《ダンジョン・ザ・チョイス》4.分かれ道

「パワースラッシュ!」

突撃してきたゴブリンの橫を駆けながら、斬りで切り裂く!

「ちょっと頼りすぎかな」

TPが半分以下にならないように気を付けないと。

ただ、技を発したときの爽快が凄くて!

それにしても、戦士.Lv3になってから、以前の自分では考えられないようなきが當たり前のように出來るようになった。

必要に迫られてというのもあるけれど、自分のが生き生きとしているのが分かる。

絶命したゴブリンに手を合わせ、先へと進む。

「おっ?」

分かれ道が現れた。

○どちらか一方のみに進めます。選択してください。

チョイスプレートが現れ、消えなくなる。

「これが強制選択って奴か」

○右:ゴブリンロード ゴブリンがいっぱい

左:金銀財寶ザックザク♪ 良いアイテムありまっせ!

絶対に左が罠だ!

○どちらも出口に繋がっておりますので、ご安心を。

こういうときだけ丁寧な説明。

「……良いアイテムはしいし、俺には盜賊のサブ職業もある」

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罠があっても、回避出來るはずだ!

俺は左を選択した。

「やっぱり、こっちの方が危険じゃないか!」

一時間くらい、グレイウルフに襲われっぱなしだ!

しかも、一度に三、四匹が當たり前!

落ちている金・貨・を・拾・い・上・げ・、グレイウルフの顔に投げ付ける!

怯んだ隙に顎を蹴り上げ、他三の進路を塞ぐ!

窟が狹くて助かる! パワーブレイド!」

剣からが消える前に、四のグレイウルフを斬り伏せた!

「戦い方が分かってきてからは、そんなに手こずらなくなったな」

ただ、力とTPが確実に奪われ続けている。

周りに広がる金貨の山に座り込み、五を研ぎ澄ませてを休める。

周りにある金貨は、只の飾り。背景だ。

だから、チョイスプレートにれることが出來ない。

つまり、アイテム扱いにならないわけだ。

俺が著ている服と同じで。

「大分ボロボロになってきてるな」

しずつ、俺のお気にりが痛んで來ている。

「そのうち、お別れしないと」

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チョイスプレートにれられない以上、著られなくなれば只のお荷

「グゥゥゥオーーーー!」

遠くから、グレイウルフとは違う遠吠えが聞こえてきた。

「引き返せないっていうのが嫌だなー」

僅かに、駆けてくる複數の獣の足音。聞き慣れたグレイウルフのだ。

「遭遇率、いきなり上げすぎだろう」

立ち上がろうとした時、腳がよろけて金貨にダイブ――――へ?

金貨がすり抜けて……どこかの空

グレイウルフが近付いているのを思い出し、急いで下半も空れる。

「ここなら一息著けそうだな……ヒッ!!」

慌てて自分の口を塞いだ!

は行き止まりで、クリスタルから発せられているで照らされている。

その奧には寶箱が左右に一つずつ置かれており、右側の寶箱のすぐそばに……白骨死があった。

「スケルトンとかじゃないよな?」

恐る恐る近付く。

萬が一き出したら、ヒールを掛けてやる。

このゲームでも、アンデッドにヒールって効くよね?

「……かないな」

ボロボロのマントを著けているため、取り敢えず前をはだけさせた。

「格好いい……」

ブラウンの軽鎧。

肩部分と二の腕を出しているタイプか

「……すいません。その鎧、貰います!」

チョイスプレートを出した狀態で鎧にれ、収拾を選択。

骸骨から鎧が消える。

「埋葬しないとな」

『必要ない』

「へ?」

が、骸骨がき出した!?

『私は上から落ちて死んだ』

頭上を指差して語り出す骸骨。

確かに、どこかに通じて居そうだ。

『その鎧は私の誇り。偉大な我が剣のように、有象無象に奪われるのは我慢ならなかったのだ』

「そ、そうなんですか」

『禮の心を知るお主にならば、喜んで託せるというもの。我が偉大な剣も、是非お主が取り戻してくれ』

骸骨の姿が消えていく。

『決して、寶箱の毒ガスで死んだわけじゃないんだからね』

骸骨のが、完全に消えた。

「最後の一言、要らなくね?」

もしかして、忠告してくれようとしたのか?

