《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第3話 vsケルベロス
數時間歩くも、未だ何も見えず、相変わらず暗い空と地面だけが続いている。
し道幅が広いとは言え、両橫は巖壁。
◇
また數時間歩く。
お腹が減ってきた。ここまで木の実らしきものは皆無、それどころか植らしきものも見當たらない。
道中に、暗くてよく見えないが多分赤い (?)した狼と遭遇。
飛び掛かられ、咄嗟に防した腕を噛まれたが『ガギンッ』という音がした後、狼の歯の方がボロっと崩れ落ちた。
食べるのも最終手段と思ってたけど、もう目の前のこの狼がにしか見えなくなってきたので、狩って焼いて食べた。
サバイバルは初めてだから、皮剝いだり、抜きしたり、をそぎ落としたりと、わからないことだらけで難航したが何とか食にありつけた。
焼くための火は火魔法が使えたから問題無かった。
「結構大きいわね……でも食べ切れない量じゃないから綺麗に平らげよう」
塩も何も無いから、あまり味しいとは思えなかったが、命を頂く手前、全部食べねば失禮だろうと思い骨を除いて全て平らげた。
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そこからしばらく歩くと、両方にあった壁の片側が崖に変わった。
どうやらここから先は片側に壁が無いらしい。
崖下を覗いてみるも、真っ暗だから何も見えない。が、大分高いところを歩いているということがわかる。
そこからまた大分歩いたところで、やっと二又に分かれた道に當たった。
真っすぐの道はまだまだ先に続いてるみたいだ。
左側を見ると門が見えた。
近くに行って見てみる。
「門大きいな~! 何の門なんだろう? ここで隔てられてるようなじはするけど……あっ、もしかしてこれが伝説に聞く、地獄の門ってやつかしら? あの辺りに考える人の像が…………あるわけないか。あ、何か書いてある」
『この門をくぐる者は一切の希を捨てよ』
………………
やっぱりこの先は地獄なのね。
逆に言えば、くぐりさえしなければ地獄行かなくて良いんじゃ……?
「グルルルル」
低い獣が唸る聲がする。
振り返ると、巨大な犬が仁王立ちしていた。
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地獄の門のあるこの場所で犬って言ったら、有名なアイツか。
上を見ると首が三つある。予想通りの『ケルベロス』だ!
高は三から四メートルくらいはありそうだ。
巨大な猛獣を目の前にしているにも関わらず、さっき自分が頑強なであることを認識したためか、恐怖心はほとんど無い。
後ろに飛び退いて構える。
……
…………
………………
攻撃されるかと思いきや、何もしてこない。
仁王立ちしてたかと思ったら、今はちゃんとお座りしてるし、鳴き聲も上げない。
偉いぞ、ワンコ!
じゃあ、門を通りま~す。
………………
通過しながら橫目でチラッと見るも、目の前を通ってるのに何もしてこない……警戒しすぎたかしら。
「地獄なんかには行きたくはないけど、ちょっと興味はあるのよね。し覗くだけなら……」
門の先には地下へと続く階段がある。
多分、あそこを下った先はまさにリアルに地獄のような凄慘な景が広がっているのだろう。
「ちょっとだけ見に行ってみようかな」
地獄に行く必要が無ければ進む必要も無いのだが、好奇心と怖いもの見たさで階段をしだけ下りて覗きに行って――
みようと思ったが、生で凄慘な拷問や殺害の現場なんかを見てしまったら瞼まぶたに焼き付いてしまって夢見も悪そうだと思い、すぐに引き返した。
「極悪人が來るところとは言え、やっぱり人が殘酷に拷問をけてて殺されるところなんか生で見たくないよね~」
と、階段から引き返し、門から出た瞬間。
「グワァオォ!!」
うわ!
何だこのでかいの、舌!? ケルベロスに食べられた!?
ガギギギギギギュイィィィ
なにこの金屬音!?
「ぺっ!」
すぐに口から吐き出され、地面に突っ伏した。
おもむろにと起き上がると、ケルベロスを見て――
「?」
私が首を傾げる。
「?」
ケルベロスも首を傾げている。
雙方共に首を傾げる。
雙方共にわけがわからない狀態で混している。
でも、私の方が先に混が解けた。
強烈な臭いが漂ってきた!
「臭っ! ケルベロスの唾くっさ!」
あ、そうか、ケルベロスって地獄の門にってくる死者の魂には手を出さないけど、門から逃げようとする亡者を貪り食うんだっけ。門をくぐった後に、戻ってきたから襲われたのか。
亡者食ってるからか、ホント臭いな……
そういえば、唾が落ちた場所の土からトリカブトが発生したって伝説があるくらい猛毒らしいけど……今のところは大丈夫そうね。この毒耐もあるのかな?
ケルベロス《コイツ》は死 亡者なんて貪り食ってるから、口に有害なバクテリアが多いのかしら?
