《ダンジョン・ザ・チョイス》2.実戦

起きてから水をしだけ飲み、短剣で素振りをした。

朝の五時。

寢心地は悪かったのに、気分は悪くない。

どこかで、待ちんでいた展開を迎えたからだろう。

ただ、短剣を振ってみると、そんな想いに影を指した。

重い。鉄の塊だからというだけじゃない。

を振り回しているという事への恐怖。

自分だけでなく、誰かの命を奪えてしまえる武を、自分が所持している事への恐怖。

でも、この程度の事が出來なければ、この先を生きてはいけない!

「ハアーッ……フゥーー」

深呼吸し、気持ちを落ち著ける。

窟の中なのに、空気が澄んでいる気がするな。

「行くか」

ファンタジーゲームのようなシステムの世界。始まりの蔵から、ダンジョンの奧に足を踏みれる。

「……暗いな」

目が慣れてきた事で、足元が見えるようになってきた。

ここまでは真っ直ぐの一本道。

突き當たりが見え、道は右にびているらしい。

警戒しながら、道を曲がった時だった。

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「ぐっ!?」

今までまったくじなかった、獣臭や生臭さが漂ってきた!

こんなの、病気になってしまう!

「クリアエア」

生活魔法のクリアエアは、自分の周りの空気を暫くの間綺麗にし続けてくれる。

もしかしたら、この曲がり角より先にはモンスターがり込まないようにする仕掛けがあったのかもしれない。

「しかも、戻れないのかよ」

見えない壁のようなで通れなくなっていた。

昨日、こっちに來なくて良かった。

「進むしかないか」

奧、燈りが見える。

揺らめいているように見えるから、火だろうか?

「キキッ!!」

が強張る!

蝙蝠こうもりか?

噛まれたらヤバそうだな。

カラッ!

違う! 何か居る!

腰の短剣に手を乗せたままジッとかず、どこになにが居るのかを探す。

ザッ!

すぐ橫!?

咄嗟に頭を守ろうとした左腕に――重い衝撃!!?

「あああぁぁぁぁああああ!!」

痛い! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!! ――うるさい!!!

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今は痛みよりも!!

剣を抜き、僕を襲ってきた何かを蹴る!

「ギャブッ!!」

「ゴブリン……なのか?」

小柄の割に、頭が大きい。子鬼という呼び名がピッタリの見た目。

腰布を巻いて、骨のクラブを手にしていた。

アレで、僕の左腕を……いや、アイツは頭を狙っていた。つまり、最初から殺すつもりで襲ってきたんだ!

滾るような憎悪が湧いてきた!

異常者共に対してと同じ覚!!

「ギギャ!」

「黙れ!」

ゴブリンがクラブを振り上げた瞬間、その腕を蹴り抜く!

「ギャーッ!!」

「黙れと言っているだろうが!」

腕が折れて泣きぶゴブリンを組み伏せ、に”鉄の短剣”を突き込んだ!

「がギャ……ギ…………」

「ハアッ……ハアッ……ハァ」

ゴブリンの口から、ゴポリとれ出る。

――殺した。命を奪った。僕は……殺したんだ。

が……震えている。

數秒後、ゴブリンはになって消えた。

「生きていたわけじゃない……ってことか?」

生き特有の、躍のようなを確かにじたのに。

鉄の短剣には、一滴のも付いていない。

「武の手れをせずに済みそうだ」

軽口を叩くと、左腕の痛みが戻ってきた!