手を合わせ、冥福を祈る。

「さてと」

○盜賊の力で罠を知しました。

骸骨のそばにあった寶箱に近付くと、チョイスプレートが突然出現した。

「だったら、罠解除」

TPを消費して、寶箱の罠を解除した。

「……指か」

を期待したのに。

取り敢えず回収。

反対側にあった寶箱に近付く。

……こっちは無反応か。

「……なんだこれ?」

中には、妙なチケットの束。

○様々な低級アイテムと換できるチケット。使用しますか?

TPが回復するまでは暇だし、使ってみるか。

「低級とは書いてあったが……」

只の皿や鍋、包丁やまな板などの日用品ばっかり!

「地味に必要だな」

リストの中には水筒なんかもあり、俺がしかったがより取り見取り♪

「でも、一番必要な武が無い」

そう、リストに一つも武が乗っていないのだ。

「ま、いっか」

チケットは五十枚分あるため、遠慮なくしいものを選んだ。

まっ先に鍋とまな板を選びました!

「おおーー! 格好いい!」

鏡が無いから分からんけど。

骸骨から貰った、"偉大なる英雄の鎧"を裝備してみた。

鎧の下では、黒いゴムのようなのがにピッタリとくっついていてきやすい。

何故か、肩と二の腕部分には無いけれど。

「”偉大なる英雄の鎧”って、名前負けしていないか?」

序盤で手にる武にしては、ちょっと名前が尊大すぎるだろう。

デザインも地味だし。

派手なのは嫌だけれど。

「実際に凄い防なのかな? 詳細が分からないって本當に不便だ」

次は指

「"大地の盾の指"……盾?」

取り敢えず、左の人差し指に裝備してみる。

は左右の手に一つずつしか裝備出來ず、左手に裝備したら、強制的に人差し指に嵌められた。

くすんだ黃金の、六角形の盾のような意匠の指

○特殊効果:盾形

「盾形?」

――いきなり、巨大な金屬の板が出現した!?

「これが盾……重くない?」

左腕に浮いた狀態で、指と同じ意匠の盾が出現している。

俺のの大半を覆えるくらい大きいのに、浮いているせいか全然重くない!

どうやら、TPもMPも消費せずに使用できるようだ。

「おおーー!!」

左の指に裝備したからか、左手の周りであればある程度自由に作可能らしい。

「これ、結構凄いアイテムなんじゃ……」

どれくらい凄いのかは比べようが無いので分からないが、これより上だとどんな便利ながあるのか想像できない!

「……でも、肝心の武が。いや、これだけ凄いのが手にったんだ! きっとこの先にも、凄いアイテムがあるはず!」

金銀財寶ザックザクという割には、"大地の盾の指"ぐらいしか手にっていないけれど!

「こっちは登れないか」

壁歩きでも登れない。

「よし、行くか!」

只の巖壁にしか見えない場所を通って、また金貨が転がっている一本道に戻る。

「……うわー」

グレイウルフに囲まれとるがな。

「グルルルラーーーー!」

飛び掛かってきた一を捻って避け、すれ違いざまに手の甲を脇に打ち込む!

凄い! きが良くなってる! 鎧のおかげか?

他のグレイウルフの頭を蹴り、反対側の奴の眉間に肘打ちをし、顎を毆り上げる!

喧嘩殺法でも充分に戦えているぞ!

「盾形!」

突っ込んできたグレイウルフの正面に盾を作り出し、け止める!

浮いているはずなのに、盾越しに衝撃が伝わってきた!

「欠點が無いわけじゃないか」

グレイウルフ二を、まとめて盾で薙ぎ払う!

盾事態には重さも度もある。充分ダメージは與えられているはず!

裝備のを確かめながら立ち回っていると、いつの間にか十以上居たグレイウルフが全滅していた。

「……強くなっているって思えるの、凄い嬉しい!」

半分以上システムアシスト的なだろうけれど、俺だって経験を積んで強くなっているはずだ!

鎧を裝備してから、能力が異様に上がった気もするけど。

「おし、この調子でどんどん行くぞ!」

盾を消し、手を合わせ、先へと進む。

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