《魔法が使えないけど古代魔で這い上がる》16 ダークホース
やっと落ち著いてきたウィンディア家。どうにか妻の機嫌を取り戻したルーガスに、エミリーが口を開いた。
「そう言えば、お父さんとお母さんの鑑定も見てみたい!見せて見せて!」
「ん?まぁそーだな、久しぶりに見てみてもいいか」
「ふふっ、そうね。今回は負けないわよルーガス」
なんだか好戦的なじなシルビアに、やってみろと言わんばかりの不敵な笑みを浮かべるルーガス。
負けず嫌いな夫婦だと呆れるフィンクや、天を仰いでいたロイドもやはり気になる。
われるように鑑定石に近づく2人。
「私からやるわね」
特に集中する事もなく息をするように魔力を込めるシルビア。
右手をかざすことなく両手でローゼを抱えたまま鑑定石を起させた。
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魔力量 9800/10550
魔法適 水90 風75 土55 火50 55
スキル 回復魔法適
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「うわぁ!お母さんすごーいっ!!」
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「ふふっ、ありがとエミリー。やっと1萬を超えたわね」
文字通り桁が違った。
シルビアは嫁いで來た為か風魔法適はないが、魔法適は全的に高い數値であり、ダメ押しとばかりに回復魔法適のスキルにより回復魔法が使える。
ちなみにルナと同じものだ。
「ふむ、さすがは『萬魔の魔』か」
「ふふっ、次はあなたよ」
「ふ、そーだな」
心したように呟くルーガスを促すシルビア。どーだ!という言わんばかりの彼は普段のお淑やかさはなくのような顔だ。
それを懐かしむような、微笑ましいような顔でルーガスは見返しつつ、そのまま鑑定石に目を向ける事なく魔力を注いで起させる。
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魔力量 8900/9650
魔法適 風100 火50 水0 土0 90
スキル 風魔法適 神風
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「父上、スキルが……」
「……2つあるんだけど」
「ん?知らんのか?勉強が足りてないな。鍛える事で後天的にスキルを手にする事もあるんだ」
呆然と呟くフィンクとロイドに、呆れた表を見せるルーガス。
だが、それは見當違いでしかない。
「いやいやいや!そうじゃなく、かなり珍しいケースと認識していたので……」
「……しかも神風って、魔法の上の神の一つだったはずじゃ…」
「なんだ、そっちか。うむ、お前達も鍛えて至るんだぞ」
ちゃんと分かってるならいい、と安心したように言うルーガス。
だが、魔法の教科書には必ず書いてあると言っても過言ではない神。その1つである神風。
そこには、魔力を神力という更に高次元の力に変換し行使する力とされており、王國で確認されている神者は過去に3人のみと書かれていた。
「「ええぇぇえぇえっ?!!」」
「あら知らなかったの?ウィンディア家歴代最高峰とまで言われてるのに……まぁ最近はルーガスも領主の仕事ばっかりだし仕方ないのかしらね」
子供達が心がつく頃からは比較的平和なウィンディア領。
自衛団で十分に対応出來る程の脅威しかなく、ルーガスが大々的に戦闘を行う事は確かになかった。
それ故に驚愕に思わず大聲でぶ兄弟。フィンクまでんじゃってるあたり、相當の驚きだったようだ。
「まぁそれは置いとくとしてだ。この適やスキルはあくまで指針でしかない。この適に合わせて鍛えれば回り道が減る、程度のものだ。結局は努力が必要になる」
「そうね、適とは違う方向に努力して結果を出す事も無い訳ではないわ。どうしたいかは鑑定石ではなく自分達で決めなさい」
両親の言葉をけ、一旦無理矢理に驚愕を押さえつけ、3人は力強く頷いた。
それを見て夫婦は微笑みを浮かべる。
「「っ?!」」
「あう?」
その時だった、不意に鑑定石が起する。
ルーガス、シルビアがバッと鑑定石に目を向ける。
追って息子娘達も目を向けると、いつの間にか近寄っていたローゼが手をばして鑑定石にれていた。
みんなしてってるしオモチャかな?とか思ったのかも知れない。
そして、そうこうしているに文字が浮かび上がる。
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魔力量 50/800
魔法適 風100 水20 火20 土20 70
スキル 雷魔法適
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誰もが言葉を失った。
頭上に!と?を飛ばして固まる5人。
なんとも言えない靜寂が部屋に訪れる。そんな中、
「…んぅーっ」
もう疲れた!と言わんばかりにぐでーっとするローゼちゃん1歳5ヶ月。
目を丸くした家族全員から視線を集めるも、當の本人は疲れたのかご就寢なさる模様。
「これは……びっくりだわ…」
ロイドの絞り出すような想に全員が頷いた。
家族全員の度肝をぶち抜いたウィンディア家のダークホースは、気持ち良さそうにすやすやと眠るのであった。
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