《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第29話 死者と生者を區別する門

翌朝。

「「キャッキャ」」

子供の聲で目が覚めた。

外に出てみると、子供數人と大人數人が來ている。

早速ゼロ距離ドアを使って、ケルベロスとコミュニケーションを取りに來ているみたいだ。

昨日は泣くほど恐がっていた子が、攻撃的じゃないのがわかったからか、もうすっかり懐いている。

案の定舐められてもいる。

「危なかった……」

昨日もし口バクテリア殲滅作戦を「明日にしよう」なんて考えて後回しにしていたら、あそこに何人もの死が転がっていたかもしれない……

「あ、アルトラ様おはようございます!」

「アルトラ様おはよう!」

「うん、おはよう。ケルベロスに懐かれるの早いね」

「昨日は恐がっていましたが、村に帰ったら気になってしまったみたいで、今日連れて行けとせがまれまして……」

グッバイ、私の穏やかな朝!

これからはんな人がここを訪れるんだろうな。

散歩がてら來る人とかもいるかもしれない。

もしかしたら今後ケルベロスに餌を與える人も……何だかブクブク太っていくさまが想像できる。

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「あ、一応釘を刺しておくけど、あの門の中には絶対にらないようにね、命の保証は出來ないから」

「はい」

あ、そうだ村人を食べようとしたら、制止出來るようなシステムを作れば良いんだ。

これは私でも実験可能だから、首の形のものを作るか。

そうなると、システムに一人一人顔を覚えさせないといけないんだけど……寫真のように対象を畫像として殘せるものを開発しないといけないという私の苦手とする機械の分野が出てきてしまう……

………………

いや、それよりも生者が地獄の門より先へ行けないような結界を作っておけば良いのか。

これなら魔法の分野だから機械よりは簡単に済みそうだ。

でも、死者だけ通れて、生者は通れない結界なんて創魔法の範疇はんちゅうなのかしら?

は試し、一応『死者だけ通れて、生者は通れない』のイメージで地獄の門の前に結界を張ってみた。

でも、ここでまたしてもあの問題が……

これ『死者は通れて、生者が通れない』って“誰が”実証するの?

萬が一生者が通過できてしまった場合、戻って來て地獄の門から出ようとすればケルベロスの餌食になる可能がある。

私自で実験しようにも、多分私は死者の扱いだから問題無く通過できるはず。

そう思い、自分ので試してみる。

問題無く通過出來た。

門の外へ戻って來た時にケルベロスが私を食べようとする素振りを見せたが、私の顔を見て止めた。あ、顔を反らした。

私は問題無く通過できるようだ。散々死者だと思い知らされてるから、これはもう予想通りだ。

で、ここで新たな問題。

私は問題無く通れたけど、それは私が死者だから通れたのか、そもそも結界がちゃんと機能していなくて生者すら通れるようになっているのかが判斷付かない。

ホントこのは実験向きじゃないな!

あ、そうだ、本人、もとい、本犬ほんけんに通らせれば良いんだ!

ケルベロスは、多分生者サイドのはず。

「ケルベロス、ちょっとちょっと」

手招きして門の前に引き寄せる。

「あんた、ちょっとここ通ってみて」

「?」

門の先へ向かってケルベロスを進ませる。

途中でムギュという音を立てそうなじで顔がしだけ押し潰れた。

「ワゥ???」

何も見えないのにそれ以上先へ進めず、顔が押し潰れているにも関わらず、そのまま前進しようとしているが通過できない。

ケルベロスは通れないことに対して不思議そうにしている。

よし、功ね! 生者が通れないことが証明できた。

これで後顧こうこの憂うれいも無くなった!

と、思ったけど、亡者はちゃんと通れるのかしら?

そこで、また食材として狩ってあるガルムの死の出番。ごめんね、後でスタッフ(私)が(以下略

結界へ向かってガルムの死を投げ込んでみる。

「よっこら~~しょっと!」

ガルムの死は結界を通過して門の向こう側に落ちた。

ちゃんと通過してるから死は問題無く通れるみたいだ。

あとは、また地獄に亡者が歩いてくるのを待つか。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

今日は來なかったな……いつ來るかわからないし気長に待つか。

まあ今日のところは、生者が通れないって証明できただけでも良しとしよう。

翌日。

通り亡者が來訪。

亡者の方一名様ごあんな~い!

さて、ちゃんと通過してくれるかな?

結界に近付くのを確認。これでもし弾き出されるようなら、ここは昨日ガルムの投げ込んだ通り、死以外通れないことになる。

………………

問題無く通過して行った。

やった、これでホントのホントに後顧こうこの憂うれいが無くなった。

猛毒の唾問題は解決したし、地獄の門通過問題も解決できたから、ケルベロスはもうほぼ無害と言っても良いだろう。

それと同時に今日確定したことがある。今まで死んでいるのか生きているのか曖昧だったけど地獄の門を通過できた私は死者の扱いらしいということ。

それと言うのもスキル『疑似生者』って名前がややこしさに拍車をかけていると思う。

あとはこれを半永久的に維持するため、前に作ったゼロ距離ドア同様、魔道として仕立てる。

地獄の門が立派なので、これの前に設置するのは心苦しい。

そのため、門からし離れた門壁の前に、創魔法で門柱を建て、『死者だけ通れて、生者は通れない』のイメージで結界を組み込む。

名前は『死生審判の門』とでもしておこうか。

これでトロルたち生者が間違ってここを通過してケルベロスに食べられる心配はしなくて良くなった。

前回にケルベロスの口の中を綺麗にしておかなければ、子供達は死んでましたね……

次回は8月20日の20時頃の投稿を予定しています。

第30話【潤いの木Ver2草案】

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