉を押した。冷気が足元に流れ出てくる。リンが部屋にると、扉が閉まって部屋が明るくなる。

中央付近に寢かされている狀態の二人が目にる。

(なぜ!全?)

二人は、服だけではなく下著もにつけていなかった。

(ロルフが依り代にしようとして確認した時にがしたのか?)

リンは、二人の顔を確認した。

首を切斷された狀態だが嫌悪は生まれてこなかった。小さく膨らみかけた部や顕になっている部を見てもする事はなかった。”形は微妙に違うのだな”程度の想しか持てなかった。友達だと思っていた二人に裏切られたマヤの気持ちを考えると、二人を敬う気持ちは微塵も湧いてこなかった。

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思春期男子としての好奇心を満たそうかと思ったのだが、リンの脳裏にマヤとミルの怒った顔が出てきて、好奇心を満たすほどの観察はしないようにした。

部屋の隅を見ると、二人が著ていたと思われる服が雑に捨てられていた。

流石に寒くなってきたリンは、二人のに手を合わせてから服一式を持って部屋を出た。

「マスター。どうでしたか?」

部屋から出ると、ロルフがリンに話しかけてきた。

「あぁ間違いない。マヤを裏切った二人だ」

「そうでしたか?はどうしますか?」

「今まで、マガラ渓谷に落ちた奴らはどうしていたのだ?」

「殆どの場合は、途中で引っかかって魔に捕食されています。ここまで落ちてきた者は一定期間保存してから魔力に還元します」

「わかった。同じ処理にしてくれ」

「かしこまりました。マスター。その手にお持ちなのは、奴らが著ていたですよね?どうされるのですか?マヤ様にはし貧素だと思います」

「ん?なにか、証拠が無いか探しておきたい」

そういいながら、リンは二人が著ていた服を調べ始めた。

下著の類も有ったのだが、それほど関心を示す事はなかった。サラナが著ていた服の中に部を覆っていた布があり、羊皮紙が挾まれていた。

読みにくい文字だったが一通りは読むことはできた。

リンは読み終えてから、羊皮紙を燃やしてしまいたい衝に駆られた。

踏みとどまったのは、これが証拠になる事と、これを”サラナとウーレン”のしたことの証明になり、自分が行うであろう事の正當を証明するになると考えたのだ。

リンは、あの村には未練がなくなった。

王都に拠點を作るか、この神殿に拠點が作る事ができないかと考え始めているのだが、だが未だビジョンは固まっていない。

「マスター。何かありましたか?」

「あぁとびっきりの土産があった」

リンがニヤリと笑って、羊皮紙をロルフに見せる。

同時に、二人がにつけていた下著を服の一部で包んでしまった。族が一番嫌がる品に持っていこうと思ったのだ。この下著を見た二人の両親が苦しめばいいと思ったのだ。下著には、殺されたときに付いた排泄の後が付いている。両親の行いが娘たちを追い詰めて、恐怖を與えて形が殘らない汚れた下著しか殘らない狀態にしたのだと苦しめばいいと思っているのだ。

ロルフは、リンの行いが理解できなかった。

それなら首を落として首を族に渡せばいいのにと思っていたのだが、リンのやりたい様にさせる事にした。

リンには、サラナが最後に呟いた言葉”ごめん”の意味もわかった。だから、をこれ以上辱める事はしないと決めたのだ。

二人は、村長と両親たちに言われて、リンをマガラ渓谷に落とそうとしたのだ。

そして、二人は王都で助かっていたマヤを見て心底喜んだのだった。できれば、このまま村には戻ってきてしくなかった。マヤから聞いた、アロイに居る”ナナ”というに二人のことを頼むつもりで居たのだ。その時の為に羊皮紙に今までの事を書き留めていたのだ。

そして、ウーレンの下著の中には村長にばれないように、銀貨3枚が隠されていてナナへの依頼料にする予定だったようだ。

二人がここまで悩んだのには理由がある。村長が二人の両親を巻き込んで、兄弟を・・・。姉妹を人質にとるようなことを言ってきたのだ。村長としては、領主に言われて従う以外の選択肢がなかったのだとしても・・・。二人は村長が”リン”を殺したがっていると見えたのだろう。

メロナで一緒になった時も、自分たちではなく”リン”を殺すつもりなのだろと考えたのだ。

それではマヤは?

村長が二人に言ったのは、領主の息子がマヤをしがっている。それができなければ、サラナとウーレンと二人の姉妹を差し出せと言ってきていると言われたのだ。マヤを領主の所に屆ける為に、リンが邪魔だと言われて、リンさえ納得してくれれば大丈夫と思ったのだ。領主からは、マヤを差し出せば稅を軽くする事も考えると言われたそうだ。家族の為、村の為、そして、自分自の為に、二人はマヤを領主に差し出そうとしたのだ。

そのために、リンを殺す必要があると村長や両親に思考導されたのだ。

「村長だけは許せない」

リンの偽りのない本音だ。

簡単に殺す事はできない。

確かに、サラナの告白やリン自が居る事で、証拠があるとはいえ安全だとは限らない。

まずは、後ろ盾を確保してから村長やアゾレムに一矢報いることを考えていた。幸いな事にローザスだけではなくミヤナック家や教會の一部も、後ろ盾になってくれる可能がある。ギルドに依頼という形で協力を求めてもいいだろう。アゾレムは立花なのだから。

(後ろ盾を得る為にも、神殿を出て、王都に向かわなくてはダメだろうな)

「ロルフ!」

「なんでしょうか?」

「神殿から出る方法があるとか言っていたよな?」

「ありますが、確実ではありません。マヤ様の復活まで待つのが得策だと思います」

「このまま適合者が現れなければ、マヤの復活はどのくらいになる?」

「そうですね。2萬時間ほどだと思います」

「は?もう一度頼む」

「正確には、1萬9728時間です。端數は削りました」

「・・・。二年以上」

霊や神族には、一瞬です」

「そうだったな・・・。でも、俺は、2年間もここに居るのは無理だな」

「なぜですか?」

「ロルフ。飲みは、水があるようだけど、食べはあるか?」

「ありません。ちなみに、神殿の中心にある噴水は、水ではありません。魔力を含んだ魔水です。人族が飲んだら死ぬことはないと思いますが、多苦しむと思います」

「俺はここで2年間待つ事ができないと言っているのと同じだと思うけどな?普通に死するぞ?」

「そう言えば、人族は食べないと死ぬのでした。忘れていました」

「・・・」

「多・・・。危険ですが、行き先不明の転移門を開きましょう」

「おっぉぉ。危険でも、外に出られるのなら、出てから考えればいいだろう。ロルフも付いてきてくれるのだろう?」

「不本意ですが、マスターに付いていきます。マヤ様に付いていられないのが不本意でしょうがないのですが、マスターに従います」

「ありがとう。それじゃ、その行き先不明の転移門を開きに行こう」

「かしこまりました」

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