《魔法が使えないけど古代魔で這い上がる》5 神(仮)はポンコツ?

段々と低レベル化する言い合いだが、やがて疲れたのか収まりを見せた。

立て続けにまくしたてた為かお互いを睨みつけたままし息切れさた2人だが、話が進まないと涼が溜息のように深呼吸をして切り替える。

「んで?原因はあんたのとやらの塞ぎれと、俺のあの大釣りだと」

「……ええ、そうです。から通れるサイズとは言え水龍が世界を越えてしまい慌てて元の世界に強制送還しました」

「あれ水龍だったのか……」

男子が一度は夢見るであろう架空の存在の龍との初対面が釣り糸の先にあったとは。なんとも複雑な気持ちだ。

「はい。それでその際接していた釣り道も対象となり、魔範囲にれた涼さんにも影響が出ました」

範囲は恐らくあので、手放した竿かられていたのかと考えられた。

様子見に粘りすぎたのが原因であり、涼の自業自得としか言えない。

勿論、決して釣り上げたいにかられてなかなか竿を離せなかった訳ではないのだ。

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「な、なるほど……ちなみに時間差がえらいあったのは?」

「魔の効果をしばらく涼さんの魔力が抵抗していたのかと」

「なるほど……え?俺魔力とか持ってんの?」

もはや非現実な狀況や容をどうにか割り切って話を聞いていたが、やはり聞き慣れない単語が並ぶ。

そんな中でも一段と驚きの事実が出てきた。目を瞠ってアリアを見る涼。

「はい。と言うより、全ての生は差はあれど魔力を持ってますから。涼さんは比較的多くお持ちのようですが」

「マジか……なら俺も魔法とか使えるんか?」

「適がなければ使えませんし、難しいかも知れませんね…」

「……そっか。まぁいいや、それで俺はどうなるんだ?地球には戻れないんか?」

「はい……地球には戻れません。消滅するか、水龍がいた世界に転生するかになります」

アリアいわく、世界ごとに原子やエネルギーなど世界を構築する要素に多の差があるという。

強制送還の魔的に世界を渡ってその世界に合わせ変質したを破壊し、元の世界に合わせた形に戻して再構築するものだという。

地球という世界からは破壊されるという現象を通しているので、涼も水龍の世界で再構築するか、そのまま消えるかしか手段がとれないのだとか。

「なるほど……ちなみにこのではなく生まれ変わる”転生”になる理由は?」

「出來ない事はないのですが、あちらの世界での元のの記憶がないので、どのような形で再構築されるか分からないのです」

水龍は元の世界でのが存在していたが、涼はそれが無い為必ずしも同じ形になるか分からないという事らしい。

誤差の範囲に収まる可能はあるが、下手をすればかし方すら違う可能すらあるという。

「なるほどね、大枠理解したよ。さてどーするかね」

「あの……それだけなんですか?」

「ん?それだけ?」

「ええ、普通もっと取りしたするんじゃないかなって……」

いきなり死亡宣告され、元いた場所には戻れず、その上消えるか全く知らない世界に転生されるか迫られる。

確かに普通なら混したり、原因たる相手にをぶつけてもおかしくはない。

「そりゃそれで変わるならいくらでもするけど。そーでもなさそーなら現狀をけ止めて対策なり段取りなり考えないと時間と労力の無駄だし」

「そ、そうですか……」

早速今後の事を思考しているのか、片手間なじで普通に返された言葉。

アリアは涼の割り切りの良さに驚きと呆れを合わせたようななんとも言えない表を見せた。

 

それなら早く説明すれば言い合う必要もなかったのかと心苦笑いだ。

「そう言えば、そのってのはよく開くもんなん?」

「うぐぅっ!」

涼としてそんなものがポンポン開くなら危ないな、とか転生した先で見つけれれば元の世界に戻る方法の一つになるのでは、くらいの気持ちで聞いたのだが、アリアは痛い所を突かれた!と言わんばかりの反応を見せた。

「………おい、まさか……」

「えっと、あ、あはは……」

「駄神お前自分で開けといて塞ぎ忘れたとか言わないよなぁ?!」

「ご、ごごごめんなさぁーいっ!!」

まさか原因の発生理由までアリアによるものとは。

さすがに怒りと驚きを隠せない涼。

「お前……詳しく教えてもらおうか」

「うぅ………はい…」

最初の神々しさなど記憶に殘らない程小さくなったアリアは、テストの點が悪かった子供のようにボソボソと説明を始めた。

本來、世界を渡るなど余程の魔力等のエネルギーを保有してないと世界の壁に弾かれるか、最悪消滅してしまうという。

今回の水龍もそのようなエネルギーはなく、アリアが世界の隙間にあるこの空間から両方にを開けていた所を通り抜けたようだ。

隙間にすでに開いたをすり抜ける事で世界の壁に防がれる事なく通れてしまったとのこと。

「てかそれなら向こうに転生して、あんたがを開けてくれれば地球に戻れるんじゃ?」

「いえ、正しく世界を越えないと世界が異として認識し、存在を消しにかかります。水龍もそうなる前に元の世界に戻したのです」

「そーなのか……ちなみに正しく越えるってどうすりゃいいんだ?魔法?」

「魔法では厳しいですが、恐らく魔等で存在をその世界に合わせる事が出來れば大丈夫と思います。私も越えた事はないので実際の所は分かりませんが…」

不確定ではあるが、方法は分かった。

しかし、まだ涼は気になる事がある。

「なるほど。あと2つ質問で終わりだ。1つ、さっきから思っていたけど魔法と魔は違うのか?なんとなく言い分けてる気がしたんだけど」

「違いますね。魔法は魔力を呪文等で直接現象に変換する技なのに対し、魔式等を用いて魔力で対象に干渉する技です」

(………なるほどよく分からん)

涼はニュアンスでなんとなく理解した、と掘り下げる事は諦めた。

理解の下地がないのに聞いても余計に混しそうだと思ったのだ。

「そっか。んじゃ2つ目、なんであんたはを開けたりしたんだ?」

一瞬言葉に詰まりつつ、こちらを見るアリアは視界に涼を映してはいるものの、涼にはまるで何も映してないようにも思えた。

逆に言葉に詰まる涼に、アリアは目を合わせたままその口を開く。

「それは………どうしようもなく、寂しくて…」

そう言ったアリアのその瞳には、迷子が途方に暮れたような寂寥と、何もかも諦めたような虛無を讃えていた。

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