まだ首を傾げてるけど、自分が噛んだものが金屬みたいな音を出したから混してるんだろうな。
三つ首が全部首を傾げてるから、何だかちょっと可いく見える。
私も人からまさかあんな音が出るなんて思ってもみなかったけど……人のってさの極致に至ると金屬音が出るのね。まあ現世の人間にそんなこと出來やしないけどさ……
あんな大きいのに噛まれても無傷って、私ってもしかして無敵なんじゃないの?
あちらさんもようやく混が解けたようだ。
まだ襲う気マンマンね。
じゃあ、さっき思い付いた『スキルドレイン』使ってみようかな。
ケルベロスに向けて『スキルドレイン』を放ってみる。
がケルベロスを包み込み、こちらに還ってくる。
お! 頭の中に何か流れ込んでくる。
『三つ首の業火トリプルフレイム』とかいうのを會得したみたいだ。
「――『三つ首の業火トリプルフレイム』を獲得しました――」
誰も言ってくれないから、『転生したらスライム案件』の『大聖者』みたいなじで自分で言ってみた。
さっそく使ってみよう。
「三つ首の業火トリプルフレイム!」
使った瞬間、口と顔の両橫の三か所から炎を吹いた。
結構強い火力。こんなの吐いて大丈夫なのか私の口。
でも、一番問題なのは、むしろその後だった。
「うわ、なにこれ気持ちわるっ!」
自分の顔が三つもある!
自分の目から自分と同じ顔が見える、しかも二つ! 二つの顔が同時に視界にってくる!
これは気持ち悪い……
「ちゃんと元に戻るんでしょうね?」
「ちゃんと元に戻るんでしょうね?」
「ちゃんと元に戻るんでしょうね?」
一人で言ったつもりが、三重の聲で聞こえた。
私以外の二人 (?)も同時に喋るらしい。同じ人間だから思考する容も同じなのか?
しすると首が一つに戻る。
「あ、戻った。良かった、この先三つ首で暮らさないといけないのかと思って焦った……」
さて、ケルベロスは、というと。
う~ん、場所が場所だけに炎に耐があるのか、大したダメージにはなってないみたいね。
炎を浴びせかけられたからか、大分怒りが増してるのがありありと伝わってくる。
なぜなら、炎を四方八方に放しまくってるからね。
「分かり易く怒ってるなぁ……じゃあ誰が新しいご主人様なのか躾しつけてあげようかな」
さっき一瞬食べられかけたから分かる!
今の私なら! この鋼を超えた、鋼鉄のなら!!
拳一つでもこの巨大な犬コロに勝てる……気がする!
向かって左の首が素早く噛みつきに來る!
「もう口の中にるのはゴメンよ!」
上空にジャンプする。ジャンプ力凄い! これは明らかに人間を辭めてるわ。
私、は、人、間、や、め、るぞ! ケルベロス―――ッ!! なんちゃって。
上空から下を見ると、向かって右の首が、大口を開けて上空を仰いでいる。
このままだとケルベロス(右)の口の中に落下する。
「だから口の中にはりたくないんだって!」
ここで背中の羽を使って、空中で一時停止し、向かって右首の噛みつき攻撃をやり過ごし、落下タイミングをズラす。
しかし、この判斷がまずかった。首を蹴りつけて攻撃を反らすべきだった!
他二つの首が炎を吐こうとしている。
「ヤバッ!」
空中で停止したから、咄嗟とっさにはけない!
今までの生活に無かった背中の羽はまだ自由にり切れていない!
このままだと狙い撃ちされる!
衝撃に耐えらえるだったからと言って、炎に耐えられるとは限らない。
これは直接喰らったら、死ぬかもしれない……
々無謀が過ぎたかな……短い無雙期間だった……
ゴォオオォ!!
吐き出された業火にを包まれ、火だるまになりながら地面に落下。
ダメ押しとばかりに、三つ目の首まで長時間の火炎放に加わる。
これだけの強烈な炎を浴びせかけられ、私は死んだ……と思っていたのだが……
あれ? あまり熱くないな?
かなりの火力で炎に巻かれているはずだが、大した熱さは無い。と言うより全く熱くない。
“追い火炎放”までされたのに。
長時間火炎放をお見舞いしたため、ケルベロスはもう終わったと判斷したらしく、油斷し切っている。
炎に巻かれたまま、油斷しているケルベロスのがら空きになったに魔力を込めた一撃!!
「ギュ……ギュォォ……?」
奇妙なうめき聲を上げて、三つ首とも項垂うなだれたので、左右の首に三角飛びで蹴りをれてそのまま上空へ移、最後にダメ押しとばかりに真ん中の首に上空からのかかと落としを叩き込む!
「ギャインッ!」
ケルベロス(真ん中)は、地面に顔をめり込ませて気絶した。
他の二つの首も気絶したみたいだ。
よし! 勝利だ!!
それにしても……
「この楽しいな♪ 私ってこんなにけたんだ! 凄いぞ、こんな大きい相手ですらともしないなんて!」
ケルベロスを倒して得意げになっていて気付くのに時間がかかったが、下を向くと――
今回は今後長い付き合いとなるケルベロスの登場でした。
次回は7月25日の夜頃の投稿を予定しています。
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