「これ……折れたか? ぐっ! ヒール」

左腕に右手をかざし、癒やしのを放つ。

し痛みは和らいだが、まだ辛い。

隅に移し、座り込んで、またヒールを使用する。

チョイスプレートを出現させ、MPのゲージを確認。

「ヒールは五回が限界か」

ゲージの減り合から計算した。

數値が記載されていないため、目分量で確認するしかない。

四回目の使用で傷は治ったけれど、腕が強張って、まだ震えが止まらない。

「サブ職業に”僧”を選んでおいて良かった……フー……」

”僧”のおかげで、初級の回復魔法が使用出來る。

MPを消耗したせいか、活力のようなが減ってしまった気がするな。

不安に呑まれそうになってる……別の事を考えよう。

「ゴールドが増えてる」

昨日見たときは1000Gと表示されていたけど、今は1001Gになっていた。

「ゴブリンを倒したから? こういう所もゲームみたいなのか」

ゴブリンは1Gの価値って事ね。

「獲得アイテム?」

○”雑な骨クラブ”を手にれました。

「アイツが使ってた武か」

ここで休んでいても、事態は好転しない。

食べられるは無く、水も限りがある。

「ゲームの世界で生きるのって……しんどいは」

重い腰を上げ、暗い窟を再び進む。

殺したゴブリンに対し、一度だけ手を合わせて。

「キェーーーーーッ!?」

本日七目のゴブリンのを、短剣の橫切りで切り裂いた。

苦しみ藻掻いて、絶命するゴブリン。

「悪いな、楽に殺してやれなくて」

戦っているうちに、きが良くなってきてる。

それに、"剣"のおかげなのか、剣の使い方が頭に流れ込んでくるんだ。

剣を扱う恐怖が消えたわけじゃないけれど、大分慣れてきた。

手を合わせたのち、先に進む。

「水の音?」

奧から聞こえてくる。

慎重に進むと、明るく、広い場所に出た。

「滝か」

小さな虹を作りながら、凄い勢いで滝が流れている。

この滝の周りがやたら明るい。

滝は更に下へと流れ落ちているようだ。

チョイスプレートから水筒を取り出し、多めに飲んで滝の水を補充する。

「クリアウォーター」

水を洗浄、ろ過する生活魔法を、一応使用しておく。

「……ゴブリンじゃない」

水を飲みに來たのか、狼のモンスターが回り込むように近付いて來ていた。

「グリルルルルルル!」

威嚇してきたか。

俺は背中を見せないよう、滝から離れていく。

「グリルルルルルル」

後ろから二目!?

「やるしかないか」

短剣は抜かず、チョイスプレートから"雑な骨クラブ"を取り出し、背後から飛び掛かってきた方を躱しながら橫っ腹を打ち據える!

攻撃を避けるのには、昔から自信があるんだ!

目が間髪れずに飛び掛かってきて、クラブを咥えて奪ってしまう!?

奪われたクラブを無視し、ゴブリンから手にれた"雑な毒槍"を手にして、クラブの一撃できが鈍っている奴の腹に突き刺した!

「グオオオオオオアアォォォォォーーーン!!」

苦しんで暴れ出したため、"雑な毒槍"が壊れてしまう。

クラブを捨て去って向かってくる二目!

短剣を抜くと同時に膝を曲げ、頭上を通過する際に狼の腹に突き込む!

「グラアアアアアアアアァァァァーーーー!!」

臓やをぶちまけて、やがて二匹とも絶命した。

「……やっぱり、能力が上がってるよな?」

職業を戦士にしたからなのか、モンスターを倒してレベルアップでもしているのか。

辺りの狀況を確認し、チョイスプレートを開く。

○戦士.Lv2になりました。

さっきまでレベルなんて無かったのに。

それに、”グレイウルフの皮”と”グレイウルフの”×2、”狼の牙”が手にっていた。

したも消え、これがゲームなのか現実なのか分からなくなってくる。

夢……なんて事は流石に無いだろうが……。

○Lvが上がりましたので、サブ職業を一つ選択できます。

「本來はレベル上げで手にれるのか。ん?」

★盾使い ★槍使い ★棒使い ★拳闘士

★盜賊 ★弓使い ★斧使い ★鎌使い

初級魔法使いが無い。

はすでに持っているからかもしれないが、本來はどちらも手にらないだったのか?

だとしたら、最初に僧を選んだのは本當に正解だったのかもな。

「で、どれを選んだら良いんだ?」

やはり今回も、サブ職業に関する報が無い。

「……俺が短剣を選んでいなければ、ここに剣使いとか剣闘士って表示されていたのかも」

だとすると、槍使いを選べば槍スキルを使用できるようになるのかもしれない。

「だとすると、分からないのは盜賊か」

盜む能力かな? 予想が付くような……付かないような。

「今は大した武も無いし、ここは保留……」

今回はゴブリン以外のモンスターが現れたけれど、運良く対処出來ただけだ。

「よく考えてから選ぶように……か」

あのピエロみたいなのが言っていた事。

「……生き殘れる確率を、最優先にしよう」

サブ職業を今選ぶことにした。

短剣以外持っていないこの狀況で、意味がありそうなのは一つしか無い。

二つ目のサブ職業に、俺は”盜賊”を選んだ。

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