《たった一つの願いを葉えるために》真実3

「本來お主は、あのシアという娘と出會うことはなかったのじゃ」

「……え?」

何を言われたのか理解ができなかった。

俺がシアと出會うはずがなかった?何を言っているんだ?

言葉を理解してもその意味が全く理解ができなかった。いや、理解したくないと頭が、心が拒絶しようとした。

「すまない、いきなり結論から言って混させてしまったようじゃな」

だが、不思議と拒絶しようとする心とは別に、聞かなければならないという思いがあった。

「…いえ……それは、どいうこと…ですか?」

「それは本來ならば神は、人界に直接干渉することはできないからじゃ。じゃが邪神たちは、を使い人界に干渉してしまった。そのせいで、もともとの因果律が歪んでしまったんじゃ。じゃからお主は、シアという娘と出會うことがなかった、いや、全く別の出會い方をしていたかもしれなかったんじゃ」

「それに、人に力のほとんどを失っているからとはいえ、神を、それも超越神を倒せるはずがないんじゃよ」

「では、なぜ倒すことができたのですか?

それ以前に、その邪神と戦った覚えがないんですが」

「それなんじゃが、お主が最後に獲得したスキルのおかげじゃよ」

「あの、<英雄等価>のことですか?」

「そうじゃ」

「その<英雄等価>は、邪神や悪神が封印された世界の代替措置なんじゃ」

「代替措置ですか?」

「ああ、人界に直接干渉することが出來ない儂らが、もしものために取った措置なんじゃ」

「じゃがあれは、使用させるつもりも、ましてや獲得させるつもりもほとんどなかったんじゃが、儂らが思っていた以上にお主のいた世界の封印が弱まっていたみたいなんじゃ。そこに、歪んだ因果律がわり、お主にとって最悪の結末になってしまったんじゃ。だから、お主があの様な絶を味わったのは、儂らが歪んだ因果律、弱まった封印を甘く見ていたせいなんじゃ」

「本當に…本當にすまなかった」

そう言って神様は深く頭を下げた。

「…………いえ、頭をあげて下さい神様。全く恨んでないかと言われれば噓になりますが、もう終わったことですし、シアを守れなかったのは自分自の力が足りなかったからだと思っているので、気にしないでください」

因果や邪神、魔神族が神様のせいだとしても、結局はそれらをはねのけるだけの自分の無力さが原因なんだから。

「お主は、本當に優しいのじゃな。これは儂らからというよりは、上位神の方からの提案なんじゃがお主、他の世界に転生しないかの?」

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