《になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。》#4
簀巻姿のまま笑顔でウッキウキだった私は揺れが収まった事に気付いた。どうやら目的地に到著したらしい。さっさと出してくれないかなーなんて安易に思ってたけど、扉が開かれた瞬間冷えた空気が突き刺さるかのようだった。いやね、実際寒いわけじゃないよ。寧ろ暖かな風が吹いてる。馬車の中は空気がくぐもってたからそれは気持ちいい。
けどね……扉を開いた連中の空気がね。重い。見た目はほぼさっき見た奴等と変わらない。同じ種族なんだろうなってのがわかる。そんな奴等が四・五人外にいる。その中の二人がってきて私を一瞥して簀巻の同胞を抱えて外の仲間に渡してる。首をばして外の様子を伺うと、簀巻を外して中を確認してるようだった。そんな時、一人の……と思しき人が見えた。
とわかるのはその人にがあるからだ。あとし線が丸みを帯びてる。男は上半の奴が多いけど、は流石に服を著てる。私とあんまり変わらないじのやつだけど……文明レベルがよくわからないな。
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「デ……デフランなの? 噓よ……噓と言って……イヤアアアアアアアアアアアアアアア!!」
逃げ出したくなった。なんて悲壯なんだろう。私は関係ないで押し通せるかな? 実行犯だし無理かな? 呪い……全ては呪いが悪いで押し通そう。そうしないと殺されそうだし。そう思ってるとを置いて男たちがこっちに來る。今度は私のようだ。どどどどどうしよもないけど、簀巻のままバタバタしてしまう。すると目の前に何かが転がってきた。
「これってダゴちゃんの……」
ダゴちゃんのに有った石。置いてきたのかと思ってたけど、どうやらキレイだからあいつらが持ち込んでたようだ。心細いし、これだけでも……と、思ったけどそれは許されなかった。てか手使えないし。が口に含んで人前に出るとか私のプライドが許さなかった。外に出ると緑の四角い人達がんな目をして私を見てる。
それは恐怖で有ったり怒りであったり、意外なじであったりと様々だけと同的な瞳は見られない。どうやら彼等にこの容姿は武とはならないようだ。今、唯一の私の武が……これは厳しい戦いになりそうだ。
「この娘が現場に居たと?」
「はい、この娘以外には何も……」
「こんな人にしか見えない奴が我らの霊峰と街を消し去ったというのか!? 馬鹿を言うな!!」
おいおい、ほんと馬鹿言っちゃ駄目だよね。なに今の霊峰と街を消し去ったとか? 言葉の理解がまだ甘いのかな? 聞き間違いでしょきっと。まだこっちの世界の言葉に疎いはずだし、その筈……そうだよね? そうであってほしい。
霊峰とかはよくわからないが、街消し去ったとか処刑すら生溫そうな罪狀なんですけど。よく見るとここの人達は皆さん私が運ばれてきた馬車(馬ではない)の傍に固まってる。それは多分家族単位とかで。
そして結構ボロボロで著の著のままというじ……運良く生き殘ったのかな? 私のせい? 私のせいなの? 確かに山は消し去ったけど、あれは私が生きるために必要だったんだよ。まあそれ言ったら無殘な事に絶対なるから言わないけど。そもそも彼等のリーダーらしき奴は私が現場にいただけで、私がやったとは思ってない。
それもそうだよね。私こんな小さいだし、普通はこんながそんな途方もないこと出來るなんて思わない。よし、知らぬ存ぜぬで通そう。そう心に誓う。
「ですが……本當にその娘だけで……それに強力な呪い持ちなようでしてそれでデフランも……」
「呪いだと? まさか隣國が差し向けた生兵か!?」
その瞬間、周りの私を見る目が変わった。それは恐怖。得の知れない存在に向ける恐怖が見て取れる。違う……私が向けられたい視線はそんなんじゃない! と心で言っても伝わるはずは無かった。チヤホヤ……チヤホヤされたいだけだったのに……どうしてこうなった。
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